生徒から好かれる先生と嫌われる先生の違い5選
こんにちは!
大学卒業後、塾講師として15年企業に勤め、現在は独立して自分で塾を経営している長谷川です!
長谷川 裕一郎 はせがわ ゆういちろう
青森県出身、兵庫県在住。関西外国語大学卒業後、塾講師として働き始め、多数の受験講座、英検対策講座等を担当。2018年に単身フィリピンへ語学留学。現在は兵庫県宝塚市にて小中学生向け個人塾「英語数学教室」を主宰。英検対策チャンネル「長谷川先生」としてYouTubeにて解説動画を配信している。 TOEIC890点。一児のパパ。
今回は私が長年塾講師として会社勤めをしている時に見てきた、生徒に好かれる先生と嫌われる先生の違いを5つご紹介しようと思います。
塾講師として生徒の前に立つにあたって、皆それぞれ強い思いやこだわりがあると思いますが、生徒に嫌われようと思って授業をしている方はいないはずです。ですが、生徒へのほんの少しの接し方の違いで嫌われてしまう先生がいるのも現実です。
子供達が大人になるまでに出会う大人は大きく分けると「親か先生か」の2種類しかいません。片翼を担う以上、我々塾講師が子供達のその後の人生に与える影響は計り知れないものがあります。
あなたに出会ったことによってあなたから習った教科が大好きになり急激に成績が良くなったり、また、あなたのような大人になりたいと思う子がいるかもしれない一方で、あなたのせいでその教科が嫌いになり、大人が信じられなくなるなんてことも起こらないとは言い切れません。
どんな先生に出会うかは子供達にとってとても重要なことです。良くも悪くも子供達の人生に大きな影響を与えてしまうのが我々「先生」と呼ばれる職業なのだということを理解し、なるべくなら子供達のその後に良い影響を与えられるように覚悟を持って望むようにしましょう。
目次
1.笑いが有るか無いか
2.子供達が「これは勝てない」と思う何かを持っているかどうか
3.子供達が「これなら勝てる」と思う何かがあるかどうか
4.話を聞いてくれるかどうか
5.上下関係よりも信頼関係
6.最後に
1.笑いが有るか無いか
我々塾講師の仕事で一番のウエイトを占めるのは「勉強を教えること=授業」です。
一見するとこれに「笑い」は無くてもいいもののように感じます。豊富な知識量で、理解しやすい解説で、誰から見ても非の打ちどころの無い授業を展開している先生はたくさんいます。我々大人から見ると素晴らしいプロフェッショナルに感じます。
しかし、子供達にも同じように感じてもらえるかというと、答えは否です。考えてもみてください。子供達が授業を受けたいと思って塾に来ていると思いますか?そんなわけないですよね。学校だって塾だって「親に言われるから仕方なく」来ているのです。あなたの授業の評判を聞きつけて、あなたに師事するために入塾しましたなんて生徒はいないはずです。子供達は研究者ではありません。淡々と授業をこなす「ザ・真面目」はハッキリ言って嫌われます。
ではまず何を意識しなくてはいけないのか。
それは「笑い」です。
私は何もお笑い芸人のように生徒達の前で振舞えと言っているわけではありません。逆にそんなことをしたら授業は崩壊するでしょう。そうではなくて、まずあなたが笑顔でいること、そして子供達を笑顔にすることです。これをあなたが与えられた職務の範囲内で行ってください。
あなたが学生だった時に好きだった先生を思い浮かべて下さいと言われたら、どんな先生を思い出しますか?
きっと今思い浮かべたその先生は仏頂面ではなかったはずです。どんなに授業が上手くても、いつも仏頂面で不機嫌そうな先生を子供達が好きになるはずがありません。面白いギャグなんか言えなくてもいいので、生徒が塾に来た時にまずは明るく笑顔で「こんにちは」と言えることが一番大事だということを覚えておきましょう。
そして、授業がはじまったら、授業内容から派生した豆知識や小話なんかをはさんであげてください。テキストに載っていない情報をあなたが話始めた時にこそ、子供達の顔があなたに向くのが実感できるはずです。その時に授業と全く関係の無い話ばかりをしてしまうと「あの先生は全然授業しない」というクレームにつながってしまいますが、授業から派生した話であれば、先程のクレームからは一転「あの先生すげぇ」になるのです。同じ内容を伝えるにしても「学校の先生より面白い」という評価を得ている塾講師は、テキストに載っている内容+αを「自分の言葉」で伝えているのです。
例えば「助動詞の後は動詞の原形」これは誰でも言えます。これを強調したところで誰も笑顔にならないし、なんなら生徒達の顔は下を向いたままでしょう。
そこで「じゃあどうして助動詞の後は原形になると思う?」と生徒達に問いかけてみましょう。子供達は何か学校では教えてくれない面白い話が聞けそうだという期待感から、顔を上げあなたの次の言葉を聞き洩らさないように集中しようとするはずです。そこであなたが今まで培った知識を披露してあげてください。子供達は家に帰った後、あなたから教わったことを嬉々として親に話しているはずです。あなたは別にギャグなんて一言も言っていませんが、子供達だけでなくその親まで笑顔にすることが出来たのです。
あなたが目指すべきはまず自分が笑顔でいること。そして、子供達を笑顔にすることです。それもあなたの前だけでなく、親の前で子供を笑顔にすることを目指しましょう。これが出来るようになれば、保護者面談で初めて会う親からいきなり神様のように扱われること間違いなしですよ。
2.子供達が「これは勝てない」と思う何かをもっているかどうか
あなたの知識が豊富なのは子供達からしたらいわば「当たり前」です。なぜなら、あなたは先生だからです。
そして、あなたの授業を子供達が受けさせてもらっているのも「当たり前」です。子供達は生徒だからです。
つまり、「先生と生徒」という関係だけであなたが子供達から尊敬や好意を勝ち得ることは出来ません。
ではどうしたら子供達から尊敬の眼差しを持って見られる先生になれるのでしょう?
それは子供達に「これは勝てない」と思わせる何かを持っているかどうかということになります。
先程も言いましたが、専門教科において「知識が豊富」なのは当たり前です。これ以外の何かで子供達に「勝てない」と思わせなくてはなりません。学校の先生であれば体育や音楽の授業などもあるので「足が速い」や「ピアノが上手い」なんていう特技を披露する場もあるでしょう。
では、我々塾の先生はどうしたら良いのでしょう。ひとつエピソードをご紹介します。
以前とある教室で、ゴキ○リが出たことがありました。そのクラスを担当していた先生は、生徒と一緒にキャーキャー逃げまわり、授業どころの騒ぎではありませんでした。そこへ隣の教室で授業をしていた別の先生がやってきて、状況を判断するやいなや、おもむろに自分の靴を脱いだかと思うと、一瞬で奴を仕留めたのです。ティッシュでくるんでトイレに流すまでほんの1~2分の出来事だったでしょう。何事も無かったかのように無言で去って行った彼が、担当していない生徒にまで尊敬されるようになったのは言うまでもありません。
後日、彼が別の教室で、殺虫剤無しでスズメバチまで仕留めたと聞いた時は流石に特殊スキル過ぎるとは思いましたが、要は子供達が「出来ない」と感じたことを「目の前でやってみせる」それだけなんです。これが出来るようになるともう授業の上手さとかそんなの関係なくなるぐらい「あの先生すげぇ」になります。塾の先生だからチャンスが無いなんてことはありません。いくらでも転がっています。それをあなたが見つけられるかどうかにかかっているのです。
3.子供達が「これなら勝てる」と思う何かがあるかどうか
先程とは逆のパターンになりますが、子供達が「これなら先生に勝てる!」と思う何かがあるかどうかも好かれる先生像を語る上で外せない事柄になります。
先生と呼ばれる人達だって人間であるということは子供達だって充分理解しています。規則やルールを守ることはもちろん大切ですが、そればかりに囚われて堅物化している先生に子供達は魅力を感じません。先生は完璧じゃなくても良いのです。少しぐらい隙があるほうが生徒達との距離感が近くなります。
あなたが数学や英語の先生で、黒板に書いた漢字を間違えたら、子供達はどんな反応を示しますか?
「先生、その漢字間違ってるで~」と言われたあなたがどんな対応をするかで、あなたは生徒達に好かれもするし、嫌われもします。もしあなたが「先生だって人間やねんから間違うことぐらいあるわ!」なんて逆ギレでもしようもんなら、生徒達はもう二度とあなたの間違いを笑ってくれることはありません。それどころか、国語が専門教科ではないにも関わらず、「間違った漢字を教えるダメな先生」というレッテルを貼られてしまうでしょう。
逆にもしあなたが「お~、そうか。教えてくれてありがとな!先生○○君には漢字勝たれへんわ~。また教えてな!」と素直に自分の間違いを認め、指摘してくれた生徒を誉めたらどうなるでしょう?決してあなたの評価は下がらないはずだし、間違いを指摘した生徒は「先生に漢字で勝った!」と良い気分になるはずです。それを見ていた他の生徒達も「あの先生は間違いを指摘しても怒らないし、逆に誉めてもらえる!」と思い、あなたの次の板書間違いを必死で探すようになる(=集中して授業に取り組む)のです。
だからと言ってわざと間違える必要なんてありませんよ?生徒達の目に触れるものに間違いは少ないほうが良いに決まっています。
ここで大切なのは、生徒達の実力と行動をしっかりと認めてあげるということです。
誰だって認められたいし、誉められたいのです。「よく頑張ってるね」「先生よりすげぇな!」「先生が子供の頃より大分良いで!」自分が一目置いている人からこんなセリフをかけてもらえたら子供達は絶対嬉しいし、もっと頑張ろうと思えます。そしてそれが後々子供達の得意なものにつながっていくきっかけにもなり得るのです。
「あの時先生が認めてくれたから今の自分があるんです」こんなセリフを言ってもらえたら先生冥利に尽きるとは思いませんか?
4.話を聞いてくれるかどうか
基本的に「先生」と呼ばれる職業につく人は「喋りたがり」が多いです。中には「先生は喋ることが仕事だ!」なんて豪語している人もいます。完全に間違いです。
「生徒の苦手を得意に変える手助けをすること」が我々の仕事なのであって、「喋ること」ではありません。なんなら「生徒に喋らせること」の方がよっぽど重要です。
せっかく休み時間に相談に来てくれた生徒に対して、まだ最後まで言い終わってないのに「あ~、それね。こうするといいよ」なんて勝手な先読みをして喋り始めてしまう先生がどれだけ多いか。
喋ることよりも優先すべきは「生徒の話を最後までちゃんと聞くこと」です。生徒が一旦言葉を切ったからと言って、それで最後まで話しきったと思ってはいけません。「ほう、そうか。それは大変やったな。で?○○くんはどう思うんだ?」なんて風にもっと生徒に喋らせるようにこちらから仕向けてあげることも大切です。
もう何も出なくなるぐらいまで喋らせてあげれば、意外とそれだけで生徒は晴れ晴れと満足して帰っていくものです。こちらからのアドバイスなんて求めていないことのほうが多いのです。生徒自身の中にすでに答えはあって、でも不安だから一応話を聞いてもらって、本当に合っているかどうか確認したいだけだったりします。
それなのに、言いたいことも言い終わらないうちに「あ~、それはね」なんて話し始められたら、口では「ありがとうございました」と言っていても、内心のモヤモヤは全く晴れず、「あの先生に相談してもムダ」と言い触らされること間違いなしです。
大切なのは「ちゃんと聞くこと」です。そして「もっと聞くこと」です。
指導とは導くことです。教えることではありません。生徒自身が自分の答えにたどり着けるように我々先生はしっかりと導いてあげなくてはならないのです。決して独りよがりの喋りたがりになってはいけないのです。
5.上下関係よりも信頼関係
我々は「先生」で子供達は「生徒」です。そこには明確な上下関係があります。今でこそ体罰は厳禁になっていますが、少し前までであれば、先生が生徒を殴るなんていうのが当たり前だった時代もあります。この記事を読んでいる人の中にも、その昔先生に殴られたなんていう経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。それは上下関係のなせる技です。しかしその上下関係を利用すればするほど、信頼関係は失われていくのです。
日常で先生であるあなた方から子供達に何か頼みごとをするシーンはありますか?例えば「黒板消しといて~」とか「そのゴミ拾っといて~」など、もしあなたが子供達に何かお願い事をした時、おそらく子供達はやってくれるでしょう。でもそれが「先生に言われたからやった」では良好な関係が築けているとは言えません。目指すべきは「あの先生に言われたからやった」なのです。この微妙なニュアンスの違い分りますか?
例えば野球選手を志している子供が、もしイチロー選手や大谷選手に何か練習方法を教わったら、間違いなく実行しますよね。そこには彼らがメジャーリーガーとして活躍したという絶対の信頼があるからです。
我々も子供達から信頼を勝ち取るためには「ただの先生」から「あの先生」になる必要があります。そのためにまず大切なのは、もちろん授業です。「あの先生に習ったら成績が上がった」これが塾講師として一番分りやすく子供達の信頼を得る手段です。「あの先生が言うんだから、この問題やっておこうかな」とならなくてはいけないのです。
ただ子供達の信頼を勝ち取る方法はそれだけではありません。
もう一つ大切なことに「約束を守ること」が あります。
塾講師であるあなたは子供達との日々のやり取りの中で、小さな約束をすることがあると思います。例えば「明日までに丸付けして返すわ」とか「今ちょっとそれ分らんから調べておくな」などです。
ちゃんと実行できていますか?沢山ある業務の中に埋もれて子供達との約束を忘れてはいませんか?あなたが忘れていても、子供達はちゃんと覚えています。
逆に子供達との小さな約束をしっかり覚えていて、ちゃんと果たしたらどうなるでしょう?
「あの先生次の日にちゃんとテスト返してくれた!」「あの先生高校のことちゃんと調べて教えてくれた!」といった具合に子供達から信頼される良い意味での「あの先生」になることが出来るのです。
そんな信頼出来る「あの先生」であるあなたに言われたら、ゴミを拾うことなどなんてことはありません。むしろあなたに指名されたことを喜びにすら感じるでしょう。
子供達との約束を「些細なこと」と思わずに、あなたに与えられた信頼へのチャンスだと思って、しっかり守ることを心がけましょう。
最後に
出来ているところ、出来ていないところそれぞれあると思いますが、この5つは全てとても大切なことです。
塾講師として働いていけば、毎年必ず新しい生徒と出会います。また数年に渡る長い付き合いになる生徒もたくさんいることでしょう。子供達にとって我々は「先生ガチャ」なのです。一人でも多くの子供達に「当たり」だと思ってもらえるような先生を目指して、日々研鑽に励んでいってください。
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