塾業界でのキャリア形成のために20代・30代でしておくべきこと【キャリアコラム#35】

塾業界でのキャリア形成のために20代・30代でしておくべきこと

こんにちは！プロ講師の平山です。

今日は、塾講師歴33年目の私が、色々な塾での指導と並行して起こる各種ライフイベントをくぐり抜けて来た中で、特に20~30代でしておくこと＆お勧めしたいキャリアプランについてお話ししたいと思います。

目次
・年代によって考えるべき塾講師としてのキャリア
・塾講師の年代別オススメ雇用形態の理由とは？
・つまり、業界内でのキャリア形成のため20代・30代でしておくべきこと
・結論

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年代によって考えるべき塾講師としてのキャリア

職業が「塾講師」と聞くと、あなたはどのような就業形態を思い浮かべますか？

塾講師ステーションの読者の皆様なら、大部分の方が時間講師のアルバイトを思い浮かべるのではないでしょうか。

確かに、最も多く目にする求人は時間講師かもしれません。

しかし、塾業界には正社員や契約社員の求人も沢山あり、しかも専門職ですから、同年代の一般企業で働く正社員と比較して給与水準が高めに設定されている塾も多くあります。

それならば、塾講師の仕事をしてみようかな、と思っている方には誰にでも正社員や契約社員がオススメなのかと言うと、そうとも言い切れず、「年代による」という私の答えになります。

年代によってオススメの塾講師の雇用形態はズバリ、以下の通りとなります。

10代（学生）　時間講師アルバイト（個別指導塾）
20代（学生〜新社会人）　時間講師アルバイト（小規模集団指導塾）
30代（社会人）①【兼業】一般企業の会社員＋時間講師アルバイト（中〜大規模集団指導塾）②【専業】契約社員塾講師（中〜大規模集団指導塾）＋家庭教師アルバイト
40代（社会人）①【兼業】一般企業の会社員＋時間講師アルバイト（予備校） ②【専業】正社員教室長候補（中〜大規模集団指導塾）
50代（社会人）　①【兼業】時間講師アルバイト（予備校）複数掛け持ち ②【専業】正社員教室長（中〜大規模集団指導塾）

塾講師の年代別オススメ雇用形態の理由とは？

では次に、上記のお勧め雇用形態の中でも特に本日のテーマである20~30代のオススメ雇用形態について、その理由を挙げてみたいと思います。

20代

20代（学生〜新社会人）　時間講師アルバイト（小規模集団指導塾）

10代で経験した多業種のアルバイトや個別指導の塾講師の経験を元に、そこで得た対人スキルや職種別スキル、塾講師なら指導スキルをブラッシュアップして行く時なので、塾講師であればある程度、教え方に工夫する必要がある集団指導を経験するのが望ましい。

大学生となると、教職課程専攻であれば4年次に教育実習があったり、それ以外の学生も就職活動に突入し、いよいよ社会人となる日が目前に迫っている年齢でもあるので、10代で身につけた基本的な塾講師としてのスキルにプラスして、集団指導のスキルや保護者対応のスキルを身につけるのが望ましい。

ちょうど就活とかぶるので、人によっては塾業界が天職だと悟り、就活で塾業界の正社員に絞ろうと意思が固まる人も出てくる。ただし、大手だとそれなりの経験や対人スキルがないと対応し切れない場面が多くあると考えられるため、小規模塾の方が塾長からのアドバイスを頂きながらゆっくり成長出来るため、より望ましい。

筆者の場合、10代の頃3つの個別指導塾で年間10名前後の指導をした経験から、人に教えることの難しさと共に、分かってもらえた時の喜びや達成感に魅了されつつありました。

そのため、20代の大学4年生になった時には教職課程で教育実習に行きながら地元の1クラス12名程度の小規模集団指導塾で週に4回教壇に立つようになり、ちらほらと保護者対応などもするようになって、卒業後に教師の道を進むのか、それとも一般企業に就職するのか、決められなくてそれはそれは悩んでいた時期でした。

結局、幅広く経験を積みたいと思い一般企業の正社員＋週末に塾講師のアルバイトという道を選びました。

30代

30代（社会人）①【兼業】一般企業の会社員＋時間講師アルバイト（中〜大規模集団指導塾）②【専業】契約社員塾講師（中〜大規模集団指導塾）＋家庭教師アルバイト

30代の社会人は塾業界であってもなくても、新卒で就職した職場や職種について疑問を持ち始めたり、別の新たな事に挑戦したいと感じ始めたり、早い人だと結婚を機に融通の利く場所や時間帯での就業を望むようになったりと、人生の中盤に差し掛かるにあたり、とにかく色々と考え込むことが多い年代である。

この年代だと一般企業の正社員であってもまだまだ十分と言えるほどのお給料を貰える訳でもない。一方で、行動範囲や交友関係も広がって、趣味に使うお金や交際費が最も多い時期。

塾講師にしてもまだまだ給与水準が高くないため、どちらか1つの職業だけに絞ると出費がまかない切れずに苦労することになる。何れにせよ本業と副業としての塾講師、または家庭教師といった複合パターンが良い。

この頃に複合パターンで乗り切ることは収入のためのみならず、その後の40代で自由に身動きが取りづらくなって来た時にも役立ちます。継続している塾講師の経験があれば割と簡単に脱サラを決意したり、複数箇所での塾講師アルバイトを組み合わせて40代の平均年収以上を稼ぐことが出来たり（しかも自由になる時間が多い）と、人生の大きな方向転換に一躍を買ってくれることもあります。

筆者の場合、兼業パターンを突き進んだのち30代後半でやや遅めの結婚をし、それを機にそれまでの一般企業＋塾講師アルバイトで生計を立てていたものを一新しました。

具体的には、通勤時間の短縮と収入増の両得のために契約社員塾講師＋家庭教師アルバイトで専業パターンにしてみたところ、1日8時間前後の指導時間（移動時間込）で正社員時代の2倍近い月収を実現することが出来ました。

もっと早くこうすればよかった！と思うも、今考えればこの頃まで引っ張ったからこそ得られた結果だったので、これで良かったのです。

そして、それが出来たのはひとえに辛い時も悲しい時も（半分冗談ですが）それまで継続して塾講師のアルバイトで経験を積んできたからだと思い、「芸は身を助ける」という言葉を身に染みて感じた瞬間がまさにこの時だったのを今でもはっきりと覚えています。

おまけ：40代以降

このようにして着々とキャリアプランを実行していくことは、その後の40代、50代でのキャリア完成期に必ず繋がって行きます。

逆に、20代・30代での下地がなければ、塾講師として最も活躍出来得る50代以降に身動きが取れなくなってしまうので、多くの経験の中で自分の向き不向きを見極めておく、ということだけでも、この頃に必ずやっておくべきだと考えます。

若い頃に何も土台を敷かなければ、後々のキャリアの自由度や充実度はかなり低いものになってしまう、とも言えるので、塾講師専業になるにしろそうでないにしろ、塾講師にまつわる経験は20代・30代が仕込みの要であると言っても過言ではないでしょう。

筆者の場合、40代の高齢出産で子育てがあったため正社員にしろ塾講師にしろフルタイムの仕事は無理があると考え、これまでの経験をフル活用して予備校の時間講師のアルバイトと家庭教師を1日4時間程度続けた結果、産後も仕事の勘を失うこともなく、また50代以降フルタイムで雇ってもらえる塾に巡り会うことが出来、とてもありがたかったです。