塾バイトを始めることを検討している人、あるいは塾バイトをはじめて間もない人の中には、
「今から漠然と就活が不安…塾バイト経験って就活で役立つことはある?」
と考えている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、塾バイトは就活に役立つのかということについて、今年(2022年7月現在)就活を終えたばかり/現在就活中の大学生(院生含む)56人へのアンケート調査から得られた
- 塾講師を通してどんなスキルが身についたか?
- 塾講師バイトのどんなエピソードをガクチカとして話せるか?
といった経験談も交えながら、解説します。
(アンケートの調査概要はこちら)
目次
・塾バイト経験って実際就活で役に立つことはあるの?
・塾バイト経験で身につくことが期待できる就活で役立つスキルとは?
┗コミュニケーション能力
┗説明力
┗洞察力
┗社会人マナー
┗スケジュール管理
┗電話対応スキル
・どうやって塾バイトをとおしてスキルを身につけるのか?
・塾バイト経験ってガクチカとして話せるの?
・最後に
塾バイト経験って実際就活で役に立つことはあるの?
結論から言うと,塾バイト経験が就活で役に立つかどうかはあなた次第です。
なぜなら、就活において重要なのは「塾バイトをしたことがある」という経験があること自体ではなく、塾バイト経験を通して取り組んだことや、そこから学んだこと・身に付いたスキルだからです。
一方、アンケート調査において、塾講師経験がある就活中あるいは就活が終了している56人のうち、91%が「就活全体を通して、塾講師バイト経験は役立ったと思うか」という質問に「はい」と回答しています。
このことから、塾講師バイトは就活に役立つスキルを身に付けるチャンスが非常に多くあると言えます。
塾バイトで身につくことが期待できる就活で役立つスキルとは?
塾バイトで身につくことが期待できる就活で役立つスキルについて、アンケートより以下の結果が得られました。
下記では、グラフの上位6位の
- コミュニケーション能力
- 説明力
- 洞察力
- 社会人マナー
- スケジュール管理能力
- 電話対応能力
について、アンケート回答から得られた経験談も交えながら紹介します。
コミュニケーション能力
塾では、指導にあたって生徒と円滑な人間関係を築く必要があり、コミュニケーション能力が必然的に磨かれます。また、塾によっては他講師や保護者とのコミュニケーションが必要とされることもあり、それらの経験は就活の面接などで役に立つと考えられます。
生徒・保護者・ベテラン講師など年代の異なる方々との関わり、また学力・性格・家庭環境など様々な生徒との関わりの中で、コミュニケーションスキル(特に瞬発力・対応力)が身についたと感じる。生徒・保護者・ベテラン講師など年代の異なる方々との関わり、また学力・性格・家庭環境など様々な生徒との関わりの中で、コミュニケーションスキル(特に瞬発力・対応力)が身についたと感じる。
(文系/男性/個別指導、集団指導/講師経験:2年以上)
面接は会話とも言うように、話を盛り上げることが大事だと感じたので、塾講師経験で培ったコミュニケーション能力を存分に活かすことが出来た。
(文系/女性/個別指導/講師経験:1年~2年)
説明力
生徒の年齢や学力は様々であり、生徒の理解度に合わせた説明を行うことが求められます。そのため、生徒が理解しやすい伝え方を心がけるようになり、説明力が向上することが期待できます。
生徒の反応を見ながら、理解度に合わせて説明する力を身に付けることができた。このことから、就活の際も面接官の方が理解しやすい言葉を選んだり、臨機応変にコミュニケーションを取ることが可能だった。
(文系/女性/個別指導/講師経験:6か月未満)
塾講師として教える際、相手の年齢や学力に応じて言葉などを使い分けることを意識した。大人相手でも自分の研究内容を知っているかで言葉を使い分けることができた。
(理系/男性/個別指導/講師経験:1年~2年)
洞察力
指導では、生徒の理解度にあった説明を行うために生徒の反応から生徒の理解度を察する必要があり、洞察力が必要となります。そして、生徒の反応に常に気を配って生徒の心情を読みとる経験は、就活で活かせます。
生徒の表情や反応を常に観察している為、面接官やグループディスカッションのメンバーの表情を見ながら上手く立ち回ることが出来た。
(文系/女性/個別指導/講師経験:2年以上)
生徒の分からない部分を推測して、その部分を分かりやすく説明しなければならないため、洞察力と説明力が付いた。就職の面接では、自分のことを知らない相手に対して、自分をアピールしなければならないため、このスキルが役立った。
(文系/女性/個別指導/講師経験:2年以上)
社会人マナー
塾の講師として勤務するため、研修で社会人マナーについて教えてくれる塾も多いです。加えて、塾によっては生徒の保護者と話す機会があるところもあり、社会人マナーを意識して行動する経験を積むことができます。
個人指導塾だと生徒の保護者と話す(電話・対面両方)ことが多くあったため、年上の人と話す時に必要な言葉遣いなどを自然と習得でき、就活の面接でも役立った。
(理系/女性/個別指導/講師経験:1年~2年)
スケジュール管理能力
毎週固定日に勤務する塾では、基本的に休む際は早めに申告する必要があり、前々からスケジュールを把握しておくことが求められます。
曜日固定なしのシフト制の塾においては、シフト提出のため、先々のスケジュールをきっちり把握する必要が出てきます。
塾のシフトを考えるために、いつも手帳やオリジナルのカレンダーを作成しているため、学校的にいずれ病院に勤めることになるのですが、どの病院がいつ説明会を行っているか10の病院のスケジュールをしっかりと把握することができています。
(文系/女性/個別指導/講師経験:1年~2年)
電話対応スキル
塾によっては電話対応の機会があるところがあります。そのため、電話対応の経験を積むことができ、電話対応スキルの向上が期待できます。
生徒の保護者に電話で面談の連絡などをしていたため、電話対応スキルが身についた。就活の際、面接の日程決めを始め、その他連絡事項などが電話で行われることが多いのでこのスキルが役立った。
(理系/女性/個別指導/講師経験:2年以上)
どうやって塾バイトを通してスキルを身につけるのか?
スキルを身につけるためには、「ただなんとなく勤務する」のではなく、「目的意識を持って勤務する」ことが重要です。
例えば、「生徒がきちんと理解できるような説明をする」という目的を持って取り組むことで、「生徒の反応から生徒の理解度を読みとって理解度に合わせた説明を行おう」となり、洞察力・説明力が身に付きます。
塾バイト経験ってガクチカとして話せるの?
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」の略語で、就活ではエントリーシート(ES)や面接の場面で頻繁に聞かれる項目です。
もちろん、バイトに真摯に取り組んでいれば、塾バイト経験をガクチカとして話すことはできます。
下記に実際のアンケートから得られた、どんなエピソードをガクチカとして話したかの例を紹介します。
生徒の成績が悪い原因を探ってそれに対する対策を一つ一つ立てていき、生徒のモチベーション管理のためのコミュニケーションをきちんと取りながら対策を実行していくことをガクチカとして話すことができた。
(文理融合学部/女性/個別指導/講師経験:2年以上)
ガクチカに活かせるエピソードが豊富でした。生徒に授業に集中してもらうための工夫をした、生徒一人ひとりに合った指導や問題演習をして点数アップに成功した、等。
(文系/女性/個別指導、集団指導/講師経験:6か月~1年)
このように、目的意識を持って塾講師バイトに取り組むことができれば、就活の場面でもしっかり話せるエピソードを見つけることができるようです。
最後に
以上、塾バイトは就活に役立つのかということについて解説してきました。
この記事をまとめると、
「塾バイトをしたことがある」という経験があること自体が就活で役に立つわけではないが、目的意識を持って塾バイトに取り組めば、就活で役立つスキルを身につけられる/ガクチカとして話せる
ということが言えます。
これから塾講師になりたい方や塾講師をはじめたばかりで悩んでいる方は、ぜひ目的意識を持って応募・勤務することをおすすめします。
以上、最後までお読み頂きありがとうございました!
【調査概要】
対象者:2022/7/2時点で就活中あるいは就活が終了している大学4年生または修士2年生
対象人数:56人
アンケート募集期間:2022/7/2~2022/7/17