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経験がない若手先生の自分の売り込み方 【キャリアコラム#49】

こんにちは!プロ講師歴はや33年、百戦錬磨の平山(♀)です。

本日は、

「よ〜し、プロ講師としてサラリーマンの2倍稼いでみせるぞ!」

と意気込んでいらっしゃる若手の皆さんに、最初にぶつかるであろう困難=経験を積むためにガッツリ塾講師・家庭教師バイトを入れようと思っているのに採用選考で落ちてしまうというお悩みに対してスッパリと解決策を述べたいと思います。

若手は、これまでのまだ不十分な経験を語るよりも、自分が目指す将来像を語ることで補え!

これが私の結論です。なぜこの結論が導かれるのかを見ていきましょう。

目次
生徒は若手の先生に何を求めているのか
保護者は若手の先生に何を求めているのか
採用する塾は若手の先生に何を求めているのか
ここまでのことからわかること
さいごに:成長していく自分の姿を見せることが大切

生徒は若手の先生に何を求めているのか

生徒が若手先生に求めて"いる"もの
お兄さん・お姉さんとしての親近感
同じ側に立って作業してくれる連帯感
学校の先生や親に対して自分の味方となって弁護してくれること
たまの雑談や体験談などの程よい息抜き

まずは学習習慣を身に付けたい、勉強への苦手意識をなくしたい、と思って塾に来る生徒達にとっては、年配の熟練の先生だと萎縮してしまって質問も出来ずにわからないまま放置してしまったり、先生が気合入り過ぎていて塾がイヤ!なんて事になりかねません。

若手の先生が味方となり、適度に和気藹々とした雰囲気の中で苦手科目の克服体験談などを交えて楽しく授業をしてくれると、塾に通うのを楽しみにしてくれるようになるでしょう。

生徒が若手先生に求めて"いない"もの
専門性・指導力
学校の先生や親と同じ目線での管理や圧力

塾に通い始めた大半の生徒は、上記にも書きましたが勉学そのものを突き詰めるよりもまずは学習習慣を身に付けたい、苦手意識をなくしたいと思っています。

勉強しろしろ、とうるさく言って来る人が親や学校の先生以外にもう一人増えたなら、とてもやる気にもならないでしょう。

保護者は若手の先生に何を求めているのか

保護者が若手先生に求めて"いる"もの
勉強嫌いが少しでも改善する動機付け
進路について自分の意見を持ってくれる体験談等のインプット
毎週の授業を楽しみにしてくれる雰囲気作り
生徒と一緒に勉強してくれること(親には出来ない!)

塾に通わせようと思う保護者もまた、いくら言っても勉強しない、進路のことを真剣に考えない等と悩んだ結果、少しでもモチベーションが上がってやる気になってくれたら・・と期待していることでしょう。

若手の先生が、自分の大学はどんなところか、小中高で勉強が嫌だった時にどうやって乗り越えたか等の情報を明るい雰囲気で伝えてくれると、具体的な進路や勉強の克服方法が見えて前向きになってくれ、保護者も喜んでくれるでしょう。

保護者が若手先生に求めて"いない"もの
眠くなるような単調かつ一方的な解説
プロ講師さながらの経験が伴わない上から目線のアドバイス
親と一緒になって生徒の悪い点を指摘する
雑談も一切ない張り詰めた時間
やる気をなくす大量な宿題

やる気を出して欲しい保護者とて、追い詰めるようなことをして余計にモチベーションが下がることは決して望んでいません(追い詰めたくないのに、心配から保護者が何か言うと結果追い詰めることになるのです)。
 
それよりも塾では、むしろ負荷から解放されて「ああ、勉強って意外と面白いし思ったよりできるかも!」と思ってくれたらとても嬉しいはず。

特に若手の先生にはそう言った役割を期待しているはずです。

採用する塾は若手の先生に何を求めているのか

塾が若手先生に求めて"いる"もの
生徒と同じ世代の目線での工夫
ツールやアプリ等を上手く取り入れた時代に合った学習方法の導入や提案
生徒が通いやすい教室の雰囲気作り(ベテランだけだと重くなる!)
素直さ・柔軟さ・誠実さ・活力

塾長や初期メンバーの熟練の先生達は知識や経験は豊富ですが、どうしても情報が古くなりがちであったり、昨今の教育のIT化に中々ついていけなかったりと、苦労している部分もあります。

若手を雇ったからには、知識や経験を自分たちでカバーする代わりに是非、新しい受験情報や教育のトレンドを共有して貰いたいし、またICTツールの導入をリードして貰いたいと考えています。

少し古い言葉ですがギブアンドテイクで運営して行けたら、万能の塾が出来上がることでしょう。

塾が若手先生に求めて"いない"もの
ベテランにならないとなかなか出来ないこと(高い専門性や指導力、豊富な経験から来るアドバイス等)

ベテランに追随しようと熱心に指導したりアドバイスをするのは悪いことではありませんが、どうやってもベテランには敵わないことはあります。なぜなら、どうしても経験の量によって指導力やアドバイスの質は変わってくるものだからです。生徒にとっても、どうせなら専門的知識や豊富な経験はベテランから習う方がベターかと思いますので、折角の若手の立場でしか出来ない役目を喜んで引き受ければ、ベテランも喜んでフォローしてくれるでしょう。

ここまでのことからわかること

塾や家庭教師の場面で登場する3者それぞれの立場から求めているもの・求めていないものを見てみると、全員が若手に対して求めているものを提供できることが絶対条件であることがわかります。

しかしながら、当然ですが若手はいずれ若手ではなくなる時が来る訳で、

「私の売りは生徒目線でゆるく楽しく授業をすることです!」

と言い切ってしまっては採用側としても先の成長が見込めず、何のポテンシャルも感じないので採用の決定打が見つからなくなってしまいます。難しいところですね・・・。

だからこそ、冒頭の結論で述べたようにしっかりと将来像(自分が目指すところ)を語ることを忘れてはならないのです。

ベテランは、過去の経験については膨大に語れますが、自分の将来像についてはあまり語れません(今がすでに"将来"になってしまっているので・・・)。つまり、今の自分でしか勝負出来ません。

一方若手は、過去の経験は豊富でないため十分に語ることは難しいですが、自分の将来像については膨大に語れます。今の自分+将来の自分の両方で勝負出来るのです!

その代わり、しっかりと自分が目指している着地点を定めて、そこに至るには何が必要かを洗い出しておかなければ採用側の胸に刺さらないので、それだけは忘れずにやっておきましょう。

貴方のしっかりとした将来へのビジョンを見て、採用側もこんな人に経験を積む場を提供したい、と思ってくれることでしょう。

さいごに:成長していく自分の姿を見せることが大切

生徒・保護者・採用する塾のニーズを理解し、今の自分とこれからの自分を丁寧に語ることが大切です。将来なんてものは保証されているものではありませんが、採用も同じく「今のあなた」だけをみて採用しているわけではなく、伸び代や今後の成長に期待をして採用を行っているため、あまり不安に思わずに語れるとよいと思います。少しでもみなさまの参考になれば幸いです!

 

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平山 美穂

記事執筆者:平山 美穂

大学で教職課程を専攻。修行として始めた塾講師・家庭教師のバイトにはまるも、世界観を広げるためと新卒で一般企業に就職し営業やマーケティングに携わる。その傍、楽しかった講師職にも必ず戻る日が来ると予感し、平日夜と土日に副業として継続。40歳を機に脱サラし、専業プロ講師となってからは塾講師・家庭教師・予備校講師・学校の非常勤・添削指導・模試採点とあらゆる分野に携わり、業界を極める。今後は良き後継者育成活動に専念すると決意。

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