私立教員は副業可能なのか?オススメ副業や注意点などを徹底解説
「私立学校で教員として働いているけど、副業に興味がある。でも、現実的に副業はできるのだろうか?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか?
世の中では副業が解禁されていく中で、教員の方も副業できるのか、気になることかと思います。
今回の記事では、私立学校の教員の副業について詳細に解説します。
この記事を読んで学べることは、以下の通りです。
目次
私立学校の教員は副業しても大丈夫?
私立学校の教員が行う副業の例
実際に私立学校の教員が手がけていることが多い副業は?
私立学校の教員が副業をするメリット
私立学校の教員が副業する際のデメリットや注意点
【まとめ】副業することで本業にもプラスになる面もある
私立学校の教員は副業しても大丈夫?
私立学校の教員は、副業をしても問題ないのでしょうか?
それとも副業禁止なのでしょうか?
ここでは、以下の観点から、副業をしても問題ないか解説します。
- 常勤講師の場合
- 非常勤講師の場合
- 私立学校の教員の実際の副業の認可状況
- 学校に隠しながら副業することは現実的か?
常勤講師の場合
結論としては、私立学校の常勤講師の場合は、勤める学校の就業規則によって変わります。
一方、公立学校の常勤講師は公務員であるため、副業をすることが法律によって制限されています。
私立学校の教員の場合は、一般的なサラリーマンと扱いが同じです。
そのため、法的には私立学校の教員の方でも、副業することは問題ありません。
ただし、就業規則の確認は必須です。
もし就業規則上に「副業を禁止する」という旨の規則が定められているにもかかわらず副業をしていた場合は、社内規則違反に該当することになってしまいます。
非常勤講師の場合
私立学校の非常勤講師の場合も常勤講師と同じく、就業規則の確認は必須です。
ただ、私立学校の非常勤講師の場合は、基本的には副業しても問題ありません。
就業規則において「非常勤講師における副業」について規定していないことが多いからです。
非常勤講師は常勤講師と異なり、パートタイムとしての雇用形態のため、他の職場との掛け持ちながら働く方が多いです。
ただ学校によっては、非常勤講師であっても副業申請を求める場合もあるので、副業に関する就業規則は必ずチェックしましょう。
私立学校の教員の実際の副業の認可状況
私立学校の教員の実際の副業の認可状況について見ていきましょう。
今回は、私立学校で働く教員21名にアンケートを取り、現状を確認しました。
その結果、勤め先の学校における副業の取り扱いは下記のとおりでした。
- 副業OK:20名
- 副業NG:1名
また、副業OKのうち、申請が必要か不要かについては、以下の結果の通りです。
- 申請が必要:5名(25%)
- 申請が不要:15名(75%)
申請が必要な5名のうち、実際に申請をしているのは4名と、80%の割合でした。
なお、副業OKかつ申告不要な15名のうち、2名は学校側に申告をした上で副業をしているようです。
副業OKな20名のうち、実際に学校側に申請をしているのは、30%にあたる6名でした。
実施アンケートの概要
対象者 |
塾講師ステーションの登録会員のうち、私立学校の教員として働きながら副業をされている、もしくは、されたことがある方 |
人数 |
21名 |
調査方法 |
Webアンケート |
学校に隠して副業するのは現実的?
学校に隠れて副業するのは現実的でしょうか?
結論としては、副業している事実を隠して行うのはオススメできません。
完全にNGというわけではないのですが、発覚した場合、以下のリスクがあるからです。
- 「職場ルールを守れない人」というレッテルを貼られるから
- 隠れて副業をしていることに、やましさを感じる人がいるから
学校の就業規則には、非常勤講師の副業を禁止する規定を定めていないことの方が多いです。
まずは社内規則を確認し、職場に対して正式なフローで副業申請をした方が、不要なトラブルに巻き込まれずにすみます。
私立学校の教員が行う副業の例
私立学校の教員が行っている副業の例は以下の通りです。
- 塾講師
- 家庭教師
- 教育に関する情報発信
- 教育系のアプリ開発
- コラムや本などの執筆活動
なぜ上記のような副業をしている方が多いのかというと、本業のスキルを活かせるからです。
副業において大切な考え方の1つとして、「本業につながる仕事を選ぶ」ことがあげられます。
そのため、教員の方の副業は教育にまつわる仕事をされているケースが多いのです。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
塾講師
私立学校の教員の副業でも最もオススメといえるのが、塾講師の副業です。
塾講師には以下の2種類の指導スタイルがあります。
- 集団指導
- 個別指導
集団指導では複数名の生徒に対して各教科の講義を行うスタイルで、個別指導よりも時給が高く設定されていることが多いです。
成績アップや受験指導など高いレベルの指導力を求められるケースがあるので、教員としての経験を活かしやすいです。
一方個別指導では、生徒1名1名に対して、学習の進捗状況や習熟度を考えながら勉強計画を立て、指導していく形になります。
集団指導と同じく教員の経験が活かせますが、どちらかというと1人1人に深く向き合い、勉強に対するモチベーションを引き上げる要素が強いかもしれません。
いずれにせよ、塾講師の仕事は本業の仕事との相乗効果が見込めるため、教員の方に最もオススメの副業の1つです。
家庭教師
家庭教師も、教員の副業に向いています。
家庭教師の仕事も学生に対して勉強を教える仕事のため、教員との相性が良いです。
家庭教師はこれまで、学生の自宅に訪問して勉強を教えるスタイルが主流でした。
最近では、オフラインで指導する以外にも、オンラインで教えるスタイルの家庭教師も普及しています。
オンライン家庭教師の場合には以下のメリットがあります。
- ネット上で教えるため、移動時間が省ける
- 生徒とのスケジュールさえあえば、いつでも授業が可能
- スケジュール調整がしやすい
- 他のアルバイトや副業と比較して時給が高い
本業とのスケジュール調整がしやすく、移動せずに働けるため、副業にはもってこいです。
教育に関する情報発信
教育に関する情報発信をする方も最近では目立ち始めています。
情報発信の具体的な手段は以下の通りです。
- YouTube
- ブログ
教育についての情報発信をすることで、受験を控える学生や成績が伸び悩んでいる学生を持つ親御さんに有益な情報を伝えられます。
たとえばユーチューバーとして登録者数が増えて人気が出てくれば、これまで配信してきた動画が資産となり、再生回数が増え続けていきます。
再生回数が増えることで、ゆくゆくは教育関係の広告などでの収益化が可能です。
情報発信の副業は、他の副業のように自分が手を動かしていない時でも自動で収益化につながる可能性があります。
教育系のアプリ開発
教育関係のアプリ開発を副業とする人もいるようです。
近年、ITエンジニアの数が不足していることから、様々なプログラミングスクールが立ち上がっています。
プログラミングを学ぶことで、教育関係のアプリ開発案件やウェブサイトの立ち上げの案件を受注しやすくなります。
このような案件であれば、学校側からの副業認可もおりやすいようです。
アプリ開発をはじめとしたプログラミングの知識は、教員に限らず習得しておいて損はありません。
世の中にはITエンジニアやプログラマーが不足しているため、プログラミングの知識があることで今後のキャリアが広がりやすいからです。
教育系ベンチャー企業などへの転職も視野に入れられるようになります。
コラムや本などの執筆活動
情報発信と同時に、コラムや本などの執筆活動もオススメです。
教育関係の執筆活動も過去に副業として認められたケースが多く、申請が認められる可能性が高いからです。
執筆活動は本業の知識を大きく活かせるだけでなく、執筆物が人気作品になれば、大きな収入につながります。
ただし、執筆活動を副業にする場合は以下の点に注意が必要です。
- 信用を傷つけない
- 守秘義務を遵守する
- 本業に支障が出ない範囲で行う
執筆活動はある程度時間をかけて行う必要があるため、執筆活動を頑張りすぎて体調を崩してしまい、本業に支障が出てしまうといけません。
また、働く学校の機密情報や開示してはいけない情報などを公開しないように細心の注意を払う必要があります。
実際に私立学校の教員が手がけていることが多い副業は?
私立学校で働く教員が実際に行っている副業はどのようなものがあるのでしょうか?
私立学校で働きながら副業をしている21名の教員の方に、どのような副業をしているのかアンケートを取りました。
結果は以下の通りです。
- 塾講師・家庭教師:76%、21名中16名
- 株式投資・FX:19%、21名中4名
- ホームページ制作:9.5%、21名中2名
- その他教育関係(研究員・放課後指導など):9.5%、21名中2名
塾講師・家庭教師だけで全体の4分の3を占めており、学校教員との副業先として最も人気なようです。
研究員や放課後指導を含めると、私立学校教員の85%の人が教育関係の仕事を副業として選んでいます。
本業の知見を活かせるため、教育関係の仕事を副業として選ぶのは賢い選択と言えるでしょう。
私立学校の教員が副業をするメリット
私立学校の教員が副業をするメリットは、以下の3つです。
- 人脈が広がる
- 教員として活用できるスキルが身につく
- 副収入が得られる
学校教員の仕事だけしていると、コミュニケーションを取れる相手が学校の職員のみに限られてしまうため、視野が狭まるリスクがあります。
そこで副業することで人脈が広がります。
また、副業をすることで本業に活かせるスキルの習得が可能です。
本業以外の収入を得られる点も魅力的です。
メリットのそれぞれの項目について、以下で詳細に解説します。
人脈が広がる
私立学校の教員が副業をするメリットの1つ目は、人脈が広がる点です。
学校の教育現場で働いていると、基本的に接する人はその学校で働く先生と学生のみです。
そのため、他の業界や会社との関わりが薄くなってしまい、その結果、視野が狭まってしまう可能性があります。
一方、本業とは異なる仕事や職場で働くことで、これまで出会えなかった新しい出会いが生まれ、人脈を広げることが可能です。
人脈を広げることで人との交流も多くなり、視野が広がり、新しい学びを得られます。
人脈が広がることでビジネスマンとして成長でき、キャリアの選択肢が広がる点がメリットです。
教員として活用できるスキルが身につく
副業での経験により、本業である教員の仕事に活かせるスキルの習得が可能です。
たとえば、受験を控える学生を対象とした塾講師を副業とする場合、以下のようなスキルが求められます。
- 生徒の学力レベル・成績における課題・何につまづいているのか把握する力
- 志望校に合格するために必要な学力レベル・試験傾向を分析する力
- 現在の成績から合格するまでの、学習スケジュールを立てる力
- 生徒のレベルに合わせてわかりやすく伝える力
副業を通して上記のスキルを習得することで、本業の教員の仕事にも活かせるため、相乗効果が生まれます。
教員として生きるスキルが身につく点も、副業をするメリットです。
副収入が得られる
副収入を得られる点も、教員の方が副業をするメリットです。
特に私立学校で非常勤講師として働いている場合、コマ数によって収入が変動します。
夏季休暇や冬期休暇、授業数の少ない3学期などは、授業数が少なくなるため、収入が不安定になりがちですよね。
副業をすることで授業数の少ない時期の穴埋めが可能です。
教員の副業先として人気である塾講師や家庭教師を選べば、他のアルバイトよりも時給が高いため、家計に余裕が生まれやすいです。
他にもインターネット上での情報発信や執筆活動などで、働いていない時でも収益化できるようになれば、更に副収入が安定します。
副業をしている私立教員が得ている実際の副収入
副業をしている私立学校教員は、実際にどれくらいの副収入を得ているのでしょうか?
副業経験のある21名の私立学校教員の方に、副業の収入事情についてアンケートを取りました。
結果は以下の通りです。
- 23.8%(21名中5名):6~10万円
- 19%(21名中4名):2~3万円
- 19%(21名中4名):4~5万円
- 14%(21名中3名):~1万円
今回アンケート回答をしてくれた方のうち、全体の76%(21名中16名)が副業月収10万円以下ということがわかりました。
私立学校の教員が副業をする際のデメリットや注意点
私立学校教員の方が副業をする際には、以下の2つに注意が必要です。
- 年に20万円を超える収入は確定申告が必要
- 時間のやりくりに苦労する場合も
私立学校教員に限らず、年間20万円を超える副業収入を得た場合は、確定申告が必要です。
また、本業以外の時間を副業に割くため、慣れるまでは時間のやりくりに苦労する可能性もゼロではありません。
それぞれ見ていきましょう。
年に20万円を超える収入は確定申告が必要
年間20万円を超える副収入を得た場合は、確定申告が必要です。
これは私立学校教員に限らず、どのような人でも当てはまります。
副業年収が20万円を超えなかったとしても、住んでいる自治体への住民税の納付は必須です。
確定申告をする際に気をつけなくてはならない点が、税金の徴収方法です。
確定申告すると本業の収入と副業収入が合算されて住民税が確定します。
一般的に住民税は勤め先企業の給料から天引きされますが、副業すると天引き額が高くなってしまうことで、勤め先に副業していることがバレてしまう可能性があります。
副業していることを隠したい場合は、税金の徴収方法を給与から天引きされる「特別徴収」ではなく、自分で納付する「普通徴収」を選択する人が多いようです。
非常勤講師の確定申告の実際の対応状況
非常勤講師が副業をした場合、どれくらいの人が実際に確定申告の対応をしているのでしょうか?
21名の副業をしている私立学校教員へのアンケートをもとに、確定申告への対応状況を見ていきます。
- 61.9%(21名中13名):自分で書類作成、確定申告を行っている
- 28.6%(21名中6名):申告不要(20万円以下の所得など)に該当するため、未対応
- 9.5%(21名中2名):税理士など専門家の助けを借りてやっている
全体の70%程度(21名中15名)の方が、確定申告の対応をしているようです。
時間のやりくりに苦労する場合も
副業するためには、本業とのスケジュールを調整し、時間をうまくやりくりする必要があります。
副業に慣れていない時は、時間の調整に苦労するケースがあるようです。
本業の学校で部活動の顧問を引き受けていたり受け持つ授業数が多い場合、副業とのスケジュール調整が難しくなります。
少ない時間から副業にあてる時間を捻出するために睡眠時間を削ってしまったら、体調に影響が出てしまい、本業に悪影響を及ぼすかもしれません。
少しでも早く副業のペースをつかみ、時間をうまくやりくりできるように心がけましょう。
副業をしている非常勤教師は、実際どのくらい忙しい?
副業をしている非常勤講師の方は、実際にどのくらい忙しいのでしょうか?
21名の副業実践中の私立学校教員の方にアンケートを取りました。
本業における1週間の授業時間は以下の通りです。
- 61.9%(21名中13名):11~20時間
- 28.6%(21名中6名):10時間以下
- 9.5%(21名中2名):21~30時間
1週間のうち副業にあてる時間は以下の通りです。
- 33.3%(21名中7名):5時間以下
- 23.8%(21名中5名):16~20時間
- 19.0%(21名中4名):6~10時間
【まとめ】副業をすることで本業にもプラスになる面もある
今回の記事では、私立学校で働く教員の副業事情について詳細に解説しました。
私立学校での副業は、基本的には勤める学校の就業規則によって異なります。
就業規則において副業禁止の旨を記載されていなければ、副業しても基本的に問題はないでしょう。
非常勤講師の場合は副業OKの場合が多いです。
なお、副業をすることで副収入を増やせるだけでなく、人脈を広げ、本業に活かせるスキルが身につきます。
副業をすることで本業にもプラスになる面もあります。
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