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2つの顔を持つ塾講師 〜その面白さと大変さ〜【キャリアコラム#63】

塾講師歴はや34年、塾講師業界の歩く生き字引と呼ばれる日もそう遠くない、平山(♀)です笑。

本日は塾講師歴と同じ長さの一般企業でのキャリアも同時に築いてきた私だからお伝えできる、「2つの顔を持つ塾講師の面白さと大変さ」という、激レアなお話をさせて頂きたいと思います。

目次
塾講師の裏の顔
予定は未定
二足の草鞋の大変さ
二足の草鞋のススメ
みんなでこの素敵な草鞋を履こう! 

塾講師の裏の顔

私は文字通り、教員免許を取得するために通っていた大学の教職課程在学中から塾講師の仕事を開始し、そのまま現在に至るまで1週間も空くことなく塾講師と家庭教師のお仕事を続けて来ました。

続けてこられた一番の理由は「やりがいと達成感がものすごいから」につきます。

しかし、多くの方が疑問に思われると思いますが、

「そんなに教師職が合っているのなら何故教員免許を取得した後すぐ教師にならなかったの?」

という点を問い詰めてみたいところでしょう。

正直に答えましょう。ズバリ、

「就活 → 一般企業に就職という、同級生と同じ人並みの経験もしてみたい(あわよくば、ステキな旦那さんを見つけて寿退社し、子育てがある程度落ち着いた頃に教師として再出発すれば両方経験できるワ!)」

という軽〜い動機から、夏に教育実習を終えた後すぐに友人たちの後を追うように就活を開始し、バブル崩壊後の就職氷河期を果敢に航海し、100社近く受けてやっと1社の企業の内定をもらった頃には7足目のハイヒールを履いておりました。

そんな思いをして手に入れた内定ですから、お断りするはずもなく入社。

当時勤務していた自宅近くの塾3校にお断りを入れたものの、最寄りの1校から

「先生が居なくなっては困る!土日だけでかまわないから何とか続けてもらえないかね?」

とのお言葉を頂き、褒め言葉にめちゃくちゃ弱い私はあっさり継続を決意したのでした。

いよいよ「塾講師の裏の顔」スタートです!

予定は未定

人生とは予定通りに行かないもので、3年程度働いてステキな旦那さんを見つけて寿退社するはずだったのが、ガッツがあるからとだけの理由で外回り営業を任された私は毎日帰りが午前様。とても彼氏を作る暇もなく(言い訳①)、また週末は塾講師のバイトがあったためデートにも行けず(言い訳②)、見事に最初の婚期を逃すことになったわけです(当て付け)。

「結婚も決まらなさそうだし、仕事も大変(3度倒れて救急車送りに!)だから、そろそろ塾講師業に戻って気ままに暮らすかっ。」

と退職を願い出るも、

「君が居なくなっては困る!売上目標を少し下げてやるから、続けてみないか。」

とのお言葉を頂き、褒め言葉にめちゃくちゃ弱い私はまたもやあっさり継続を決意。

この時、「ん?どこかで聞いた言葉だな・・・は!これはもしや褒め言葉ではなく、社交辞令なのでは!?」との気付きがあれば、また違う人生だったのかもしれませんが、後の祭です。

こうして何となく(何となくかよ!)、表裏一体の10円玉のようなキャリアのスタートです。

二足の草鞋の大変さ

さて、大分話が横道に逸れたような気がしないでもないので、本線へ戻りましょう。

結論から言ってしまうと、私の二足の草鞋が今もなお続いてしまっていることからもお分かりのように、大変さはさほどないんです。

お伝えしたいことの大半はそのメリットなので、先に、あまり重要でない大変さの方からお伝えしてしまいます。(大変じゃないのに大変さを伝えるって、案外難しいです笑)

ただし、ここで言っているのはあくまで塾講師+一般企業の二足の草鞋の組み合わせであり、他の組み合わせは経験したことがないので何とも言えない、という点だけ改めてご了承下さい。

二足の草鞋の大変さは、

  1. 時間帯が違う2つの職種を請け負っているので、週7日毎日12時間フル稼働なところ(過労死度7/10)
  2. 求められるキャラが正反対なので、使い分けに注意が必要
  3. 最高に人付き合いが悪いと思われる(飲み会△、週末のイベント×、電話やLINEのレス×)

です。詳しく見て行きましょう(塾講師風に)

時間帯が違う2つの職種を請け負っているので、週7日毎日12時間フル稼働なところ(過労死度7/10)

1ですが、若手の頃は完全に平日は会社員・週末は塾講師と切り分けけていたのですが、家庭教師の方が1家庭で週3回頼まれたりすることが多くなり、週末だけという訳にも行かず平日も会社の帰りに2時間教えて帰る、ということを普通にやっていました。

会社で1-2時間残業して10時間ぐらい勤務し、2時間教えると12時間労働です。あるいは定時で上がって兄弟2人を連チャンで教えて、やはり12時間。

普通に考えたら労基法をはるかに逸脱しておりますが、私はその分飲み会参加を減らしたり寄り道を減らしたりして乗り切っていました。

文字で読むと疲れますが、実際同じ仕事を12時間するのとは違って、移動も気分転換になりますし、全く違う仕事内容なのと、相手が子供というのもあり、かえって双方の仕事の効率アップになっていたように思います。

求められるキャラが正反対なので、使い分けに注意が必要

2ですが、ここはちょっと対人スキルの話になってきますが、会社員だと常に協調性を前面に出しつつ、何事も低姿勢でいるのが良しとされ、問題点を見つけてもすぐに意見を出したり改善提案したりすると反感を買うことも多いので、気づいたことを言うor言わないの忖度が必要ですし、あまり一人でリーダーシップを発揮するとワンマンで嫌われてしまうでしょう。

しかし塾講師や家庭教師では弱点や抜けに気づいたらすぐ指摘してあげないと手遅れになりますし、改善提案もテキパキと提示してあげないと結果に繋がりませんから、ある程度リーダーシップを発揮して少なからずワンマンでもアツい先生が有り難がられますし、実際にその方が結果が出やすいです。

私も何度か、入試直前に前夜遅くまで家庭教師をして、戦闘モードが抜けきらないまま翌朝会社の会議で業務フローの改善提案をし、顰蹙を買ったことがあります。

この辺り、しっかり別人として振る舞わないと地雷をいくつか踏んでしまうリスクがあるでしょう。

最高に人付き合いが悪いと思われる(飲み会△、週末のイベント×、電話やLINEのレス×)

3ですが、会社で飲みに誘われたり、週末の社員旅行や部内イベントに誘われたりしても、滅多に行けることはありません。

ただ、会社の人々と深く付き合っても良い事はそんなにない場合が多いので(個人的な主観です)、強制的に距離を置くと言う意味では逆に良い点かもしれませんが、副業と怪しまれないように理由付けはちゃんと考えておく必要があります。

それと、会社で結婚相手を調達しようと思っている人は、私のように失敗に終わることがぼぼ確実ですので、二足の草鞋は調達後にしておいた方がベターです。

二足の草鞋のススメ

ではいよいよ、メリットの方に移って行きましょう。

私がウン十年も履き続けている二足の草鞋。本当に、脱ごうか脱ぐまいか考えたこともありませんでした。そんな草鞋には、以下のような履き心地があります。

  1. 組織に入って十数年は下っ端で活躍の場はほとんど無いが、塾講師は毎度の授業が活躍の場
  2. 会社員がお客様から直接、とても感謝されることはあまり無いが、塾講師は感謝されまくる
  3. 仕事で煮詰まっても、移動や子供と接することで大いに気分転換が出来る
  4. 良いか悪いかは別として、付き合いが無いのでお金が貯まる

では、これも1つずつ見ていきましょう。

組織に入って十数年は下っ端で活躍の場はほとんど無いが、塾講師は毎度の授業が活躍の場

組織に入ると数年は下っ端ですから、新人賞をもらうことはあるとしても、仕事で何か大きな成果をあげたりチームを動かしたりして、全社レベルで無くてはならない存在となることは中々無いでしょう。それに、今まで大学4年生でサークルなどでは神扱いされていたものが、下っ端としてこき使われるのは精神的にもキツくないと言ったら嘘になります。

しかし、そんな時に塾講師をやっていれば既に大学時代からなら5-6年目の中堅です。そして塾講師なら1年目の新人だって、結果を出して活躍することは大いに可能です。

「自分に活躍の場がある」ということが、その後定年まで仕事を続けていく時にどれだけ自信と誇りになるか。仕事でなくても、自分に自信を持てるので人間関係においてどれだけ人生の支えになるのか計り知れません。

会社員がお客様から直接、とても感謝されることはあまり無いが、塾講師は感謝されまくる

人間ってとても単純な生き物ですから、どんな人でも「人に感謝される」と嬉しいものですし、次に頑張る原動力となります。それなのに、この世の中の(体感ですが)8割ぐらいの仕事は、そんな「人に感謝される」というささやかな幸せがない仕事です。

もちろん、直接感謝されなくても頑張っている方々の方が多いですが、感謝された方がもっと頑張れると思いませんか?

そんなささやかな幸せを、塾講師は毎年20回以上感じることが出来るので、「翌年はもっと頑張ろう」と思えますし、会社員の仕事でも「嫌なことが沢山あったけど、塾講師の方で良いことが沢山あったから頑張ろう」と思うことが出来るようになります。

そんな「人生を頑張るエネルギー」を与えてくれるのが、この草鞋です。

仕事で煮詰まっても、移動や子供と接することで大いに気分転換が出来る

仕事ってお金を頂く訳ですからどうしても「なんでこんなに理不尽な思いをしなければいけないのか」「なんでこんな事言われなければいけないのか」「なんでこんな事しなくちゃいけないのか」ということが沢山あります。

それでも、時間が来て、慌てて会社を出て小走りで家庭教師先や指導先の塾に向かうとまず空気や風景が変わります。

到着した先には、ストレスや不平不満とは無縁の、夢と希望に満ち満ちた子供達がいて、自分が参上するのを心待ちにしていてくれる。

その瞬間に、職場での諸々の重荷が不思議と全てどうでも良くなってしまうのです。

私は同じ場所にいて気分転換をしたり休息したりすることはとても苦手なのですが、こうして強制的に移動したり場所を変えて自分の中の異なる面を使い分けたりしていると、自然と気分転換になるのでそれが心地よく、正直このポイントが私から一度もこの草鞋を脱がせない最大の理由かもしれません。

良いか悪いかは別として、付き合いが無いのでお金が貯まる

最後に4ですが、スケジュールがパツパツで飲み会に誘われても中々参加できないですし、寄り道して買い物することもほとんどありません(私は、飲み会は年に1-2回の参加、買い物は100%通販で帰り道の買い物は半額のおつまみや弁当以外はゼロでした)。

付き合いが悪い、と言われようが生徒の未来がかかっていますのでそんなの関係ねェ!の精神で突っ走って来た結果、給料にほとんど手をつけないという生活です。

さらに相手を見つける暇もなく週末もずっと塾にいてデートにも出かけない訳ですから、お金を使いたくても使う先が無いのです。

そんなこんなで、良くも悪くもお金は貯まりますから、しっかり老後の備えは出来るでしょう笑。

みんなでこの素敵な草鞋を履こう!

最後にまとめとなりますが、まだそう多くの人がこの草鞋を未だ履いた経験が無いように思います。

しかし、最近はオンライン塾講師やオンライン家庭教師も当たり前になって来ていることもあり、前よりも一層この草鞋を履きやすくなりました。

お伝えしたように、デメリットはほとんどありませんので、ぜひ一人でも多くの皆さんにこの素敵な草鞋を履いてみてもらいたいです。絶対に脱げなくなること請け合いです笑。

そうやって、二足の草鞋を履いて裏の顔が表の顔をより光らせている、魅力的な塾講師の皆さんで少子化&コロナで勢いの無い教育業界を盛り上げて行きましょう!

本日もご静読、ありがとうございました。

 

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平山 美穂

記事執筆者:平山 美穂

大学で教職課程を専攻。修行として始めた塾講師・家庭教師のバイトにはまるも、世界観を広げるためと新卒で一般企業に就職し営業やマーケティングに携わる。その傍、楽しかった講師職にも必ず戻る日が来ると予感し、平日夜と土日に副業として継続。40歳を機に脱サラし、専業プロ講師となってからは塾講師・家庭教師・予備校講師・学校の非常勤・添削指導・模試採点とあらゆる分野に携わり、業界を極める。今後は良き後継者育成活動に専念すると決意。

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