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模試の対策は必要か?【キャリアコラム#80】

こんにちは!

飽きもせず年がら年中、はかどる勉強方法のことばかり考えているベテラン老講師、平山(♀)です^^

唐突ですが、塾講師の皆様も何度か経験された受験の際には定期的に模試を受けておられたと思います。

結果を見て一喜一憂することのないようにと、教え子に口を酸っぱく伝えている私も、受験生の時には多分に漏れず結果を見て一喜一憂していたものです。

しかし対策と言うと、全くと言っていいほどしていませんでした。

模試で悪い結果をもらうと精神的ダメージを少なからず受けますので、用意周到な生徒はしっかり出題範囲に目を通して、その部分を復習してから臨んだりしていることと思いますが、果たして「結果に繋げる」という視点で考えた時、どちらがベターなのでしょうか?

目次
模試の目的
模試の対策は必要か?
模試の対策は必要ないのではなく、むしろしないのが望ましい


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模試の目的

これを考えるには、まず模試の目的から考えて行くのがわかりやすいと思います。

模試の目的は主に、

  • 緊張感漂う実践の場に慣れる
  • 時間内に解答することを習得する
  • 受験時点までに学習した必出事項のうち、習得出来ていない項目を明確にする
  • 同じ時期で切った時に、同じ学校を志望している全国の同級生の中での位置付けを把握する
  • 志望校選別の目安にする
  • 学習の短期目標とする

などが挙げられると思います。

それぞれを見ていきましょう。

緊張感漂う実践の場に慣れる

どの生徒にとっても入試本番は、私のように百戦錬磨の塾講師であったとしても緊張してしまう、なんとも言えない独特の雰囲気がありますよね。

中には「全然緊張しませんでした」という強者もいますが、大半は「緊張して頭が真っ白になった」とか「途中でお腹が痛くなってしまった」など、相当のプレッシャーの中で試験を終えて帰ってきます。

本番は日程や体力、費用の問題などがあり、そうそう何連発も経験できるものではありません。

よって、模試は、受験する学校にさえ受けに来ないような全国の強者どもも受験するので、その中で毎回「最善を尽くそう」と思って集中して受けて来ることは実践の場に近い練習の場として理想的です。

時間内に解答することを習得する

普段どんなにガツガツ勉強している生徒でも、「この作業は15分以内にやろう」などと、いちいち時間を測ってやっている人は殆どいないのではないかと思います。

また、自宅で時間を測ってやろうとしても、また塾で先生が時間を測っていても、少しぐらいオーバーしても多めに見てもらえることが多いと思います(私もよく「あと3分オマケね!」などとやってしまっています)。

しかし模試の場では容赦なく時間が来たら解答用紙を回収されてしまうので、絶対にオマケしてもらえることはありません。

これが日常では再現出来ない、模試の最大のメリットだとも言えるぐらいでしょう。

受験時点までに学習した必出事項のうち、習得出来ていない項目を明確にする

模試の良いところは他にも、入試本番では結果を返してくれないからどこが出来てどこが出来ていなかったのか、自分の記憶レベルでしか判りませんが、全ての問題に対しての正誤と得意分野・苦手分野の分析結果が付属して来るため、何が習得不十分なのか=これからどの分野や項目を潰していく必要があるのか、を一目瞭然で把握することが出来ます。

受験前に習得が必要なアイテム(=課題)を洗い出しておけば、結果と照らし合わせて作業完了なのか、繰越なのかが容易く判断出来、すぐに学習に移ることが出来ますのでとても便利です。

同じ時期で切った時に、同じ学校を志望している全国の同級生の中での位置付けを把握する

生徒自身が現在通っている学校のレベルというのは、実は全国レベルでどのぐらいの位置にあるのかを把握している生徒はあまり居ないのではないかという気がします。

大抵は、通っている校内で自分がどれぐらいの位置にいるのか、そして通っている学校はその県や地域ではどういう位置付けなのか程度の把握にとどまっていることが多いと思います。

そして、その校内でも同じ志望校を受験する同級生というのは通常は1桁、多くても十数人といったところではないでしょうか。

しかし、全国模試を受験すれば、志望校を実際に受験しに来るであろう、まだ見たこともない同級生が参加しているため、実際に受験するライバルの中で自分が今どれぐらいの位置にいるのかが把握できます。

これもすごく重要です。

志望校選別の目安にする

志望校を何となく選んだ段階では、自分が少なくとも射程圏内に入っているのかどうか(=今後対策をすればなんとかなるレベルかどうか)までは見積もっていない状態だと思います。

模試の結果によく目を通し、志望校の設定が妥当であるか、あるいは一部ないし全部を見直す必要があるのかどうかを判断すれば、射程距離を見誤ることなくより合格を手にし易い志望校選びが出来るでしょう。

学習の短期目標とする

模試は、受験生であれば定期的に実施されますので、シリーズを欠かさず受験することで、受験は少し先であるけれども、最後に合格圏内に到達するための短期目標として設定することが出来ます。

例えば、今回の模試では同じ学校を受験する320名の中で280位だったとするなら、「次回は200位を切る!」ということを短期目標に設定して頑張れば、モチベーションも維持できると思います。

そうやって短期目標を地道にクリアしていくことで、本番で大きな長期目標をクリアすることが出来るというものです。

模試の対策は必要か?

それでは、本日のお題である「果たして模試の対策は必要か?」について考察してみましょう。

模試の対策をしていった場合

まずは、模試の対策をしていった場合について、得られるものを考えてみます。

模試には必ず出題範囲が事前に設定されていますので、その内容を予習していけば比較的良い点を取ることが出来ます。

良い点を取る=偏差値や全国順位も上位になる=志望校の合格率も高く出るとなることが予想出来ます。

模試の対策をしていかなかった場合

では対策をしていかなかった場合はどうでしょうか。

何が出題されるかわからないので、当然その場で知識を手繰り寄せたり工夫をして、出来るだけ解答しようとすることになりますが、思いもかけなかったところから出題されて忘れてしまっていることや、だいぶ前に履修した分野の出題で思い出すのに時間がかかってしまい、自分としては満足のいく点が取れることは少ないでしょう。

結果が思わしくない=偏差値や全国順位も思わしくない=志望校の合格率も思わしくないとなることが予想出来ます。

つまり・・・

ここで今一度、模試の目的を思い返してみましょう。

大切な目的の一つに、「全国レベルでの現在の位置付けを確認する」というものがあったはずです。

模試は、本番の練習です。

本番は、範囲が事前に発表されることはありませんので100%出題内容が予測出来ませんが、これまでに努力して身につけてきた力の全てを駆使して挑むしかありません。

ということは、対策をしていなかった場合の思わしくない結果というのは、実は思わしくないわけではなく、本番と同様の結果が出ただけ、ということになりますね。

それを思わしくないと思うのであれば、本番までに落とした部分を克服して、本番では不意に出題されても得点できるようにしておけば良いのですが、その「何を克服すれば良いのか」は「落とした部分」が把握できなければ計画出来ない訳です。

ですから、対策をして良い結果が出てしまっては、もしかしたらそれは短期記憶で直前に学習したから出来ただけで、模試が終わって数週間したら忘れてしまっていることかもしれないのに、落としていないので、自分はそれを「克服すべきもの」として認識せずに「既に出来ているから大丈夫」と誤解してしまうリスクがあるのです。

しかも、短期的に出来が良かった結果を実力だと思ってしまい、現実とかけ離れた志望校に対して、「8割方大丈夫そうだ」と思ってしまい、思わぬ結果を手にした時に立ち直れなくなるかもしれません。

それよりも、現実をよりリアルに再現してくれ、改善すべき点を明示してくれる結果の方が本当の本番では役にたつ、ということがわかるはずです。

模試の対策は必要ないのではなく、むしろしないのが望ましい

これまで一生懸命対策をしてから模試に臨んでいた人にとってはショッキングな事実かもしれませんが、結論としては「模試の対策はしないのが望ましい」ということになります。

「今度受ける模試がもしも本番の入試だったら何が起こるのか?」を正確に教えてもらえるように、模試に対する対策はしない方が本番でより良い結果が出せるのだ、ということを、塾講師がもっと生徒たちに声を大にして教えてあげるべきだと私は思っています。

勉強そのものを教えることも塾講師の大切な業務の一環ですが、模試の目的とその利用の仕方についても是非、有効なアドバイスをしてあげられるような、痒い所に手が届く塾講師を目指してくださると大変嬉しいです。

本日もご清読、誠にありがとうございました!

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塾講師ステーション情報局 編集部

記事執筆者:塾講師ステーション情報局 編集部

塾講師ステーション情報局上の記事の企画・執筆・編集をしています。
年100本以上の記事を執筆する有識者や塾バイト経験者をはじめとする、塾講師業界に関するエキスパート集団です。

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