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四谷大塚、塾講師はどう思いますか?【キャリアコラム#111】

こんにちは!何年携わっていても毎年、冬が近づいてくると目が血走ってくるベテラン講師平山(♀)です。

突然ですが、小学生を持つ親御さんで四谷大塚を知らない人は居ないと言っても過言ではないでしょう。

教室に通っている方、早稲アカで指定されてテキストを使用している方、テキストだけを購入して自発的に学習している方、模試だけを定期的に受けている方・・・。

利用の仕方は様々だと思いますが、受験を経験されるご家庭で何かしらの四谷大塚の教材に触れたことがない方はほとんどいらっしゃらないことと思います。

そんな有名な四谷大塚ですが、一般のご家庭では「必ず聞く名前だから」「大手塾だから」「皆がやっているから」という理由で取り組まれる方が多いことと思います。

実際に、予習シリーズがどんなテキストなのか、どんな使い方が効果的なのか、我が子に合っているのか、という観点で選別することは、プロの塾講師ではない普通の親御さんにとっては、当たり前ですが不可能でしょう。

そこで今日は、30年以上受験指導に携わってきた塾講師として、四谷大塚のテキストをどう見ているか、ということについて書いてみたいと思います。

もちろん、良いか悪いかは、その子その子に合っているかどうかに左右されますので、良い悪いを書くつもりはありません。

合っているかどうかを見極める判断基準として、参考にして頂ければ、と思って書きます。

前提として、その子のレベルや性格に合ったテキストを使えば最も高い効果が望める、という事実がありますので、これから本番までの数ヶ月で、より合ったテキストを使用してラストスパートをかけたい、と考えておられるご家庭がありましたら是非参考にして頂けたら幸いです。

目次
四谷大塚の教材はどんな教材?
どんなレベル帯の子供に向いている?
どんな性格の子供に向いている?
四谷大塚のテキストのメリット
四谷大塚のテキストのデメリット
四谷大塚のテキストはどうか、と言われたら
四谷大塚のテキストから得ることが出来る教訓
おわりに

 

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四谷大塚の教材はどんな教材?

まずはじめに、四谷大塚の教材は一言でいうとどんな教材なのか、をお伝えしたいと思います。(あくまで個人的主観です)

  • 基礎を固める目的で作られているので、難問はあまり見かけない印象
  • 入試問題がそのまま載っているのではなく、例題→解法→類題、と言ったようによく構成が練られていて自学自習に向いている
  • 解答書の解説も丁寧に書かれている

計算と一行問題や漢字ドリルなどを除いては、あえて通塾して授業を受けずとも自己完結出来るように作られているように思います。

どんなレベル帯の子供に向いている?

では、レベルとしてはどの辺りのお子さんに最も適しているでしょうか?

塾講師として、もしそれぞれのお子さんに合った別個のテキストを進めて良い状況だとしたら、四谷大塚のテキストをお勧めするのは以下のようなレベル帯のお子さんです。

  • 偏差値40~50あたり
  • 2教科受験で私立の中堅校を志望している
  • あまり多くの問題数をこなしたことがない
  • 一生懸命勉強しているが一つ一つの作業に時間がかかる

この辺りの偏差値帯のお子さんは、まだ解法が身についていないことが多く、また基本的なルール(特に算数)が確実にものになっていないお子さんが多く見受けられます。

6年生になって塾での授業でも専門用語が飛び交うようになり、基本的なルールは押さえている前提で速いテンポで進む授業についていくことが難しい、説明が半分も理解できない、といったお子さんには、紙面で解法が丁寧に説明されている四谷大塚のテキストが合っているでしょう。

どんな性格の子供に向いている?

では、性格的にはどんなお子さんに最も適しているでしょうか?

  • 自分であれこれ思いを巡らすのが苦手で、言われた通りにやるのが好き
  • 一つの場所でつまずくと、次に進めない
  • 自分のペースで理解したい&せかされるのが苦手
  • 新しいタイプの問題はまず詳しく説明してもらわないと手も足も出ない

受験生には大きく分けて2つのタイプがあると思います。

  1. とやかく言われるのが嫌で、まずは自分で試行錯誤してみたい
  2. やり方を示してもらわないと思考停止してしまう

つまりここでは、2のタイプに入るお子さんが性格的に四谷大塚に適していることになります。

前述の通り、四谷大塚のテキストは例題とその詳しい解法の説明から始まり、例えば「植木算」という章には植木算の問題しか出てきませんので、臨機応変に対応したり、思考を巡らせたりする必要はほとんどありません。

例題をじっくり読んで理解し、全く同じ手順で類題に取り組めば答えが出る仕組みになっていますし、例え間違えても解答書の解説を読めば、どこでつまずいたのかがよくわかるようになっています。

何周もして、間違えた箇所を徹底的につぶしていけば、四谷大塚のテキストに出てくる問題に関しては完璧に解けるようになるでしょう。

四谷大塚のテキストのメリット

では、四谷大塚のテキストのメリットはなんでしょうか?

塾講師が考えるメリットは、

  • 自学自習で十分、受験に通用する解法を習得することができる(家庭でもフォローしやすい)
  • 例題が詳しく説明されているので、同じようにやるだけで一見難しい類題も解けるという成功体験を積むことができる

受験、特に受験生が小学生という小さな子供である中学受験においては、正しく問題を解くことより「成功体験を積む」「解ける喜びをたくさん味わう」ことの方が大切です。

そういう意味では、手っ取り早く成功体験を積むことが出来るので、一つ一つの作業に時間がかかるお子さんでも、「ただ机に向かって考えているのに何もアイデアが浮かばず、一向に前に進まない」ということが避けられますね。

考えていてもアイデアが浮かばず、一つの問題を解くのに3時間も要してしまった、さらにはその問題も間違えていた、となってはお子さんのやる気もダウンしてしまいます。

したがって、一定のペースで進められる、という点が最も良い点ではないかと思います。

また、詳しく解説されているので、親御さんも解説を読みながら助けてあげることが出来ますので、経験値の少ないお子さんも心強いと思います。

四谷大塚のテキストのデメリット

では反対に、四谷大塚のテキストのデメリットはなんでしょうか?

塾講師が考えるデメリットは、

  • 思考力がつかない
  • 決まった通りのやり方でしか解けなくなる
  • 記憶が薄れていくと(大分前にやった章の問題が出ると)解けなくなる
  • ランダムに出題されると、やり方を思い出せなくなる
  • 自分流のやり方で正解しても、それを肯定的に考えられなくなる
  • 算数の場合は解法パターンの暗記になるので、算数は暗記科目でもないのに膨大な暗記量が求められる

デメリットがものすごいですね・・・。

四谷大塚のテキストはどうか、と言われたら

結局、塾講師がこう聞かれたらシンプルにこういう答えになると思います。

どうしても自分でやって解法にたどり着けない問題を、参考までに見にいくのは良いが、これをペースメーカーにするべきではない。

その心は、こうです。

結局、受験の問題とは、その受験生がいつもと違うパターンの出題や、見たこともない難問に出会った時にどういう対処をするのか(思考・工夫)、あるいは、時間がかかる問題とかからない問題が混在している時に、制限時間内でより多くの得点をするためにどういった取捨選択をするのか(判断・要領)を見たいわけですから、そのためにはそういったパターン化出来ない問題を多く解き、短い制限時間の中でいかに高得点を取る技術やメンタルを身につけるか、ということが最も大切になってくるのです。

こういった、思考を巡らす習慣や、物事に対処する姿勢は一朝一夕では身につきません。

いつも整然と並んでいて、解法が頭に入っている基本パターンの問題ばかりをやっていると、本番で臨機応変に対応できなくなりますし、取捨選択をするもの難しく、結局問題番号順に解いて行くしかなく半分も出来なかった、という結果に陥りがちです。

当然プレッシャーも大きく、メンタルがすり減り、焦りから計算ミスや勘違いが誘発されることになります。

四谷大塚のテキストから得ることが出来る教訓

受験は人生と同じです。

明日はおろか、今日1時間後にも何が起こるかわからない。

極端な言い方をすれば生物界と同様に、今健康で生きているけれど、次の瞬間に生きている保証はないわけです。

険しい人生の波をうまく潜り抜けたり活用したりしながら、果敢に逞しく、かつ楽しく人生を突き進んで行ってほしい、そういう若者たちに日本の将来を任せたい。

こういった親や教育者の思いに十分答えうる人材を見つけるための仕組みの一つが、入試なのです。

安全・定型も時には必要ですが、それよりも冒険・変則への対応が得意な方が得だと思いませんか?

こんな教訓を見つけるきっかけをくれるのだから、ある意味四谷大塚のテキストは優秀だ、と言えるのかもしれません(皮肉ではないです笑)。

おわりに

結局、どんなテキストを使おうが、それを活用して良い結果に結びつける力が必要です。

そのためには、問題のみならず、どう活用しようか、ということにも思考を巡らせなければなりません。

それが受験勉強であり、受験勉強の最大のメリットでもあります。

どんな結果が出ようとも、自分で頭を捻って、歯を食いしばって取り組んだ受験勉強というものは一生その人を裏切りません。

応援・協力した家族も、一緒に向き合ってくだされば必ず収穫を手にされることと思います。

残りあと4ヶ月を切りましたが、今一度取り組み方を見直しつつ、長い人生の旅の始まりに勇気と自信を持って向かっていって下さい!

本日もご清読、誠にありがとうございました。

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塾講師ステーション情報局 編集部

記事執筆者:塾講師ステーション情報局 編集部

塾講師ステーション情報局上の記事の企画・執筆・編集をしています。
年100本以上の記事を執筆する有識者や塾バイト経験者をはじめとする、塾講師業界に関するエキスパート集団です。

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