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中林先生、書籍発売記念!プロ講師がビジネス本を発売するには?【キャリアコラム#113】

お久しぶりです!国語科講師の中林です。

10月となり、涼しくなってきましたが、この時期は塾・予備校講師にとってはとにかく「勉強の秋」なので、意外とやることが多く、大変なのではないでしょうか?

加えて、生徒の方も文化祭・定期試験・修学旅行など、色々な学校行事が行われやすい時期ですので、なかなか落ち着いて勉強に励めない時期でもあります。彼等を叱咤激励して成績アップ・志望校合格に導いていくのは、講師の力量次第ですね(プレッシャーかける)!

さて、こんな時に私事ですが、以前私は教学社(「赤本」で有名な)という出版社様から『明治大の国語』という学習参考書を発売させて頂きました。明治大学の入試問題を徹底研究して、現代文を私、古文を別の先生に担当して頂いて、「共著」の形で出版させて頂いたものです。

そこから数えると2冊目になりますが、今回私の「単著」となる書籍が「大学教育出版」様から全国発売されることになりました!

『説明のうまい人がやっていること』

そこで、その紹介と、発売に至った経緯を説明することによって、「なぜ大して有名でもないただの予備校講師が、自身の本を商業出版で全国発売するに至ったのか」を皆様にお伝えさせて頂こうかと思います。

「塾講師・予備校講師としていつか自分の参考書を出したい!」と思っておられるプロ講師・プロ講師志望者の方々の参考になればと思います!


目次
『説明のうまい人がやっていること』の内容・魅力
本を出すに至った経緯
出版後・自身のキャリアを高めるために行うべきこと
終わりに~テレビ出演のお知らせ~


『説明のうまい人がやっていること』の内容・魅力

この本は、予備校講師・塾講師を長年やってきた私の経験から、「わかりやすく相手に説明する為にはなにが必要か?」のノウハウをまとめ上げたものです。また、ただのノウハウ紹介だけでなく、学んだことの定着を目指して、随所に演習問題を設けています。

講師をやっている皆様は御存じだと思いますが、説明や読書で「分かった」となっても、その知識をしっかり自分のものとして留めておくことは難事です。大半はそのままですとすぐに忘れてしまいます。ですので、ビジネス本といえど、問題演習は必要なのです。

そして、具体的な説明のテクニックですが、四つの項目に分けてしています。

情報を絞り込む

相手を知る

伝える内容を工夫する

相手に伝わる話し方をする

 4項目をしっかり実践すれば、大勢の方へのプレゼンテーション・一対一の商談や面談のみならず、塾・予備校講師の授業のクオリティーアップも必ずや成し遂げられるはずです。

 

本を出すに至った経緯

きっかけはビジネス書籍を中心とする出版社に勤務している方と知り合ったことです。

元々教育業界一筋の私でしたので、学習参考書ならともかく、一般企業の営業マン向けのビジネス書なんて書けるのかと最初は思いましたが、その出版社の方に、予備校講師が書いた説明のノウハウ書を何冊か紹介してもらい、「私も書いてみたい」と思いました。

結局「他者に分かりやすく自社商品を伝える営業」と「生徒に分かりやすく学問を教授する講師」は、根底の所は同じなのですよね。

ですので、その方に相談して、企画を通して頂き、後は「売れる本にする為に必要なこと」を色々教えて頂きながら原稿を書き進めました。

いわゆる「四六判」と言われるサイズで、7~8万字位(400字詰め原稿用紙で二百枚弱)は書いて欲しいと言われたので、授業の合間合間を縫ってパソコンに向かう日々が1年近く続きました。

そして、大体原稿も仕上がり、イラストレーターさんの素敵なイラストも納品され、「後は印刷して販売開始だ!」というところまで来て、ここでトラブルが発生します。

その出版社のトップの方から、いきなり販売ストップの指示がかかります。

曰く「ビジネスマンは受験的なアプローチを求めていないので、ビジネス書としては売れないだろう」という見解を、印刷直前に叩きつけられました。

「なぜそれをこのタイミングで言うんだろう」と腹立ちを感じながら、しょうがないのでそこまで書いた原稿やイラストを携えて、本にしてくれる別の出版社を探し続けました。

その結果、「大学教育出版」の編集者の方に拾って頂き、その方のご指示の元に、再度原稿を細かく校正して頂き、ようやく発売にこぎ着けることができたというわけです。

「大学教育出版」様は、元々大学の授業などで扱うことの多い学術系書籍を専門とする出版社なので、「人類の多年にわたる文化的・科学的成果を糧として、無用な固定観念に阻まれることなく、持続的に思考し新時代を展望したい」というポリシーの元に、多くの良書を世に送り出している大手出版社です。

また、学術系専門ということもあり、編集者の方にはとても丁寧に校正して頂いて、国語を教えているものとしても大変勉強になりました。

「塾・予備校講師として気をつけるべき日本語」と「編集者として気をつける日本語」の間に、同じ日本語であっても差があり、編集者ならではの視点・考え方と、教育者としての私が提示した考え方を組み合わせ、やりとりし、丁寧に校正を繰り返したおかげで、最終的には私も安心して自著を世に送り出せるようになりました。

それこそ、「俺は講師だから、教育業以外に手を出すつもりは無いし、人から教わる気なんて無い」なんて無用な固定観念を捨てて、色々な世界に飛び込んでみるのは良いことだなと思いましたね!

最初の出版社の担当の方の熱意と、大学教育出版の担当の方の熱意の、どちらが欠けても本書は世に出られなかったでしょう。謹んで、御礼申し上げます。

 

出版後・自身のキャリアを高めるために行うべきこと

出版社から無事商業出版を成し遂げることは素晴らしいことですが、それで終わりというわけではありません。出版社が本の売り上げにむけてどれだけ動いてくれるかは、はっきりいって出版時の契約形態が大きく関わってきます。

売れなかった分は著者の買い取りになっているかどうか

印税は何パーセントになっているかどうか

出版協力金として著者がいくら支払うか

商業出版を成し遂げたと言っても、大半の著者は実は上記の項目に関して、色々と出版社と話し合い、多少の妥協を含めて契約に踏み切っています。

よほどの有名人か、売り上げが確実に見込める人でなければ、「著者負担は一円も無し、印税ががっぽがっぽ入る」ような出版契約を結べている人は少ないでしょう。

一般的に大手の出版社から商業出版で本を1冊出すにあたって、広告費・印刷費・その他諸々を合わせると200万円前後になると言われています。つまり、出版してもまったく売れなければ出版社側は大きな赤字を背負うことになります。

ですので、売れる見込みが少ない著者からは、買い取りや協力金を支払ってもらって、少しでも自社の負担を減らしたいということなのです。

つまり、著者側の負担が少なく、出版社が費用の大半を払っている書籍に関しては、出版社側としてもなんとか費用を取り戻す為に、頑張って宣伝をかけて売ろうとしてくれます。

逆に、著者側が大きな金銭的負担を負うような契約の場合、出版社は「売れなくても大した痛手ではない」ので、著者側が頑張って宣伝して、一冊でも多くの売り上げを獲得しなければなりません。

 おそらく多くの「書籍初出版」の講師の方々は(私も含めてですが)、それほど名が売れているわけでもなく、「出せば絶対売れる」という立場にはいらっしゃらないでしょう(もしそうではない方には、失礼を申し上げまして恐縮です)。ですので、まずSNSでもなんでも使って自身の本の宣伝をしないといけません。

また、書店に直接出向いて著作を置いてもらうように働きかけるとか、そういう地道な活動も効果的です。

御自身のyoutubeチャンネルなどをお持ちの方や、そういうもので宣伝してみても良いでしょう。売り上げが出せれば、第2冊目の出版の話も持ちかけられてくるかもしれません。

また、「商業出版を成し遂げた」という事実そのものも武器としてしまいましょう!

昔から「自分の著書は予備校講師の名刺」とはよく言われます。売れる売れないもそうですが、大手の出版社から商業出版を成し遂げたことそれ自体が一定の講師としての技量の証明となるはずですので、それを武器に様々なところに自身を売り込んで、仕事を獲得していくのです。

とにかく、せっかく自身の書籍を出したなら、なにもせずぼーっとしていては勿体ないですからね!

 

終わりに~テレビ出演のお知らせ~

なんだか最初から最後まで自分の話ばかりで恐縮です。

10月27日(金) テレビ埼玉にて朝9時半から放送される「達人道」という番組にちょっとだけ出演させて頂きます。実際は番組の中の「達人の道インフォメーション」というコーナーに出演して、本の事などを紹介させて頂くだけですが・・・。

一応その後も10月29日(土)夜24時30分にて三重テレビなど、いくつかの地方局で放送されるそうです。

また、テレビ以外にも出演回を番組の公式youtubeにアップして頂くので、そちらもアップされ次第紹介させて頂きます。

こうした一つ一つの人脈・人付き合いを大切にしていきたいと、この仕事やっていると特に思います。

これから寒くなっていきますが、生徒の受験を控えた大事な時期にもなって行きますので、講師の皆様は是非ともお体ご自愛下さい。

ではまた次の記事でお会いしましょう!

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中林 智人

記事執筆者:中林 智人

高校教師から塾講師・予備校講師に転身し、現在は河合塾・早稲田予備校にて国語を担当しつつ、都内の高校で非常勤講師としても活躍。講師業だけでなく執筆なども行う。「納得できる知識・論理的読解技術」「制限時間内に問題を解き偏差値を上げる戦略」「楽しく国語を勉強できる面白ネタ」をモットーに日々生徒に向き合っている。

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