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【塾講師対象】世代の違う生徒との話題やコミュニケーションについて

2021/12/17

塾講師や予備校講師に求められているものは多くの場合「成績向上」に加えて「楽しい授業」「分かりやすい授業」や「質問しやすい場作り」でモチベーションアップして欲しいというものです。 (参照:『やる気を引き出す“分かりやすい授業”のポイント』

特に質問のしやすさなどは、生徒さんとの関係作りにかかっています。信頼関係を築くには対話が欠かせません。また、仲の良い先生、話題の共有できる先生に出会うことでその教科に対するモチベーションが上がる生徒さんもいます。そこで今回は、その取っかかりとなる「話題」というテーマで考えてみたいと思います。
 

ジェネレーションギャップを和らげる

 塾業界においても、よくジェネレーションギャップという言葉を耳にしますが、僕は今まで生徒との間にそういう困難を感じたことがほとんどありません。20歳離れていても、30歳離れていても特に感じません。それは年配の方との間でも同じです。もちろん、相手は感じている場合もあると思いますが、だいたいの場合はコミュニケーションを続けるうちにギャップ感を和らげることができます。
 
元々僕が年齢に対して無頓着だということもあるのですが、意図的に気をつけていることもあります。それは、コンテンツベースで時流に乗ろうとしすぎない、相手に合わせようとしすぎないということです。
 

最新のコンテンツに飛びつかない

 コミュニケーションがお互いの価値観や考え方に基づいたモデルによる情報の交換であるならば、その時代において最も使用されているモデルは、マスメディアによって流布されたものです。これを使うことでとりあえずのコミュニケーションがとれますが、時が流れれば主流もまた変わってきます。自分が最もテレビなどに触れていた時代のモデルを使い続けていれば、当然ズレてくるわけです。かつてのオヤジギャグを馬鹿にしていた「チョベリバ」などギャル語のモードなども時がたてば同じように目も当てられないものになっていきます。最近の例ではもう「KY」なんて言っている方が空気が読めていません。
 
となると、最新のメディアに触れることがジェネレーションギャップを埋めるための対処法になりそうな気がしますが、そう簡単なことでもありません。たとえば生徒と仲良くするために特に興味もないのにジャニーズやAKBについて調べたり、『妖怪ウォッチ』や『アイカツ』をチェックして無理矢理話題を合わせようとして、失敗しているケースはよく見かけます。生徒からしたら「イタイ」感じです。
 

普遍的なテーマを自分の言葉で話す

 一つ目のポイントは息の長い作品やテーマに触れることです。古典を読むべきだ、とまでは言いませんが、古典として残っているものはただ古いだけではなくて、今の世の中でも通用する普遍的な内容を含んでいます。無理に新しいものを取り入れようとするのではなく、今も昔もあるもの、自分が知っていることで相手も知っていることを選んで話題にすれば自然です。
 
もう一つのポイントは『ゲゲゲの鬼太郎』や『妖怪ウォッチ』ではなくて「妖怪」とか「お化け」についてとか、『ドラえもん』『ガンダム』についてではなくて「ロボット」や「未来」「宇宙」など少し抽象化して受容してもらえる幅を広げることです。世代によってそれぞれ知っているコンテンツが違っても、共通項はたくさんあります。その部分を話題の中心に置くんですね。当然のことながら、アニメを見ない生徒もアイドルに興味のない生徒もいます。「小学生はアニメが好きだろう」というような決めつけもコミュニケーションを難しくしている一因です。また、あまり流行に寄った話をしすぎると、興味がない生徒に疎外感を与えかねません。
 
そういう話題設定を、正直な感情と自分の言葉で話すことから、少しずつコミュニケーションが円滑になっていくのではないかと思います。 

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