【塾講師個別指導】生徒に出す宿題の管理・量の調整アレコレ(通常授業編)
個別指導における宿題の重要性
個別指導塾での授業は、塾での指導方式にもよりますが基本は週1回です。
数学を例にとると、学校では通常週に4~5回程行われている授業に対し、塾ではたった1回の授業しかできません。その1回で学校に対して進度を先行させる、または復習を十分にこなすには授業の密度・効率を可能な限り高める必要があります。今回はそのための指針として、宿題の管理についてお話ししようと思います。
宿題を出すことにどのような意義があるか?
それは、単に授業内容を確認するというだけではありません。生徒が塾にいない時間にも授業で教えた内容に触れてもらう時間を増やすことも大きな狙いです。次回授業までの一週間にも勉強をしてもらうことで、授業内容を忘れてしまうというケースを防ぐことも出来ます。宿題を出すということは生徒のためでもあり、講師にとっても次回以降の授業を円滑に進められるという利点があります。
では、実際に教える現場で出やすい疑問とその解決法について2点紹介しようと思います。
ケース1:「どこの範囲を出せばいいの?どのくらいの量を出せばいいの?」
これは講師としての経験の長さに関係なく、誰もが悩む問題です。質・量のバランスを考える上でさらに生徒のやる気や実力も考慮に入れねばならず、調整が難しいところです。
まず、宿題の範囲です。これについては、以下のポイントを踏まえた部分を出すことが大事です。
- その日の授業で扱った範囲の復習
- それより前の単元で生徒が苦手としていそうな部分
- 暗記物(英単語や公式だけではなく、数学の公式や理社の用語も出すと良い)→次回テストする
授業で扱った問題の類題を出すことはもちろん、授業内で間違えた問題をもう一度解かせることも是非させてください。間違えた問題に対しては授業内でこちらから解説をしてあげているため、類題よりも正解しやすく、内容定着と同時に生徒にとって達成感も生まれやすいのでオススメです。
また、授業内容だけではなく、過去に扱った単元で生徒が苦手としていそうな部分が見つかればそこを追加で出してあげることも効果的です。(2次方程式の単元で因数分解の計算が出来ない、など)
あと暗記物についてですが、5科目全ての部分で暗記しなければならない部分は出てきます。数学の公式だって暗記物として考えることも出来ます。暗記物は必ず次回授業でテストを実施して達成度を確認するようにしましょう。
ケース2:「生徒が宿題をやってきてくれません…」
これはもっとも多いケースではないでしょうか。特に中高生は多感な時期で大人に反抗をしたがるもの。そこに面倒な勉強の課題を出されたとあっては、やりたがらない生徒が出てきてもおかしくありません。
この問題については「こうすれば絶対大丈夫!」という定石のようなものはなかなかありません。講師自身で問題点の原因を把握し、自分なりの解決策を導き出す必要があります。ですが、解決するためのヒントを以下に紹介しておきます。
- 前回担当者やスタッフに相談する
- 生徒とのコミュニケーションで生徒の性格を探る
- 自分自身の授業のやり方を見直す
その生徒を担当したことのある先生に相談する。これはもっともオススメできます。その先生がどのように対処していたのかなどを聞き、自分の授業に取り入れると良いです。もしその先生が退職またはシフトが合わず会えないという場合は塾のスタッフへ相談するとよいでしょう。指導経験に加え、過去に生徒本人やその保護者と面談をしていることもあるので生徒の性格などについて教えてくれるかもしれません。
あとは生徒自身とのコミュニケーションは大事です。単純に反抗したがっているのかもしれないし、あるいはどうしても家でやってこれない事情があるのかもしれません。「なんで宿題をやってこないの?」など直接質問をぶつけるのはNGですが、普段の会話の中でヒントを得られる可能性は十分あります。その上で、宿題をこなす大切さなどを話してあげることが出来ればGOOD!!!
最後は、自分自身の授業を見直すことも大事です。ある生徒に好評だった授業の進め方が、その他の生徒にもウケるとは限りません。授業の中で自分の教え方・生徒への接し方に何か問題はなかったかどうかを考えることは、今後の自分の授業のバリエーションを広げることにもつながります。生徒にウケる授業については、【個別指導】授業進行で大事なこと。それは何よりも「楽しい」こと!!を参考にしてみてください。
宿題管理をしっかりすることで、生徒の成績の伸びは大きく違ってきます。次回記事ではテスト直前に焦点を当てた宿題の出し方などについてお話します。それでは!