【塾講師対象】講師が生徒に育ててあげたい「好奇心」【ガチで教育を考える】
好奇心のある子は強い
あらゆる自己啓発本や教育関連の本を読んでも、好奇心の重要性はヒシヒシと感じます。人はどうしたら頭がよくなったり、様々な知識を持つのか、その根本は好奇心にあると、様々な本に書いてあります。それゆえか、頭を良くする方法として
「好奇心を持て」
の一言。
いやいやちょっと待ってよ。そもそも好奇心って持とうと思って持てるものではないように思えます。「はい、ではこれから好奇心を持ってください」と言われても、興味ないものは興味ないし、好きなものは好きです。
とはいえ、色んなことに好奇心を持つこと。それは本当に難しいかもしれませんが、その性質を備えると本当に強いと思います。今や情報社会ですから、携帯を使って興味のある情報を瞬時に手に入れることができます。情報に関係無くとも、興味があるものはやはり覚えやすいものです。情報にアクセスしやすいことと実際にアクセスすること、情報の定着度が高くなることが、好奇心に期待することができます。
私は好奇心に乏しいです。社会がどうなっているのかということに特に関心を持ちませんし、本を読むこともそんなになく、日々同じシリーズの海外ドラマを見てばかりの生活です。
もし私が好奇心のある人間であれば、ここに書いてある内容は教育ばかりではなく、経済や社会、政治の側面からの分析もあったかもしれません。
皆さんは、好奇心のある方ですか?
好奇心を育むためには?
表題を考える前に、そもそも好奇心は教育問題とどのように関係してるのかを確認しましょう。
好奇心が教育問題として取り上げられるのは、詰め込み教育の文脈が多いです。詰め込み教育では、生徒が好奇心を持って何か物ごとを取り組む前に様々な情報が与え続けられ、覚えることを強制され、好奇心どころではなくなってしまうということです。
なるほど、一理あると思います。好奇心とは、①何かに疑問を持つ②自分自身で考える、の2つのステップがあります。
しかし、詰め込み教育では何かについて疑問に思ったところで矢継ぎ早に、次から次へと話が始まるので、疑問に思う余地がありません。そして、自分自身で考えるステップは、先生による一方的な回答の伝達によって問題が解決してしまうので、考えるステップもありえません。
けれども他にも要因はありそうです。学校側もやはりこうしたことには問題意識を感じているようで、小学校・中学校では総合学習ということで、詰め込み学習とは一線を画した教育を行っています。ではそのプロセスを追ってみましょう。
例えば総合学習が自由研究だとして、
「血液型による性格判断は正しいのか?」
という問いを立てたとします。生徒はこの研究をどのように進めるでしょうか?大学生や大人の皆さんは、おそらくアンケートを取るだとか、文献を探るだとか、それなりのリサーチ方法を以って取り組むことかと思われますが、如何せん小中学生はそのようなことを知りません。
代わりに彼らがやることは、PCを立ち上げて、リサーチエンジンを使うことです。いまや小学生も中学生も、PCを使って情報収集ができるような時代になりました。しかもその内容は高度なものが多く、その上わかりやすいものが多かったりします。ネット上には間違った情報が多いとは言え(文献にも間違いは多いような気がしますが…)、大半の情報は正しいもので有用です。小中学生はネットから情報を仕入れ、自分なりに解釈してレポートを書くと、彼らの身の丈よりは多少高度な内容になりますので、「よくやった」と先生は褒めてしまいます。そりゃそうですよ。先生だってその分野に詳しいわけではないのですから、褒めるしかありません。
さらに言えば、自由研究のテーマだって自分が普段思っている疑問ではなく、ネットで目についた、調べやすいものを選んでいるのかもしれません。
そうなると、好奇心の条件である、①疑問に持つ②考える、の2つが満たされることがなくなってしまいます。
さらに個人的な意見を一つ。
皆さんは哲学がどのようにして生まれたのかご存知でしょうか?
昔々、古代ギリシャにおいて、平和が続いた時代。多くの家事労働は奴隷がやってくれるし、平和が続くからこそ戦争というのもなかった。ある意味、「暇だ」とみんながなっていたから、どうでもいいことを考え始めたのです。そのどうでもいいことが、哲学なのです。戦争が起こっていたり、家事労働をしなきゃになると哲学なんて小難しいことを考える暇はないです。けれど、当時はそれがあったらしいのです。
ある意味、哲学は究極の好奇心と言えます。
けれど今の子供達はどうでしょうか。今や周囲は物質に恵まれています。1万円ぐらい払えばそれなりに面白いゲームを買うことができます。テレビなんて無料です。私が1時間前に見ていた海外ドラマも月1000円ぐらい払えば見放題のものの1つです。暇がないんです。
昔はすることがなかったから、ちょっとでも興味を持ったものについては深く考えていたのですが、今やすることがたくさんあるからそんな時間もなくなった。だからこそ、考える癖、好奇心も薄れてしまった。
みんな忙しくなったこと。それが好奇心が薄れた原因なのではないでしょうか。
解決策〜塾講師ができること〜
じゃあ上の問題について、塾講師には何ができるでしょうか。保護者や生徒のニーズを考えれば、学校の方針に従って詰め込み教育を展開するのが良いような気がしますが、どうもそれはそれで味気ない気がします。
皆さんが塾講師である以上、ある意味生徒を数十分拘束しているわけで、その時間を使って自由な教育を行うことができるのです。
ならば、学校とは少し違った教育を行ってもよいのではないでしょうか。学校と同じであるならば、追加的な費用を払って塾に行く意味がありません。塾で学ぶことは、成績をあげるために、詰め込み教育とは別の視点で物事を学ぶことではないかと考えます。
私は、以下の2つの要素を授業に取り入れることを提案します。
・生徒に疑問を持たせる
・生徒自身に考えさせる
これら2つはかなり難しいものですが、質問を常に投げかけることで解決することができます。大きな問題を、小さな問題に分割して、それを小出しに生徒に与えることで、生徒自身が疑問を持ったり、生徒自身が考える機会になります。
またそれとは別に、
・色んな知識を提供する
これも必要なことだと思います。生徒は概してその科目のことをつまらないものだと思っているものです。その「つまらない」という感覚を拭い取るために、色んな知識を提供することが必要です。ちょっとだけ、好奇心を刺激するような授業の視点を紹介しましょう。
その科目が世の中でどう使われるかを紹介する
例えば数学では、加法定理とか微積が出てきますが、それらはどのように用いられることがあるのでしょうか。例えば常用対数。常用対数はあまりにも膨大な数を計算するのに便利ですが、日常で使うことはありません。そこで「マグニチュード」の話をします。
「そういえばマグニチュード1とマグニチュード2って、エネルギーの差はどのくらいだと思う?」
その1の差が、本当はかなり大きなエネルギーの差があること。かなり大きな数を数えるには、対数が便利だということ。それを教えてあげると、少しだけ、対数が身近に感じるようになります。
身近なものについて実践を行う
英語はこれがやりやすいでしょう。例えば仮定法を教えるときは、生徒が普段使うようなセリフを英作してもらったりするといいのかもしれません。
ディスカッションする
国語ではこれがやりやすいです。国語の文章でグローバル化について語られるのであれば、グローバル化が良いものなのか否かを議論すると楽しいかもしれません。生徒の意見を極力尊重しながらも、あんな視点もあるこんな視点もあると紹介すると、けっこう生徒も食いついてきます。
どうでもいい話をする
講師の皆さんは生徒からしたら人生の先輩です。授業の5分や10分を使ってどうでもいい話をするのもいいかもしれません。とにかく生徒が興味を持ちそうな話をしてあげてください。ただし、教養になりそうなものを。私は大学生であり、学問をかじっていることから、大学で「へ〜」と思ったことをとことん生徒に紹介しています。
観光の勉強をしたいという生徒がいたら、観光業界の話をちょこっとしてあげるといいのです。そこから経営の話、地域経済の話につなげるとさらに面白いかもしれません。
まとめ
好奇心のある子は強いです。
それは真面目な子よりも、深く勉強しますし、深く考えます。
皆さんの目の前にいる生徒はどうでしょうか?
どうしたら好奇心のある子に育ってくれるのかの視点で、授業をしてみると、少し違ったアプローチが見えてくると思います。
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