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【きっかけ探しのヒント】生徒に”やろうかな!”と思わせるには!?

2021/12/17

勉強は嫌なもの?

 

中高生ともなれば、殆どの人は勉強が嫌いです。今講師をやっている皆さんも、当時は嫌いだったという人の方が多いでしょう。場合によっては今も嫌いかもしれませんが。仮に勉強大好きだったという人も、その視点は捨てておいた方が良いでしょう。残念ながら嫌いな人の方が多いです。そもそも好きならばよほどのレベルでない限り塾に行く必要もないと思いますしね。

しかし「生徒の成績を上げる」や「生徒に理解させる」などと言っても本人が自ら勉強しないと一定以上の効果は表れません。その為に宿題を出す訳ですが、その宿題にどれほどの意味があるでしょうか。

そもそも、宿題を出すのは自宅学習の習慣を付ける事が目的の一つであり(他の目的は、予習による理解できない個所の確認と、復習による理解のし直しです)、習慣を付けるというのは「言われた事だけをこなす」が最終目的ではないという事でもあります。極端な話、宿題なんか出さなくても良い環境を作るためだと言っても過言ではありません。

 

もしも自ら必要な勉強をするようになったら、と思うと講師の皆さんにとってはそれはもう素敵な状態ではありませんか? 何を言わずとも次の範囲を予習し、分からないところを勝手に質問してくれる。復習も同様で習った範囲を半年後に試験しても習った直後と大差ない高得点をキープしてくれる……。

何はともあれ、自ら学習を深めるという環境を目指す事に何も問題は無いでしょうし、それがプラスに働く事は自明です。であれば、その状態に近づけるよう道を示す事も、私達の仕事の一つだと言えるのではないでしょうか。

 

前置きが長くなりましたが、本稿では5教科への興味関心を持てるきっかけになりそうなものを紹介します。これらをヒントにして、生徒の好みなどから良いきっかけを作ってあげてください。

 

英語

 

まずは、英語です。

薄々見当がついている人も多いのではないでしょうか。書籍や音楽、映画やドラマなど、入り口は多岐に渡りますし、もっとも敷居が低い教科だと言えるでしょう。筆者自身も、最近になってこれらから英語を学ぼうと思うようになりました。英語は苦手なんです。

今はテレビにも字幕を簡単につけられますし、DVDやBlu-rayにもついて無い事の方が稀でしょう。レンタルビデオショップなどで借りて、登場人物の発言をなぞるだけでもとても良い勉強になるでしょう。何せ、ヒアリングとリーディングを兼ねますから。それらを記述しておいて例文にすれば、ライティングの勉強も文法などのルールまでも網羅できます。洋楽の場合は歌詞カードでしょうか。有名なアーティストの場合はその歌詞が和訳されたものがホームページに掲載されている事もあります。自力で和訳した後に比較してみると日本語訳の面白さに触れる事も出来るのではないでしょうか。洋画の場合は吹き替えと比較するのがそれに当たりますね。文化の違いが出て来るので面白いですよ。

気を付けないといけないのは、歌詞やセリフ回しは敢えて文法を遵守しないものが採用されている場合があるという事です。質問があった時は答えられるように出来るとベストです。

 

国語

 

読書ですね。と一言で断じてしまうのも躊躇いがあると言えばそうですが、しかしこれが最も国語の学習には効果があります。何せ、文法(しっかりしていないものもあるので注意が必要です)、漢字、文脈や言い回し、ことわざや故事成語に至るまであらゆるものを網羅しています。流石に古文漢文の分野にまでは広がりにくいですが。色々なジャンルの本を読むことでそれらの幅は広がり、実際に出題されるような文章に対しても抵抗なく読めるようになるでしょう。

何より、本であれば何かしら面白いと思えるものがある筈です。本そのものが嫌い、となるとまた大変ですが。好きな本があるという事は、国語のみならず色々な分野での教養に繋がります。「読書好き」にまでなる必要は無いと思いますが、本を読むことに抵抗のある状態は早めに脱した方が良いでしょう。

読書と近いものとして、新聞を読むのも良いでしょう。こちらは後述します。

 

 数学

 

数学は日常と結びつけることが最も難しい教科です。算数なら近いのですが、数学は生活の根幹にあるものである為、表に出てきづらいのです。しかし、興味を持つのにはその対象が必要である事も身近である事も必要ありません。

例えば、2ケタ同士の掛け算が暗算できたら格好良くないですか? という考え方があります。笑われるかもしれませんが、「何となく良いと思う」というのは馬鹿にできません。大事なモチベーションに大きく関わります。

さて、例に出した掛け算ですが、これは因数分解のゲームです。37×43を計算するのは大変だけど、(40 - 3)(40 + 3)とすれば全然難しくない。(a+b)(a-b)の形の公式があるからです。数学は生活に近くない分、「面白い」を動機にする必要があります。全ての単元でそれが出来るとはなかなか思えませんが、こうして大事な所をサポートできると数学の中で楽しさが実感できるでしょう。数学は基本的に論理の塊ですから、そういうミニゲームみたいな仕様のものがマッチしていると思います。

 

 理科

 

理科は数学と同じ理系科目ですが数学と違って身近な現象の宝庫です。100円ショップの道具などを揃えればかなりの実験が出来るでしょう。単元が変わるその都度新しい何かを提供するのは大変ですから、そういう中学生向けの本などを一冊用意できると後が楽です。

実験を書いている書籍は多くがその理論や理論の歴史、類例から考え方まで色々なことが書いてあります。上手く活用できれば、その本を書いているのは興味関心を持たせる専門家ですから、面白さに気づきやすいでしょう。

また、(最近の理系ブームのせいもありますが)色々な場面でちょっとした理科の知識が出てきます。テレビなどですね。そういったものから好奇心を掻き立てられるというのも良いでしょう。

 

社会

 

最後は社会です。社会の中でも歴史は今も色々なものの題材になっています。それこそ本も、漫画も或いはゲームにもです。ナントカ無双というゲームで武将の名前をほぼ全員言えた友人がいましたが、それはもう大したものでした。

また、新聞を読むというのも一つの手段です。新聞には現在の社会の事が細かく記述されていますから、それを通して地理や公民、時事問題への対策を兼ねることにもなります。何より、その過程で「なるほど」と思う事があるでしょう。そういったところから社会の地歴公、どの分野にもつながっていく糸口が見つかるはずです。

著名な人物の伝記を読むというのも良いかもしれませんね。同時代の著名な人物や時代背景などについても分かりやすく理解できます。

 

 まとめ

 

勉強が嫌だと思われる大きな理由が「つまらないから」です。それぞれの教科に多くの単元があり、それら全てを楽しいと思う事は出来ないでしょう。しかしそれら全てがつまらないという事もまた安易ではありませんか? 楽しいと思うきっかけさえあれば進んでやりすらするものを嫌々やり続けるのは勿体ないですよね。

初めにも述べましたが、ここで書いてあることがそのまま有用かどうかは分かりません。生徒によっては「だから何?」となってしまうものもあるかもしれません。しかし、(考えるのは大変ですが)それぞれに何かしらのきっかけはあるものです。そういうきっかけを提供できる先生に出会えたら良かったのに。そんな事を思った事、ありませんか?

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