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【個別指導向け】「教える」と「教わる」を使い分けてオリジナルの授業を!

2021/12/17

*塾講師の皆さんが教えるということを楽しめるような教え方のヒントやアイデアを提案していくさくラボ

「教える」と「教わる」

今回は、教えると教わるを使い分けてあなたにしかできないオリジナルの授業をする方法についてです。

みなさんは塾講師という仕事は、「教える」ことであって生徒から「教わる」仕事ではないと決めつけていませんか?

多くの講師は自分の知識や経験を元に生徒に教える。という指導をしていると思います。

もちろん、生徒は勉強を何らかの目的達成の為に教わりに来ているわけですから指導をしなければ塾の意味はなくなってしまいます。

では、「教える」という従来の方法に「教わる」ことをプラスすると可能になる授業スタイルとはどのようなものなのでしょうか?

「教える」と「教わる」を使い分けてより良い授業をするための指導方法は以下の2つです。


生徒は講師に、講師は生徒に
あえて知らないふりをする


では具体例を交えながら詳しくご説明させていただきたいと思います。


生徒は講師に、講師は生徒に

みなさんは、自分の説明が終わった後は生徒に何をさせていますか?

また、授業中に何回生徒に質問していますか?

改めて考えてみると、生徒から質問をされることはあっても生徒に質問することは全くない、もしくはあったとしても1、2回という方が多いのではないでしょうか?

そして、ほとんどの塾講師の方は説明が終わると生徒が理解したかどうかを確かめるために実際に問題を解かせるという指導方法をとっていると思います。

しかし、この方法では生徒の理解というのは一時的なものにとどまってしまっているといえます

それはなぜか?

説明を受けた直後に問題を解けばできるのは当たり前だからです。

第一に、説明をした直後の正答率が低いようでは説明の仕方や内容がわかりにくいということになり生徒の理解がどうこうという前に自分の説明の方法を見直す必要があるでしょう。

ですが、多くの講師はこのような当たり前のことをすっかり忘れてしまい生徒の正答率に満足し「よく理解できているね、次の説明をするよ。」などといって説明直後の生徒の正答率が表しているのは一時的な理解に過ぎないということに気づけずにいます。

私自身も経験のあることですが、生徒に先週問題を解かせたときは正解できていたのに今週同じ問題を解かせてみると間違っている、応用になると全く解けない。というようなことはありませんか?

これこそがまさしく先ほどから何度も繰り返している一時的な理解の典型的な例です。

では、一時的な理解をその生徒の知識の一部に変えるにはどうすればいいでしょうか?


その方法こそが今回ご紹介する生徒は講師に、講師は生徒にというものです。

昔から、人に教えると理解が深まるといいますよね?これは本当です。

それはどうしてか?もちろん、覚えたことや自分が理解したことを繰り返すから定着するということもありますが人に教えることの一番のメリットは、自分が理解できていないことに気付けるということです。

人に教えるときにはなるべく分かりやすく、また正確に自分が理解したことを伝えようとしますよね?

すると、説明しているときに自分は完璧に理解していたつもりでいても曖昧な説明になってしまうところが出てきます。それこそが、自分も気付いていなかった理解できていないポイントなのです。そこに気付くことが重要です。

つまり、説明を生徒にさせることで問題を解かせるよりも正確にまた確実に生徒がどこまで理解していて何をわかっていないのかを知ることができるのです。

ですから、生徒に説明をしたら次に生徒に講師になってもらって生徒役の自分に説明をするように指示をするようにしましょう。

この時に生徒の理解を深める為に必要となる、講師がすべきことが2つあります。

一つ目は、生徒が説明をしているときに生徒が理解できているかを確かめられるような質問をするということです。生徒も、説明をうけたばかりですから説明直後の正答率が高いのと同様に説明をするように指示をしても講師がした説明と同じ説明なら簡単にできてしまいます。しかし、生徒に説明をさせるのは完璧に講師の説明を再現できるか?ということを知るためではなく、生徒がきちんと理解できているのか?を知る為ですよね?そこで、説明をさせている最中に本当に理解できているか間違って覚えていないかをはかる質問を多く生徒にするようにしましょう。


二つ目は、生徒が説明に困ったらヒントを出し、それでもだめなら先程より深く分かりやすく説明をするということです。生徒が、説明の最中に言葉につまってしまったり曖昧な表現をしていたらそこは生徒が理解していないポイントです。そのポイントに気付いたら生徒を責めたりすぐに答えをいうのではなく、ヒントを出すようにしましょう。私はこの指導方法を歴史でよく使いますが、ヒントというのは戦いについての説明なら関係する人物の名前や説明の時に紹介したエピソードの一部を話して「だからどうなったんだっけ?」などと詳しい説明を促すようにしています。それでも、分からない場合は先程した説明よりも更に詳しくまた覚えやすいような話を加えてもう一度説明するといいでしょう。

また、忘れないでいただきたいのは生徒に講師役をしてもらうときはあなたも生徒になりきるということです。そして、説明を聞きながら「そうなんだ!」とか「なるほど。」などきちんと相槌をうつようにしましょう。そうすることで、生徒も気持ちよく講師になりきり説明をしてくれるようになります。


あえて知らないふりをする

次の指導方法はあえて知らないふりをするです。

この指導法は上でご紹介した生徒に質問をするという指導法と似ているように感じるかもしれません。

ここでおさらいですが、質問をする指導法の目的は生徒の理解度の確認でした。一方で、これからご紹介する指導法は理解できているかを知るためではなく生徒の苦手なところ・弱いところをうめる目的で行うという根本的な違いがあります。また、この指導方法は生徒の理解を深めるだけではなく記憶に残す効果もあります。

早速具体的にご説明していきます!


どんな生徒にも、何回聞いても間違える。どうしても覚えられない単語や文法、歴史上の出来事というのはありますよね?その時あなたは生徒にどうやって覚えさせていますか?

何度も書かせていますか?間違えるたびに説明していますか?

しかし、それでは根本的な解決にはなっていませんし時間が経てばまた生徒は忘れてしまうでしょう。

では生徒が覚えにくいものを覚えることができる方法とは何なのでしょうか?

それは・・・覚えた時の状況と覚えなければならないことをセットで記憶させる方法です。

どうしても覚えられないことを無理に覚えさせても意味がありませんし、何十回も書かせるなどただの時間の無駄です。そこで、人間の記憶の仕組みを利用します。

例えばテストである単語を思い出せずに悩んでいる時ふと、先生がこんな風に言っていたな。ノートの上から○番目に書いてあったな~などその単語に付随する状況の記憶からその単語を思い出せることがありますよね?

このように覚えたいものに付随する出来事を増やしておけば、自然と覚えられますし万が一忘れてしまっても一つの出来事を思い出せば芋づる式に思い出すことができるようになります。


その仕組みを今回の方法では使います。つまり、意図的に付随する出来事を作り出すということです。

その具体的な指導法こそが、あえて知らないふりをするということなんです!

生徒が覚えられない単語などがでてきた時に、すぐに答えを教えてしまうのではなく「これなんだったっけ?」などと言って生徒に意味を調べさせるようにしましょう。歴史なら、その出来事が起きたことによる影響や関連する人物を調べさせるのも効果的です。


すると、生徒は自分がその単語の意味やどうしても覚えられないものに自分が調べたという状況の記憶が足されて思い出しやすくなります。


ここで、講師の方々にやっていただきたいのは生徒が調べてわかったことを生徒に説明するように指示をすることです。

なぜこの指示をするのかは一つ目の指導法でご説明したとおりです。

2つの方法が繋がっていることを理解していただけましたでしょうか?


まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

いかがでしたでしょうか?暗記科目は特に講師がどのように指導するかによって生徒の理解度に大きく差がつきます。

また、一つの指導方法にこだわるのではなく他の講師とは違うあなただけの授業をしてみてはどうでしょうか?

オリジナルの授業をするための方法の一つとして今回ご紹介した指導方法を是非一度試してみてください。


では、教えることを楽しんでください!

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