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指導報告書の書き方-第2弾【塾講師バイト編】

2021/12/17

新人講師の皆さんに:指導報告書指南!

 前半(塾講師必見!指導報告書って、何を書けば良いの?)では、指導報告書を書く意義について、お話してきましたが、後半では、実際にどのように指導報告書を書けばよいかについて、お話していきたいと思います。

 

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1.学習面について(通常授業のとき)

学習面についての記載は、少なくともその日授業で扱った科目、分野、客観的な生徒さんの理解の様子の要約や連絡、宿題、次回への指示を記載するようにしましょう。以下に例を示したあと、それぞれの項目について、解説していきたいと思います。

科目:数学

使用問題集:○○問題集 基礎編

分野:二次方程式の計算(解の公式を利用するもの)

生徒さんの理解の様子・連絡:解の公式自体は覚えられているが、公式の活用が今一歩。√の中の計算が特に苦手で有利化が出来ていない。

宿題:P121の練習問題A(解答配布済み、答え合わせまで)

次回への指示:宿題での質問対応後、解の公式の問題演習へ(P122から)

まず、科目、分野、使用問題集については、その日の授業に該当することを記載します。

指導報告書の項目の中で1番大切な項目は、生徒さんの理解の様子についての項目です。ここでは、生徒さんが、どこまで出来ていて、どこからが出来ないか、つまり生徒さんのつまずいているポイントが含まれるように記載しましょう。上記の例以外の記載例を挙げてみます。

  1. 一次方程式の計算は出来るが、文章からの立式の段階でつまずいていた。

  2. 相似条件については、一通り理解できているが、証明を書くとなると、どの相似条件を使えば良いか分からなかった。

  3. 2ケタ同士の筆算は出来るが、繰上りのある筆算になると、間違えてしまった。

上記のように、生徒さんのつまずいているポイントをしっかりと記載することによって、その生徒さんの弱点や経過を一目で分かるようになり、講師間でも共有しやすくなります。

宿題の項目は、範囲を詳細に書くようにしましょう。また、ページや問題を指定するだけでなく、宿題の内容が①から③までのどれに当てはまるかまで記載してあるとより良いでしょう。

  1. 問題分を予め読んでくるところまで

  2. 問題を解いてくるところまで(答え合わせは塾講師が行う、もしくは、塾で自己採点する)

  3. 問題を解いたあと、答え合わせまで(答え合わせは家で行ってくる)

次回指示に関しては、ページをしっかり指定し、次回授業時に、担当の先生が変わっても、すぐに授業を始めることが出来るような工夫をしましょう。

 

ここで、よくある悪い記載例を示します。

科目:数学

使用問題集:前回同様

分野:二次方程式

生徒さんの理解の様子:3割くらいの正答率

宿題:練習問題A

次回への指示:前回の続きから

 

さて、先ほどの例と今の例を比べて、みなさんはどのようにお気づきになったでしょうか。まず、使用問題集の項目ですが、前回同様となっていますね。もし、毎回同じ講師が担当するならこれで良いのかもしれませんが、急に他の講師が担当することになったら、何の問題集を使っているのか分からなくなってしまいますよね。また、分野の二次方程式というのも少し広すぎます。二次方程式の中でも因数分解なのか、文章題なのか、計算なのか、書いておいてほしいものです。宿題についても、練習問題Aだけでは、どの分野の練習問題Aか分かりませんし、答え合わせまで、宿題としているかまで、書いた方がいいですね。次回への指示も、前回と同じ講師が担当するなら良いですが、もし、講師が異なってしまった場合、確認に時間がかかりますし、たとえ同じ講師が担当する上でも、記憶違いからミスのもとになったりもします。

 

2.学習面について(イレギュラーのとき)

通常授業時の学習面についての指導報告は、1.学習面について(通常授業のとき)を参照ください。ここでは、通常授業とは、扱う分野の異なるイレギュラーの場合の指導報告書の記載の仕方について、お話していきたいと思います。下に例を示しますので、それぞれの項目について見ていきましょう。

 

科目:数学

使用問題集:学校プリント(相似の証明)

分野:三角形の相似の証明

生徒さんの理解の様子・連絡:本日は、テスト前(12/12テスト)ということで本人の希望により、テスト対策となり、学校のプリントを行いました。相似条件も理解でき、証明問題も自力で書けるようになりました。次回は、宿題の答え合わせの後、P122からの解の公式へ進んで下さい。

宿題:P121の練習問題A(解答配布済み、答え合わせまで)

次回への指示:宿題での質問対応後、解の公式の問題演習へ(P122から)

生徒さんの中では、学校のテスト対策を塾で行いたいと考えている生徒さんもいらっしゃいます。その時は、通常授業から、テスト対策授業に臨機応変に対応する必要があります。そのようなイレギュラーの授業時の指導報告書では、生徒さんのつまずいているところを把握するだけなく、この回は、テスト対策を行ったイレギュラーな授業であることを記載し、そして、次回、通常授業を再開するための指示も記載する必要があります。このイレギュラーの授業時に、次回への指示がないと、通常授業に戻った時にどこから始めればよいのか分からなくなってしまう可能性があります。そのため、テストの日程がいつなのか、次回の通常授業で扱う分野をしっかりと記載するように心がけましょう。

3.生活面について

生活面については、生徒さん一人一人に着目する点があるため、このように書いた方が良いという項目は設けないようにしていますが、私が気をつけていた点について、例を示しながら、紹介していきたいと思います。

例)30分遅刻、授業中うとうとしていた。

例のような記載が1回の場合、「この日は疲れていたのかな。」や「何か用事があって遅刻したのかもしれない。」ということが考えられますが、例の記載が連続したり、頻回に見られたりする場合は、遅刻の原因や授業中うとうとしてしまう原因を、一度考えてみる必要があるかもしれません。生活面についての記載というと、どうしても改善した方が良い点に着目しがちですが、「遅刻しないようになった。」、「授業中うとうとの回数が減った。」などの良い傾向があれば、記載するように心がけるとより良い指導報告書になるでしょう。

4.指導報告書があなたを判断する材料になりうる!?

「良い講師は、指導報告書もしっかりと書いている」これは、かつての塾長先生が教えてくれた言葉です。私も今でこそ、このような記事を書いていますが、塾で働き始めた当時は、指導報告書の項目を埋めるのが精一杯な時もありました。しかし、塾講師としての経験が長くなり、面談業務まで任せられると、指導報告書をしっかり書くことの大切さを痛感するようになりました。それは、指導報告書をしっかりと書くということは、その生徒さんの状況を生徒さんと同じくらい、もしくは生徒さん以上に、把握することが出来ていることを文に表すことだと思っています。生徒さんの細かい変化やつまずきに迅速に対応し、適切なアドバイスをすることが出来れば、より良い指導が出来るようになります。冒頭の言葉は、「良い塾講師に求められていることは、授業を行うことだけでなく、生徒さんの状況を冷静に見極められているということ」と意味を含んでいるのではないかなと個人的に、解釈しています。ですので、みなさんも、たかが指導報告書と思わずに、今のうちからしっかりと記載する姿勢を持つようにしましょう。ある日突然、何の努力もせずに、本当の意味で指導報告書が書けるようになるなんてことは、殆どないでしょう。日々の一回一回の報告の積み重ねが、大事です。少なくとも3か月、次の面談まで、本当の意味での指導報告書を書くように努力してみてください。3か月後の面談準備をする時間は短縮され、面談の内容にも深みや説得力が増し、より積極的な提案が出来ていることと思います。この短縮された時間で、他の業務にどんどんトライしていきましょう。きっと、他の講師もあなたの前向きな姿勢をきっと評価してくれることでしょう。

終わりに

いかがでしたでしょうか。2部構成をお伝えしてきた指導報告書シリーズにお付き合い頂きどうもありがとうございました。たかが、指導報告書ですが、されど、指導報告書。せっかく指導報告書を書くならば、生徒さんの成長につながる、そして、講師間で共有することの出来る指導報告書にしたいですよね。みなさんが、生徒さんのつまずきに、一番初めに気づくことが出来、そして、成長を一番身近で感じ、生徒さんの成功や喜びを一番にわかちあうことの出来るような先生になれることを心より祈願しております。

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