今日は小学校算数の消去算について扱います。中学入試では頻出なので、きちんと練習してすぐに解法が分かるようになることが重要です。
消去算とは?
消去算:いくつかの分からない数を、式を操作することにより、その数を求める算術
問題例としては、
例:りんご3個とみかん5個で1000円、りんご8個とみかん10個で2200円です。りんごとみかん、それぞれの値段はいくらですか?
2つの数を求めるもの、3つ以上の数を求めるものがあります。方程式の知識がある場合は、りんご=x、みかん=yとおいて求めることも可能です。
一方の数が揃っている場合(小3以下)
例:りんご1個とみかん2個で400円、りんご1個とみかん3個で500円です。りんごとみかん、それぞれの値段はいくらですか
情景図を描く
初めて消去算を教える場合は、情景図を描きます。実際のりんごとみかんを絵に描いて、2つの式の違いを明確にさせましょう。
最初は実際のりんごとみかんを描いて教えて下さい。そのほうがイメージがつかみ易いです。慣れてきたら、以下のような情景図を描きましょう。りんごの「り」を○の中に入れ、みかんの「み」を○の中に入れ書き、個数はかけ算で記述します。
2式の差を見ると、りんごの数は揃っているので、個数の差はみかん1個。値段の差は100円になります。よって、みかん1個が100円。りんごの値段は上の式から求めると、みかんが2個で200円なので、りんご1個は、
400円ー(みかん2個の値段)=400ー200=200円
になります。
数が揃っていない場合(小4以上)
例:りんご3個とみかん5個で1000円、りんご8個とみかん10個で2200円です。りんごとみかん、それぞれの値段はいくらですか
情景図を描く
情景図は問題が複雑になっても同様です。先ほどの例と同様に状況把握のために描きましょう。
最小公倍数を考える
一方の数を揃えるために、りんごの個数か、みかんの個数の最小公倍数を考えます。どちらの数を揃えても良いのですが、計算が楽になるように心がけましょう。今回はみかんの数を揃えます。
上の式の両辺を2倍し、下の式の両辺を1倍(そのまま)します。
上と下の式の差は、りんご2個で200円です。よって、りんご1個分は100円になります。みかんの値段は先ほどと同様に求められます。
注意
式の数と、未知数が一致していないと、全ての数を求めることができません。例えば、
りんご7個、みかん7個、バナナ2個で1655円
りんご8個、みかん4個、バナナ4個で1740円
という3つの未知数(りんご、みかん、バナナ)に対し、2つの式しか与えられていない場合は、3つの未知数を求めることはできません。全ての未知数を求めるには、未知数と式の数が一致していることが基本です。
しかし、与えられている式と未知数の数が一致していても、式が並行関係の場合は求められません。
例えば、
りんご3個、みかん5個で1000円(1式)
りんご6個、みかん10個で2000円(2式)
の場合、(1式)を2倍すれば(2式)と同じものになってしまうので、一見、異なる式に見えても、これらは同じものです。
中学入試でこのような出題はされないとは思いますが、未知数と式の関係は高校数学でも重要なので、小学生から理解出来ていることが望ましいです。