ご協力をいただいた塾のご紹介
塾の採用担当者は面接の時にどのようなポイントを見ているのでしょうか?今回は、なかなか知ることができない塾側からの目線を、大手学習塾栄光グループの採用担当者へインタビューからご紹介します。
本記事は、インタビューにご協力いただいた株式会社栄光 人材開発部 採用担当の方のお話をもとに構成しています。株式会社栄光は、小中学生を主に指導する栄光ゼミナール(栄光ゼミナールの求人はこちら)などを中心に全国で教育事業を展開する日本有数の大手塾です。
今回お話を伺ったのは、長年教室長をなされ現在は講師の採用を担当されているベテラン塾講師の方です。これまでたくさんの生徒さんそして塾講師をみてきたご経験から、これから採用試験を受けるみなさんへたくさんのコメントをいただきました。
目次
1. 面接の質問内容と見ているポイント
1.1 Q1:面接の流れをお教えください
1.2 Q2:どのような質問をよくしますか?
1.3 Q3:質問の中で見ているポイントはなんですか?
2. オススメの面接準備と気を付けてほしいこと
2.1 Q4:面接前に応募者に準備してほしいことはありますか?
2.2 Q5:面接時の注意事項はありますか?
2.3 Q6:一方、あまり重視しない点はありますか?
3. ズバリ!ほしい人物像は?
3.1 様々なタイプの方
3.2 仲間意識のある方
3.3 目的意識、向上意識がある方
4 意外と重視しないところ
4.1 入塾時点での指導力
4.2 指導可能な科目数
5 大学生塾講師へ求めている役割
面接の質問内容と見ているポイント
塾の面接はどのような流れで、どのようなポイントをみているのでしょうか?まずは、形式と採用担当者の見ているポイントをインタビューしました。
Q1:面接の流れをお教えください
まずはじめは、緊張をほぐすために軽くアイスブレイクをします。アルバイト選考の面接が初めてな方も多いので、まずは緊張せず話せる雰囲気づくりをするようにしています。
そのあと、具体的な質問や業務の説明など面接本番へ入ります。
面接というと「緊張してうまく話せない」と心配な方も多いかと思いますが、塾の担当者もそういったところを気遣ってくれるようです。
Q2:どのような質問をよくしますか?
面接は会話なので、決まった質問などはあまりありません。ただ、その中でも、
・塾講師をやろうと思った理由
(特に、どのような経験から塾講師になろうと思ったのか)
・高校までの勉強経験、その工夫、受験経験など
・大学の学部の勉強や課外活動について
などについてよく質問します。
全体を通して、これまでの経験などを中心にお話をきくことが多いです。
面接では、これまでの経験を通して塾講師になりたい理由や勉強方法などを質問されるようですね。
Q3:質問の中で見ているポイントはなんですか?
塾講師になりたい理由をまず重視してみています。高校までの勉強経験得た成功/失敗から塾講師を選んだなどの理由はもちろん、「プレゼン力をつけたい」など成長を求めての理由も大歓迎です。
加えて、応募者の方にどのような軸があるのかにも注目しています。「ありがとうの言葉が好き」や「得たいスキルがある」など、頑張るための拠りどころがあるような方は好印象です。
塾講師は簡単な仕事ではありません。しかし、塾講師になりたい理由や頑張れる軸など、経験をもとにしっかりともっている方は、がんばってくれると期待できます。
塾講師を目指す理由など、考えや理由自体はもちろん、そこへ至った経験や体験を裏付けとしてしっかり話せることが大切なようですね。
オススメの面接準備と気を付けてほしいこと
では、面接のためにどのような準備をすればよいのでしょうか?逆に、面接のときに気を付けなければいけないことはなんでしょうか?
Q4:面接前に応募者に準備してほしいことはありますか?
これまでの経験を一通り整理し話せるようにしていただけると嬉しいです。受験経験などはもちろん、日々の勉強環境などもぜひ整理してみてください。また、部活動など努力した経験もまとめていただけると魅力をアピールできると思います!
そのうえで、そういった経験/環境の中からどういった経緯で塾講師アルバイトを選んだのかもまとめるとよいと思います。
Q5:面接時の注意事項はありますか?
まず何より、服装や言葉使いなど、一般的な社会常識は意識するようにしてください。スーツやシャツがしわしわだったりすると、どうしても印象が悪くなってしまいます。塾講師という職業上、他の人を見て自分から気づく注意力は大切です。
最低限の社会常識はあらかじめ知っておいた方がよいようですね。大学生だとあまりそういったところを気にしない場合が多いので、ぜひ注意しましょう!
面接で話す内容を一言一句かっちり決めてくるのは逆効果です。面接は会話ですし、取り繕うとしてもうまくいかないものです。経験などをある程度整理してもらって、あとはリラックスして面接に臨んでいただけるとよいと思います。
Q6:一方、あまり重視しない点はありますか?
上手に話すことや詰まらずに話すことは重要ではありません。質問の意図を理解し的を外さず返答できる基礎的なコミュニケーション力があれば問題ありません。
わからない時は「わからない」でも結構です。そういった事よりも、塾講師になりたい理由など内容のほうが大切です。
ズバリ!ほしい人物像は?
塾の採用担当者は、どのような方を塾講師として求めているのでしょうか?採用担当者が考えるほしい人物像を、スバリ教えていただきました!
様々なタイプの方
熱意のある先生、教える技能の高い先生、元気で子供の気持ちがわかる先生など様々なタイプの先生に来てほしいです。
意外にも、最初に挙がったのはこのようなお話でした。塾講師というと、真面目でしっかりした人の仕事なイメージがありますが、必ずしもそれだけではないようです。
学習塾、特に個別指導塾では様々な生徒さんがいらっしゃいます。だからこそ、多様な生徒さん1人1人に対応できるように塾講師も様々なタイプの先生に来てほしいと思っています。多様な先生のもとに、多様な生徒さんが集ってくる環境が理想なんです!
例えば、熱い気持ちでリードしてくれる先生がいい生徒さんもいれば、冷静にスマートに教えてくれる先生がいい生徒さんもいたりします!
指導の幅を広げるためにも、塾は様々なタイプの講師を求めているようですね!「自分は塾講師に向いていないな・・・」と勝手に決めつけてしまうのはもったいないみたいです。
様々なタイプの先生に来ていただきたいですが、やはり最低限生徒さんの前では熱意を持って講師として振る舞う必要があります。また、そのためにも塾講師へのやる気は必要ですね。
仲間意識のある方
チームとして働ける、仲間意識をもって働ける方を歓迎します
次に挙がったのはこのようなお話でした。
塾の現場では、様々な講師の先生が協力し共に考えて、1人の生徒さんの学びをサポートします。塾講師はチームなんです!生徒さんのことを本気で考えるあまり、指導の方針などを巡って激論を交わすこともあったりします。
よって、塾講師を目指す方には、ぜひチームで一緒に頑張る仲間意識をもってもらいたいです。
塾講師は担当授業を粛々とこなすイメージですが、実際は他の講師と協力しチームで働く意識が必要なようです!
加えて、次のようなこともおっしゃっていました
塾講師の楽しさの1つは、この仲間との関わりにあると思います。塾講師の仕事は簡単なものではありませんが、一緒に頑張る仲間のためにも頑張ろう!と思えたりもします。
目的意識、向上意識がある方
「バイトの中でなにか身につけたい!」「成長したい」という、お金以外の面でも目的意識がある方はとても魅力的に感じます。
最後に挙がったのはこのようなお話でした。塾講師はアルバイトですが、お金という面以外に自分なりの目的意識をもった姿勢が高く評価されるようです。
「人前で話すのが苦手だから、あがらないようになりたい」や「将来先生になりたいから、経験をつみたい」など、内容は違えど目的をもって入ってきてくれる講師さんに対しては“一緒に頑張ろう!”という気持ちになれます。塾で頑張って成長して、就職活動や社会に出て活躍されているOBOGを見ると、とても嬉しいです!
塾は生徒さんを指導する場ですが、目的をもって頑張っていれば塾講師自身にも様々な学びがある環境なようです。
塾講師はお金を稼ぎながら、自分を広げられる環境だと思います。アルバイトとしての気持ちに加えて、学生団体やゼミへ入るような気持ちも持っていてくれると嬉しいです。
意外と重視しないところ
逆に、採用担当者が意外と重要視しないことも教えていただきました。
応募者からすると、意外なものが多くありました!
入塾時点での指導力
大学生の先生の場合、採用試験を受けるときにそんなに高い指導力を求めたりはしません。高校レベルの基礎的な知識があれば基本的な知識量は大丈夫でしょう。
生徒さんへの指導が仕事の塾講師なのに、指導力を求めないというのはどういうことでしょうか?
基本的な知識があれば、指導の方法については塾のほうでしっかり研修し鍛えるので大丈夫です。また、塾には様々な生徒さんが通っています。そのため、必ずしも高い学力を持ってハイレベルな内容を教えることだけが必要というものでもないのです。
大学生に初めから指導力を求めるのではなく、塾の研修で鍛えるスタンスなようですね!そのため、大学受験で使った科目なら、選考時には指導可能科目として申請しても良いようです。
現状のスキルや知識よりも、やる気や学ぶ意欲の方が重要だと思います。そこがあれば、おおかたの先生がしっかり指導できるようになっています。
また、受験経験についても
中学・高校・大学の受験経験についても、必ずしも必要とは考えていません。受験経験についても考慮した上で採用し、徐々に指導の訓練を積んでもらいますので大丈夫です。
指導可能な科目数
指導可能な科目数ついても、指導力と同じことが言えるようです。
指導可能な科目数についても、そこだけを見て採用を決めているわけではありません。多くの方が大学受験に使っていなくても中学までは大方の科目を勉強されていると思います。なので、塾に入ってから知識を補充し指導できるようになることも可能だと思っています。
一方で、指導科目については次のようにもおっしゃっていました
入ってから頑張ればいいとは言っても、教室の中でのバランスを考えある程度は考慮します。特に、理系の先生が足りない傾向があるので、理系の先生は歓迎しています!
やはり、指導可能科目は多いほうがいいようです。特に、理系科目を教えられる先生が少ないようなので、たとえ大学受験で使っていなくても「数ⅡBまでは勉強していました」などと伝えると好印象になるようです。
大学生塾講師へ求めている役割
最後に、塾の採用担当者から大学生塾講師のみなさんに求めたい役割をお聞きしました。
私達は、大学生の先生方に「生徒さんと近い目線での指導」を期待しています。この役割は、生徒さんとあまり年齢の変わらない大学生のみなさんだからこそできる、大切な役割です!
教科の指導など勉強の指導技能は社会人の先生のほうが高いかもしれません。しかし、生徒さんが心を開いて、知り合いのお兄さんお姉さんのような親しみをもって素の心で相談してくれる関係を作ることは、社会人の先生にはなかなか難しかったりします。
もちろん、指導などで悩んだ際にはベテランの先生がサポートしてくれるので安心です。
栄光はそうした大学生の先生方が作ってきた塾です。大学生のみなさんには大きな期待をしています!!
単に教科の指導力という面だけでなく、生徒さんとの親密な関係を築くという面で大学生講師には大切な役割があるようです!
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