実は稼げる、校内予備校での出張授業とは? 〜学校で予備校講師の授業が受けれたら…〜
こんにちは!国語科講師の中林です。
中林 智人 なかばやし ともひと
高校教師から塾講師・予備校講師に転身し、現在は河合塾・早稲田予備校にて国語を担当しつつ、都内の高校で非常勤講師としても活躍。講師業だけでなく執筆なども行う。「納得できる知識・論理的読解技術」「制限時間内に問題を解き偏差値を上げる戦略」「楽しく国語を勉強できる面白ネタ」をモットーに日々生徒に向き合っている。
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今回の記事をお読みいただく前に、まず私の過去の記事を御覧下さい。
はい、「中林の1週間」の所です。以下が同じものになります。
実はあの記事を公開した後に、「お前、あんな無茶苦茶なスケジュールで体大丈夫か?」と知り合いに色々心配されました(笑)「あんな働き方してて、体壊した後じゃ取り返しつかないぞ」という感じです。
御安心下さい。今はもうちょっと工夫してなんとか健康的にやっています!
あの時はとにかく「少しでも早くプロ講師として認められたい」と思うあまり、頂いた仕事をあまり考えずに引き受けて、その結果、自分の体の限界に挑戦することになっただけでして、皆様に「こうならないで下さい」とお示ししたい「悪い例」です。今はもうちょっと効率的にやっていますので御安心下さい(笑)
さて、本題に入りましょう。
その「中林の1週間」の中で「出張授業」というのがあります。今回はこの「出張授業」について詳しく説明していきたいと思います。
目次
・「出張授業」って一体何?
・中学・高校に講師として「出張授業」ができるようになる為には?
・普通の塾・予備校の授業と何が違うの?
・「校内予備校」に出張するメリット・デメリット
・終わりに 〜どこであっても誠実に、良い授業をすれば、すべては繋がっていく〜
「出張授業」って一体何?
まずは中学・高等学校に通っている生徒の立場になって考えてみましょう。
「はあ・・・学校の授業で疲れちゃったのに、さらにこの後部活で、そこから移動して塾に行くのか・・・しんどいなあ・・・でも塾や予備校の授業は楽しくてその上受験に役立つから受講したいし・・・はー、塾や予備校の先生がこの学校にきてくれたらなーーーー」
はい、その願い、プロ講師が叶えましょう!
ここから生まれたのが「出張授業」です。
普段塾・予備校の校舎で授業をしているプロ講師が、あなたの学校に来てくれて、塾・予備校そのままのクオリティーで素晴らしい授業を”学校で”展開してくれる・・・最高ではありませんか?
「出張授業」とは、まさにこういうことです。
つまり生徒側は学校の授業が終わった後、いちいち距離のある塾・予備校に移動しないで校舎内でプロの塾・予備校講師の授業が受けられるのです。
生徒からすれば非常にありがたいこの「出張授業」の制度、ではプロ講師側から見たら一体どのような形となるのでしょうか?
中学・高校に講師として「出張授業」ができるようになる為には?
まず、以下の形が考えられます。
予備校からの派遣
それ以外の出張授業派遣専門の会社に登録してそこから派遣
個人の紹介
予備校からの派遣
この場合は、元々その予備校の教室授業で活躍されていた先生が、予備校のお仕事として高校などに派遣されて授業をなさるパターンです。
あるいは最初から出張授業の講師としてその予備校で採用されて、後からその予備校の教室授業も担当するというパターンもあります。ちなみに私はこのパターンになります。
近年は特に予備校の事業の一つとして校内予備校としての出張授業を実施する予備校も増えてきていると感じています。
それ以外の出張授業派遣専門の会社に登録してそこから派遣
いわゆる「校内予備校」という形で会社の外部から講師を募集して派遣する会社があり、そこに登録してお仕事の依頼があったら出張する形です。企業の一例を示しておきます。
派遣会社を活用する場合について、「登録するのに採用試験はあるの?」と思われる方もいらっしゃると思います。
あくまで会社によりますが、基本的には「プロ講師」としてその人を会社の責任で派遣するので、書類選考・模擬授業・面接などの試験は実施されていることが大半です。
一方、あくまで予備校講師として授業に赴くので、基本的に教員免許状は必要ありません。(一部を除く)
個人の紹介
人脈による紹介ですね。
知り合いから紹介されて出張するパターンですが、正直これは人次第ですし、トラブルが発生した場合の対処も大変なので、あまりおすすめしません。
普通の塾・予備校の授業と何が違うの?
あくまで学校にもよるのですが、大きく分けると以下の二つが通常の塾・予備校授業と異なります。
その学校ごとの方針に合わせないといけない
塾・予備校でも会社ごとの方針がありますが、それ以上に学校という場所は色々と異なるところがあります。
基本は勉強を教える事が中心の塾や予備校と違って、あくまで学校は生活指導なども含めた総合的な教育機関なので、指導者側も注意すべき事があります。
例えば服装はその一つですね。
よく予備校の先生などで奇抜なファッションや、特に男性の先生で髭を生やしていらっしゃる方もいますが、学校内でそのような格好で授業することはあまり好まれません。なかには明確に「出張講師の先生も校内ではネクタイ着用をお願いします」などと指示される場合もあります。学校の教職員がしっかりスーツ等でお仕事している中、ラフな私服の大人が堂々と入ってきたら違和感がありますからね。
一方、逆に「これが俺のスタイルだ!」と堂々と私服で授業なさる方もいらっしゃいます。
そこは個人の考え方でしょうから何も言いませんが、ただ学校の教職員の中にはよく思われない方もいらっしゃるということだけ念頭に置いておく必要はあると感じています。ちなみに私は校内予備校のときは全部スーツです。
また、授業の際の言葉遣いや振る舞いなども、塾・予備校校舎での授業以上に気をつける必要があります。
「あの先生は言葉遣いが悪い」という理由で生徒からクレームが来て、年度の途中で授業を降ろされてしまった講師の方を知っています。
校内予備校と言っても受講生徒は全員希望者という訳ではなく、なかには学校行事の一部として「クラス全員強制参加」の形で開講される場合もあります。
そういった場合、授業態度が良くない生徒やあまりやる気の感じられない生徒もいるでしょう。
だからと言って怒鳴り散らすなど乱暴な態度に講師が出てしまっては真面目に受けている生徒も迷惑でしょうし、そもそもプロ講師としての在り方ではありません。
また、テキストについては、これは学校側が指定してくる場合もありますし、講師側に一任される場合もあります。
私は両方経験がありますが、後者の場合はその学校が公開している合格実績・生徒の偏差値・学校の教職員の方の御要望に合わせてテキストを自分で組み立てました。自分が解かせたいと思う問題を選んでテキストを作れるので、授業も非常にやりがいのあるものになりますし、生徒の反応も毎回楽しみでした!
授業開始時間は放課後すぐの16時(土曜なら13時)前後が多い
学校内で行われる予備校授業なので、当然本来のその学校の授業が終わった放課後に実施されます。
通常の塾・予備校は、生徒が授業終わりに電車なり徒歩なりで通塾する時間も加味すると大体18時前後から授業が始まることが多いのですが、校内予備校は何しろ学校内での授業ですので、この移動時間が無いのです。
したがって、放課後すぐの16時前後に授業がスタートすることが多いのです。
土曜でしたら午前中授業の後なので13時前後ですかね。
また学校は塾・予備校のように夜遅い時間まで校舎が空いていることが少ないので、遅くても大体19〜20時前後には授業が終わるところがほとんどです。つまり講師も早めに帰宅することができますね。
「校内予備校」に出張するメリット・デメリット
あくまで学校によるのですが、校内予備校に出講する際のメリットやデメリットをご紹介します。
メリット
テキストや授業の内容を講師の裁量に任せてくれる所が多い
前述した通りです。学校や派遣する会社・予備校が指定してくることもありますが、数で言うと講師に任せてもらえる所の方が断然多いです。
自分で作ったテキスト・選んだ教材で教えることができる、これは予備校でも単科講座を持つような人気講師でないとなかなかできない事です。当然やり甲斐も段違いです!
塾・予備校の通常授業より時給が高め
私の知っている所では、初年度から時給6000〜10000円で募集している校内予備校の求人もありました。(医学部指導とかではなく、文系科目での話です。)
通常、塾・予備校で初年度からこの時給となると三大予備校レベルか、あるいは紹介による鳴り物入りの入社となってきます。またそこまではいかずとも、校内予備校の時給は通常の塾・予備校でのお仕事より全体的に高めで募集されていることが多いです。
おそらく派遣元としては講師を派遣するだけなので施設維持費やその他の経費が抑えられる分、講師の人件費に回しやすいのでしょう。
今回の記事のタイトルで「実は稼げる」と書いたのは、そういう事です。
教員免許状が無くとも様々な学校で授業ができる
これをメリットと感じるかは人それぞれですが、学校ごとの様々な施設・掲示物・校舎設備などを見るのは私は面白くて好きです。
私もこれまでに合計10校以上の高校に出張で行かせて頂きましたが、それぞれ学校ごとの特徴があってとても面白いんですよね。
また、日頃教員免許状を持たずに塾・予備校だけで授業されている先生は、例え内容は同じでも学校で授業をされることによって塾・予備校で見せない生徒たちの別の顔が色々見えてくるので、面白いし勉強になると思いますよ!
デメリット
学校の都合に振り回されることがある
「校内予備校」と言っても、学校側としてはあくまでひとつの追加行事的な扱いであることが多く、修学旅行・定期試験・文化祭・体育祭などの学校の都合で講座が無くなったり、生徒が参加できなかったりということが多々あります。
また、前述の通り開講時間が放課後すぐの時間であることが多いので、生徒も委員会などの放課後行事で遅刻・欠席することが多いです。
ちなみに、私は体験したことは無いのですが、事務的な面でトラブルになってしまったという話もあります。
と言うのも、学校の先生方というのは日々の業務がとてもお忙しく、校内予備校の対応というのは進路指導関係のお仕事の一部であることが多く、従って校内予備校の講師となかなか丁寧な打ち合わせをする時間が取れないことがあるからです。
少なくとも大手予備校の事務の方のような至れり尽くせりの対応をしてくださる学校は少ないでしょう。
ですので、講師の方も学校に任せっきりにしないで、必要なことや疑問点は派遣元や学校にしっかり相談し、トラブルが起きないようにしましょう!
「校内予備校」の開講は安定しているわけでは無い
一般的に学校というと塾・予備校と比べると安定しているので、潰れる危険が少ないと思われています。
それは間違いありませんが、だからと言って「校内予備校」の授業が同じ学校でずっと安定的に開講できるとは限りません。
授業内容が生徒のニーズに即していなければ次年度からなくなることもあり得ますし、また仮に授業の評判が良かったとしても学校側の方針の変更があれば有無を言わさず次年度から授業が打ち切られることもあります。
塾・予備校であれば、講座の評判が良く、生徒が集まっている授業が閉講になることは滅多にありませんが、校内予備校ではそれは起こり得ます。
終わりに 〜どこであっても誠実に、良い授業をすれば、すべては繋がっていく〜
いかがでしたでしょうか。
今回は「校内予備校」による出張授業という働き方をご提案させて頂きました。
これまでに塾・予備校だけでなく、学校の非常勤講師も含めて色々な働き方についてお話しましたが、最後にひとつだけお話させて頂きましょう。
私の知っている講師の方で「俺は効率的に稼ぐことを第一に考えるから、時給の低い所の授業でエネルギーを使うのはもったいない。そういう所の授業は手を抜いてやって、時給が高い所で沢山生徒が集まる授業をやってバリバリ稼いでいくんだ」と言っていらっしゃる方がいました。
私はその発言を聞いた時「この人は効率的の意味を履き違えている」と感じました。
教える場所の時給が低かろうが高かろうが、生徒は生徒です。手を抜こうと考えるような職場なら、さっさと退職してもっと時給の高い所だけで活躍すれば良いだけの話です。
それにこのSNS全盛の時代、どこかで生徒に悪い評判を残せばそれが色々な所に拡散されるのも早いのです。「あの先生俺の所では超適当だったし、態度悪かった」とでも評判がたてばその先生自体の社会的評価が下がることもあり得ます。
どの職場であっても、そこが求めるものを理解してしっかり対応し、目の前の生徒や人に対して誠実に向き合い続けることで、結果的に自分の思わぬ所から良いお話しが舞い込んで来るなんてことも結構あるんですよね。ですので大変ですが、手を抜かずに頑張っていきましょう!
ではまた次の記事でお会いしましょう!
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