非常勤講師は都内23区で住宅ローンを組めるのか?(前編)
こんにちは!国語科講師の中林です。
中林 智人 なかばやし ともひと
高校教師から塾講師・予備校講師に転身し、現在は河合塾・早稲田予備校にて国語を担当しつつ、都内の高校で非常勤講師としても活躍。講師業だけでなく執筆なども行う。「納得できる知識・論理的読解技術」「制限時間内に問題を解き偏差値を上げる戦略」「楽しく国語を勉強できる面白ネタ」をモットーに日々生徒に向き合っている。
さて、年末も近づき、大分寒くなってまいりました。塾・予備校業界の一般的な認識ですと、「寒くなってきたらいよいよ受験本番が近くなってきたから、体調管理も意識して頑張ろう!」となりますので、私も受け持っている生徒の指導に気合が入ります!
そして、そんな話とは直接関係無い今回の記事の内容に入って行きます(笑)。
目次
・前置き
・不景気とコロナ禍のこの時期に、私がマンションを買った理由
・まず、信頼できる不動産会社探し、そして家探しの条件について
・続編へ続く
前置き
私は大学卒業後に勤めた私立学校でクラス担任を3年間経験した後、高校の非常勤講師になり、それと同時に音楽活動などをやっておりました。
20代を最後まで費やす位自分なりに頑張ったのですが、結果的にミュージシャンとして社会的な成功はできず(だからこそ今こうして教育業界で奮闘しているのですが)、当時は非常勤講師とミュージシャンというどちらも不安定な業種の中「早く社会的な成功をおさめるか、もしくは生活の安定が欲しい。このままでは高齢者になったらホームレスになってしまうかもしれない・・・」という不安とずっと戦い続けて来ました。
ですので、その辺りから「いつか賃貸では無く、自分で家を買って『終の住処』を手に入れたい」という、漠然とした夢を持っていました。そして、その夢がいかに困難なものかを思い知りました(笑)
しかし、こうして記事にしている所から分かるように、結果的に私は非常勤講師でありながら住宅ローンを組んで東京23区に分譲マンションを購入する事に成功しました。
今回の記事は、「1人の非常勤講師が住宅ローンの審査を通してマンションを買ったという一例」を元に、「非常勤講師は社会的信用が少ないが、努力と創意工夫で大きな買い物ができる!」そんな希望を皆様にお届けできればと思います。
不景気とコロナ禍のこの時期に、私がマンションを買った理由
ご存知の通り、今マンション価格は高騰しています。首都圏における中古マンションの平均価格で言うと1000万円以上も値上がりしているのです。
そしてこの高騰は(特に都心のマンション価格に関しては)当分終わらないとも言われています。
原因は色々ありますが、「コロナ禍において作業時間の増える自宅を重視する人の増加」「金融緩和政策による住宅ローンの金利引き下げ」「中国をはじめとする海外投資家による日本の不動産への注目」などが代表的でしょう。
そんな中で私があえて賃貸でなくマンションを購入した理由は、まずは前述の通り、持ち家への憧れです。
この業種ですから、いつ働けなくなって収入が無くなるか分かりません。再就職先を探そうにも住所が無いとどうにもなりませんし、私の場合は参考書や書類なども大量に置いておける自分の部屋つきの家が常にある状況は仕事上必須でもあります。
また持ち家であるならば、将来ライフスタイルが変わった場合も、より暮らしやすい形に家をリフォームすることもできます。
「もっとマンション価格が全体的に値下がりするまで気長に待てばいい」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これも前述のように「いつになるか分からない」のです。コロナだって皆の予想に反していまだに収束していませんし、気長に待っていたらいわゆる定年の年齢までどんどん近づいて行きます。
今現在私はアラフォーですが、ここから5年、10年も待っていたら定年までの年齢がどんどん近づいて行き、ローンの返済期間もどんどん短くなって行きます。つまりそれだけ住宅ローンの審査も通りづらくなっていくわけです。
勤務先の高校にて非常勤でも無期雇用の契約を獲得し(この記事をご参照下さい)、確定申告においても3年間なんとか安定した収入を維持できていますので(確定申告を行なっている事業者の場合、住宅ローンの審査は過去3年間の確定申告書と収支内訳書の提出を義務付けられる)「動くなら今かな」と思った次第です。
なぜ戸建てではなくマンションなのか
戸建てですと経年劣化していく家の管理を全て自分でやらなければいけませんが、マンションは「管理組合・管理会社」があり、建物の管理を管理会社にお願いできるので非常に楽です。
もちろんマンションの場合は購入後も管理費・修繕費を払い続けなければいけませんが、それは戸建てで自分で自分の家を管理する費用に該当するとお考え下さい。共働きの私達夫婦にとって、戸建てを自分たちで無期的に管理し続けることは長期的にみると結構な負担でしたので、その辺も踏まえてマンションが好都合でした。
また、戸建てですと「駅から近い」などの好立地を手に入れるのがマンションより困難で、したがって売却しようとした場合にマンションより困難な場合が多いです。
持ち家によって安定を手に入れたいという思いはもちろんありますが、同時に「どうしても引っ越しをする必要があった場合、高価格で自宅を売却」できれば、次の家を購入する資本にもできます。いくら持ち家と言っても、本当にそこに終生住み続けるかも分かりませんよね。ちなみに、売却を視野に入れると、都心のマンションが1番好都合だと思います。
郊外や地方在住を視野に入れるのでしたら、車を購入して戸建てを買うのも選択肢としてはありでしたが、私も妻も首都圏を飛び回って仕事をしている身なので、東京に家があることは交通的にも非常に助かります。
以上の理由で、首都圏にマンションを購入しようと決意した次第です。大きな買い物ですから自分の状況や希望を踏まえて色々考えた末の結論ということですね。
まず、信頼できる不動産会社探し、そして家探しの条件について
信頼できる不動産探し
ちょっと前に「正直不動産」というドラマがありましたね。あのドラマでは「ミネルヴァ不動産」という悪徳業者が敵役として活躍していました。
実は、私の親は不動産関係の仕事をしていまして、「実際の不動産業者も9割はあんな感じか、あれに近いレベルだ」と言っていて、それを聞いた私は背筋が凍りました。
実際に家を買おうとする人の大半は公務員・正社員・専任教員などの安定した職種の方か、もしくは一括購入できるくらいの潤沢な資金をお持ちの方です。そこまでのお金の無い非常勤講師がマンションを購入しようとするなら、真剣に話を聞いて自分の現状をしっかり理解してくれて、様々な質問に親身になって答えてくれる不動産仲介業者を見つけることが大事です。
・「今この物件を買わないと他の人に取られます。急いで決断して下さい!」と、必要以上に決断をせかす人
・物件情報に関しての細かい質問にあまり答えず、お茶を濁そうとする人
・その物件の表面的なかっこよさ、メリットばかり強調して、デメリットに関して触れようとしない人
こういう会社は避けた方が無難です。
インターネットなどを活用してご自身でも勉強して、そこから気になった質問を親身になって答えてくれる会社を見極めて下さい。
特に教育関係者は他業種と比べると、子供相手という限定された領域内で勤務している関係上、大人相手の駆け引きや社会の流れに疎い方が多いので、マンション・戸建てに限らず不動産を購入しようとする方はしっかり勉強して臨んだ方が良いと思います。買い方次第で数百万〜数千万の損をしかねないのが、不動産というものです。
ちなみに私の場合、まずsuumoで様々な物件の検索をして、無料の個別相談を申し込んで、suumoが紹介する新築物件もいくつか内見して、そこから中古マンションに切り替えてさらに調べて、50以上の物件を比較検討して、さらに中古マンションも色々内見して、やっと購入したマンションにたどり着きました。「良いな」と思う物件があっても他の人に取られたりと、色々悔しいこともありましたが、これも勉強かなと思っております。
プロ講師たるもの、大学受験対策の勉強だけで無く、社会人として生きていく為に必要な様々なことの勉強は生涯し続けないといけないと、改めて思い知らされましたね(苦笑)
家探しの条件
これに関しては本当に人によるのですが、あくまで私が重視した条件を以下に羅列します。
私個人が落ち着ける、かつ十分な本棚を置ける作業スペース・自室が確保できる
現代文の指導をする関係上、難解な評論文に集中できる静かな環境が自宅にあることは必須条件でした
いつか売却することも踏まえ、駅からの距離10分以内・首都圏近郊・その他資産価値になり得る物件であること
前述の通り、購入したからといってライフスタイルや周辺環境の変化で引っ越しする可能性もあり、その際に高値で売れる物件であることは、将来を考えると大事なことです
生活に適した場所であること
病院・スーパー・学校・役所などが近くにある等
日光が得られる
南向きの住宅を購入しました。人は日光を浴びることで想像以上にメンタリティに影響が出てきます。朝から授業する高校非常勤講師にとっては尚更です。
直感・ときめき
そこに住む自分が「ここに住みたい!」と本能で感じることも大事です。大学選びとかと似ていますね!偏差値だけでなく「ここに通いたい!」というときめきを感じることも大事ですからね。
他にも細かいことはありましたが、最終的にはこれらを満たした良い物件を見つけることができました。こういうのは探しているだけでも「あ!これいいかもしれない」なんて考えたりして、意外と楽しいものですよね!
続編へ続く
今回の記事を書くに当たって、「教育業と直接関係無い内容だから大丈夫かな?」とちょっと考えましたが、そもそもこの記事は「プロ講師」のためのものということを踏まえた場合、やはり書こうと思い直しました。
世の中がどう移り変わるかは誰にも分かりません。コロナ1つとっても、ここまで長引くことを誰が予想できたでしょうか?また少子化に関してもニュースでもあるように深刻なレベルに達しています。「教育業は絶対安心」なんてもう言えない時代なのかもしれません。
そんな中、大人としての自身の生活を設計していく為に、「衣食住」の1つであり最も大きな決断を迫られる住居に関して、今の私がお伝えできる内容を書かせて頂きました。
大学生講師ならいざ知らず、社会人として講師業を行なっていく以上、老後も踏まえて様々なことを考えないといけないと思います。大変ですが、それを楽しく行えれば理想的ですよね!
今回の記事は前半ですが、後半ではさらに具体的な話に突っ込んで行きたいと思います。
特に「非常勤講師の中林が一体どうやって銀行のローン審査を通り抜け、数千万円のローン契約を行ったのか」に御注目頂ければ幸いです!
ではまた次回の記事でお会い致しましょう!
後編へ続く・・・
「非常勤講師は都内23区で住宅ローンを組めるのか?(後編)」の続編はこちらからご覧ください。
あわせて読みたい記事
プロ講師・非常勤講師のおすすめ塾講師バイト・求人特集
塾講師ステーションでは300件を超えるプロ講師案件を掲載しています。本記事では、全国又は関東に複数の教室を展開しているプロ講師募集塾をご紹介しています。