以前平面図形での最短距離問題についての記事を紹介しました。
(※記事はこちら→線対称を利用すれば簡単!平面図形の最短距離問題)
今回は立体図形の表面上の最短距離問題について扱います。
小学生の生徒さんだと「立体図形」と聞くだけで苦手意識を持ってしまったり、抵抗を感じてしまう子も多いですが、最短距離問題に関しては平面図形と同じように考えることができるので立体図形への抵抗を軽くするには適しているのではないかと思います。
立体図形も平面図形の時と一緒! -直線を結べ!-
さて、本題である立体図形の表面上の最短距離問題について解説していきたいと思います。今回も練習問題を題材に解き方を紹介していきたいと思います。早速練習問題に取り掛かってみましょう。
問. 図1のような縦の長さが4cm、横の長さが6cm、高さが2cmの直方体があります。点Aから点Gまでひもの長さが最も短くなるようにかけたとき、ひもと辺BCの交点(点Iとする)は点Bから何cmの箇所になるでしょう?(図1の赤い線がひもです。)
さてこの場合どのような場合が「ひもの長さが最も短い場合」になるのでしょうか?求め方は平面の時と同じです。
「2点を結ぶ直線を引け!」が合言葉です。
とは言っても生徒さんからこう言われるでしょう。
「これは立体図形だから、もし点Aと点Gを直接結んでしまったら図形の中を通ってしまうから無理です...」みたいな感じです。
しかし立体図形で困っているなら平面図形にしてしまえばいいのです。つまり立体の表面上の最短距離問題では、
「まず展開図にしてしまう」ことが必要です!
そのうえで直線で結べば良いのです。展開図を書くときも必要な箇所だけ書かせるようにしましょう。この問題の場合は面ABCDと面BFGCさえ書けば大丈夫なはずです。(図2を参照)
この時求める長さはBIの長さということになります。ここからは相似の問題に帰着します。三角形AFGと三角形ABIは相似です。ピラミッド型と呼ばれる相似のパターンでした。(相似の内容について復習したい方はこちら→相似のパターン・条件をまとめて確認しよう!)なので6×4/(4 + 2)という式によってBIは4cmと求めることができます。展開図を書いてしまうと本当に簡単な問題になりました。
とにかくするべきことは
①必要な範囲で展開図を書く
②展開図上で直線を結ぶ
となります!