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【社会科講師必読!】なぜ「地理」から学ぶ必要があるのか?

小学生

2021/12/17

これは中高生でも同じですが、社会科にも理解しやすい順序というものがあります。社会科は因果や論理といった縦軸よりも、横軸的に分野が広がっているイメージがあるので、どこからやっても変わらないという印象がある人が多い傾向がありますが、そんなことはありません。人によっては学習する順番を整理することで、すっと理解でき、頭に残るようになることもあります。そこで社会科を学ぶ順序について考えてみたいと思います。
 

記憶は場所にひもづけられる

 古今東西あらゆる記憶術において、もっとも効果的で大量に暗記する方法の一つは、覚えたいことを場所にひもづけるという方法です。例えば部屋のあちこちに覚えたいものをイメージして配置したり、電車の路線図などに覚えたいものを関連づける方法などが有名です。しかしそんな面倒な方法をとらなくても、社会科には場所の学習があるのですから利用しない手はありません。つまり、社会科で最初に勉強すべきは「地理」ということになります。
 
中学受験においては割りとハッキリと「地理」→「歴史」→「公民」という順序が決まっているのですが、学校においては「生活」や「総合」といったカテゴリーの登場以後、あやふやになってしまった感があります。また、中学受験においても途中入塾生は歴史からになってしまったり、また「あまり入試に出題されない」という理由で地理の一部を疎かにしている状況も散見します。出題傾向としては歴史に重点が置かれる学校が多いという現状もあります。
 
効率的な学習を目指して地理をすっ飛ばしてしまうと、記憶の方法が非効率的になり、結果的に社会科全体の理解や成績を犠牲にしてしまう可能性もあります。
 

歴史だって地理上で起きている 

歴史を勉強するときは、年号や因果関係などに目が行きがちですが、その出来事は「どこで起こったのか」という視点も大事で、頭の中の地図に出来事をひもづけることで、記憶が定着して忘れにくくなります。社会科は「暗記科目=覚えなければいけない教科」だと考えられがちですが、覚えなければならない情報のほとんどに元から位置情報がある、つまり場所や地図とひもづけられている「覚えやすい教科」だとも言えます。
 
ですから、まず頭の中に地図や地形を思い浮かべられるようにして、そこに更に時間軸があるというイメージですね。四次元として捉えるわけです。
 

とにかく地図を使うこと

6年生になっても社会の成績が伸び悩んでいる生徒の多くが、地図帳を手元に置いていない、あるいは持っているけれどとてもキレイな状態です。つまり地図を使っている回数が圧倒的に少ない傾向があるんですね。地図を常用することで「パラレルに展開する大量の情報に慣れる」また「検索能力が身につく」という受験を超えて現代社会において求められている効果が期待できます。
 
地図の使用に慣れたら、次の段階は白地図や手書き地図の使用です。ポイントはいかに今自分が必要な情報だけを抽出して地図上に配置できるか、ということです。社会に出てもプレゼンがうまい人というのはこの技術に優れていることが多いように感じます。特に手書きの地図で個人差が出ますが、真面目すぎて成績が上がりにくいタイプの生徒は、例えば、日本の周りの海流について学んでいるときに、半島の形など細部にこだわって地図を書く傾向があります。それより丸や四角でザックリと四大島を描いて、朝鮮半島と樺太を加えた方が海流を学ぶ意味があります。そういう作業を繰り返すことで、地図を頭に入れて社会科学習の基礎ができるだけではなく、抽象と具体、鳥の目と虫の目を意図的に使う訓練になるのです。
 
社会科に行き詰まっている生徒がいたら、まず地理に立ち返ってみることはとても効果があると思います。都道府県が分からずに、歴史は難しい。ちゃんとステップがあるんですね。 

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