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辺の比と面積比の教え方をパターンごとに解説!

小学生

2021/12/17

今回は小学生の算数の基本分野である「辺の比と面積比」を扱っていこうと思います。これを読んで初めての小学生にも内容がきちんとわかるように教えていきましょう。最終的には相似な図形と面積比の関係まで持っていこうと思います。相似の条件についてはこちらの記事を参照!→相似のパターン・条件をまとめて確認しよう!

辺の長さの比と面積比の様々なパターン

様々なパターンを順番に紹介していきます。1つ紹介したパターンの理解が次につながるので、生徒さんに解説するときは順番に丁寧に指導してあげてください! 

2つの三角形の高さが等しい場合

高さが等しい三角形画像この場合は右図のようになります。三角形の面積の公式をまず思い出しましょう。すると
三角形の面積 = 底辺 × 高さ ÷ 2 となります。右図の三角形ABDと三角形ADCの底辺をそれぞれBD、DCと見ると高さは等しいですね。(オレンジの線分)例えばa : bというのが2 : 1 だったとすると三角形ABDは底辺が三角形ADCの2倍ということになるので面積も2倍になります。つまり「2つの三角形の高さが等しいとき、面積の比は底辺の長さの比に等しくなる」ということが言えます。 

 2つの三角形の底辺の長さが等しい場合

底辺が等しい三角形この場合左図のようになります。先ほどの高さが等しい場合の裏返しみたいな状況ですが、三角形DBCと三角形ABCの面積比はa : b に一致します。a : b = 1 : 2 とすると三角形ABCの面積は三角形DBCの2倍となります。(左図のオレンジの線分が、底辺をBCと捉えたときの高さにあたる)もちろん公式である:三角形の面積 = 底辺 × 高さ ÷ 2 に基づき、底辺の長さが一緒であるなら三角形の面積は高さによって決まるということです。 つまり「2つの三角形の底辺の長さが等しいとき、面積の比は高さの比に等しくなる」ということが言えます。ここまで紹介した2つの性質が、次の「2つの図形が相似の場合」を理解させるのに必要なので、この基礎から教える必要があります。また、小学生に文字を使って説明しても分かりづらい可能性があるので、適宜具体的な数字を当てはめて説明してあげてください。 

2つの図形が相似の場合

相似の三角形画像①まず相似の場合を説明する前に、より一般的な場合である右図のような場合を考えてみましょう。この場合三角形ABCとDBEの面積比はどうなるでしょうか?ここでは線分AEを引くと分かりやすくなります。まず三角形ABCとABEを比較すると1個目のパターンの「2つの三角形の高さが等しいとき」になります。よって
三角形ABEの面積 = 三角形ABCの面積 × a/b …①
ということになります。そして次に三角形ABEと三角形DBEを比較します。これも1個目のパターンの「2つの三角形の高さが等しいとき」になります。よって
三角形DBEの面積 = 三角形ABEの面積 × m/n …②
ということになります。以上①と②を組み合わせると
三角形DBEの面積 = 三角形ABCの面積 × am/bn
ということになります。これは三角形ABC : 三角形DBE = bn : am …③
といことを意味します。これを把握した状態で次に相似の図形について考えてみます。相似の三角形画像②

左図のような場合ですね。この場合は先ほどの③の公式と用いると三角形ABC : 三角形DBE = b² : a²となります。よって相似の図形の面積比は辺の長さの比を二乗したものということになります。このb² : a²は実は他の科目地理の「地図の読み方」でも出てきます。縮尺5万分の1の地図と縮尺2万5千分の1の地図があるとき、縮尺5万分の1の地図は2万5千分の1の地図の2倍ではなく4倍(2 × 2)の範囲を含んでいます。地理の選択肢問題などでも必須ですので、余力があれば教えてあげると良いでしょう。

 

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