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よい作文を書くための6つのポイント!【国語科講師必読】

小学生

2021/12/17

塾講師必見】国語って何を教えるの?国語の教え方は?

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小学生が書いた日記や作文を読むと、こんな文にぶつかります。


「このまえ、プールに行きました。とても楽しかったです。」

 

 

事実と感情を伝えただけのこの文に、いろいろな言葉をどんどん加えていきましょう。

 

 

 

自分の気持ちや周りの情景を丁寧に伝えることで、ぐっと印象的な作文になります。

 

 

よい作文を書くために必要なポイントは、次の6つです。

 

  1. 主題をはっきりさせる
     
  2. 作文の構成を考える
     
  3. 作文用紙のルールを守る
     
  4. わかりやすい文、印象的な文を書く
     
  5. 表現技法を効果的に用いる
     
  6. 書き終えたら読み直して確認する

 

1. 主題をはっきりさせる。

まずは、作文を通して一番伝えたい事は何なのかを考えましょう。

 

 

先程のプールに行ったことも、

「何が一番楽しかったのか」

をしっかりと考えましょう。

 

 

たとえば

  •  流れるプールで泳いだこと
  •  ウォータースライダーで水しぶきをあげて滑ったこと
  •  友達とはしゃいだこと

 

 

など、具体的に楽しかった場面を思い浮かべ、

何を伝えるのか話題を絞りましょう。

 

 

2. 作文の構成を考える

一般的な三部構成「はじめ」「なか」「おわり」を意識して作文の構成を考えましょう。

 

 

 

作文のテーマ(紹介文・意見文・感想文、物語など)によってその内容は変わりますが、

 

 

冒頭の夏休みの作文・日記を例にすると次のようになるでしょう。 

  • 「はじめ」…いつ、誰と、どこのプールに行ったのか。その時の天気や交通手段などを書く。


     
  • 「なか」 …プールで一番楽しかった事を印象的に描く。
          会話文、表情・口調、五感で感じたことなどを、
          たとえや比喩、擬音語・擬態語を交えて書く。


     
  • 「おわり」…プールを存分に楽しんだことがわかるような余韻を残しながら、
          自分の気持ちをまとめる。 

声をあげながら流れるプールではしゃいだこと、

 

ウォータースライダーを滑る水しぶきの様子、


友達のはじけるような笑顔など、

 

 

注目する場面を絞って詳細に描くと、作文全体がぐっと生き生きしてきます。

 

 

どのようなテーマであれ、「なか」の部分に比重を置いて書けるように、さまざまな視点、材料を探すことが

大切です。

 

3. 作文用紙のルールを守る

構成が決まったら、作文用紙に向かいましょう。

 

 

清書する前に下書きをする場合でも、次のことを押さえるとよいでしょう。 

 

 

  • 作文用紙のルールを守る。
    文章や段落の書き始めの一マス空けや、句読点の書き方、カギカッコの使い方など、基本をしっかりと押さえましょう。

 

 

  • 文末の表現(敬体か常体か)を意識する。
    「~です。」「~ます。」とするのか「~だ。」「~である。」とするのかをきちんと意識して、
    作文中に混合しないように気をつけましょう。



  • 段落を意識する。
    「はじめ」「なか」「おわり」の構成を意識しながら段落を分けましょう。
    作文でよくみかけるのが、段落わけが全くないものや、逆に一文ごとに段落を変えるなど段落分けが細かすぎるものです。
    文章の内容のまとまりや、接続語を基準として段落を作ることを心がけると、上手に段落わけができるようになります。


  • 文字数を意識する。
    「はじめ」「なか」「おわり」のバランスを意識しましょう。「はじめ」の文章量が多すぎて「なか」が薄くなったり、「おわり」の締めくくりが書けないことがないように、段落ごとの文章量を考えましょう。

 

4. わかりやすい文、印象的な文を書く

 

5W1Hをはっきりさせる。

Who(誰が) What(何を) When(いつ) Where(どこで) Why(なぜ)、How(どのように)をはっきりと伝えましょう。その際、相手に知らせたいことを整理して伝える文を考えましょう。 



 

接続語を使う
文と文、段落と段落のつながりを表すのが接続語です「しかし」「だから」「一方」「また」などの接続語を効果的に使って、伝えたいことをわかりやすく書きましょう。

 

 

 

気持ちを詳しく描写する。
時間の経過、場所の推移といっしょに、自分の気持ちが移り変わる様子がわかるように描きましょう。


「すごい」「楽しい」「おいしい」などの形容詞を、擬音語、擬態語、たとえなどを用い、できるだけ詳しく描写するとよいでしょう。例えば・・・


 プールに行く前 ⇒ わくわく プールまでの道をタッタッと駆け足で向かう 
 プールの帰り道 ⇒ くたくた 赤く日焼けした笑顔で友達と話しながらゆっくり歩く など 



五感を用いる。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触感を描く。
 

視覚  「プールは、キラキラと輝いていた。」
聴覚  「『ザブン!』僕は思い切りプールに飛び込んだ。」
嗅覚  「鼻の奥がツンとなって消毒液のにおいが広がった。」
味覚  「スイカのさっぱりとした甘さが口いっぱいに広がった。」
触感  「プールの水が、体にまとわりついては離れていく。」



自分の体が感じたことを、具体的に丁寧に文字で描いてみましょう。少し難しいかもしれませんが、日頃から自分の感覚にできるだけ素直になり、感じたことをいろいろな言葉で表現するように意識すると、次第に五感を描くことができるようになるでしょう。

 

表情や声、体の様子を詳しく描く


 表情  「水の中から顔を出し、目を細め、太陽をまぶしそうに見上げた。」
 声   「大きな口をあけてげらげらと笑う
 体   「目をギュッと閉じる」 



人と話をするときに、相手のことをよく観察してみましょう。

 

楽しい話をしているときの相手の動作や口調に注目すると、その楽しさや喜びを全身で表しているのがわかるでしょう。

 

また、自分が話をするときにも、身ぶりや声の調子を変えて喜怒哀楽をできるだけ相手に伝えてみましょう。


相手を知ろうとする気持ち、自分を知ってもらおうとする気持ちが大きいほど、言葉で表現できる部分がたくさんでてくるでしょう。

 

5. 表現技法を効果的に用いる

ここでは、作文に生かせるいろいろな表現技法を紹介します。

 

これらの表現技法は、ところ構わず使っていいものではありません。作文で一番伝えたい気持ちや事がらを強調するように用いると、ぐっと印象的な作文になります。

 

  •  擬音語  ガチャンとガラスがわれる。/ザブザブとタオルを洗う 

音を表す言葉です。

 

音を文字で表すと、様子が印象的に伝わる効果があります。

 

  • 擬態語  ふわふわと雪が舞う。/ギラギラと照りつける太陽。

様子を表す言葉です。


状態を文字で表すと、様子が印象的に伝わる効果があります。

 

  • 擬人法  雨が音をかなでる。/空が泣く。

人間以外のものを人間に見立てて表現する方法です。

 

印象を強める効果があります。

 

  • 直喩  まるで空が泣いているようだ。/桜の花びらのように雪が舞う。


「~のようだ」「~みたい」などを用いて、二つの事物を直接比較して表す比喩です。

 

印象を強める効果があります。

 

  • 隠喩  ガラスの心/白衣の天使

「~のようだ」「~みたい」などを用いず、そのものの特徴を他のもので表す比喩です。

 


印象を強める効果があります。

 

  • 倒置法  街を吹き抜けていく、凍てつく風が。

主語は「風」、述語は「吹き抜けていく」。述語→主語の順序になっています。 


文中において、語や文節を本来の順序とは逆の順序で表現する方法です。


文を強調する効果があります。

 

  • 体言止め  街を吹き抜ける凍てつく風。

これは文ではなく、主語と述語はありません。「街を吹き抜ける」は「凍てつく風」をくわしく説明する「修飾語」となっています。 


文末を体言で終わらせる方法です。


文の余韻を残す効果があります。


  • 呼びかけ  ぜひ、いっしょにやってみましょう。

人などに具体的によびかける表現です。


相手に強く訴える効果があります。

 

  • 問いかけ  このようにやってみたらどうでしょうか。

人などに具体的に問いかける表現です。


相手に強く訴える効果があります。

   

6. 書き終えたら読み直して確認する

 読み直しの時のポイントをまとめました。

 

誤字、脱字はないか自分が書いた文字をひとつひとつ読み直す気持ちで作文を見直しましょう。



ひらがなにクセはないですか?相手がよみやすいように丁寧に書きましょう。

 

・急いで書いてしまうと、濁点や助詞が抜けてしまうことがあります。落ち着いて書きましょう。


・また、すでに習った漢字はできるだけ使いましょう。文章量を増やすためにひらがなを多く使う
 と、読みにくく意味が伝わりにくい文になります。


正しい漢字を書きましょう。国語の授業で習う漢字や言葉の意味は一つ一つ確実に覚えて、積極的に
 作文の中で使っていきましょう。


主語・述語が対応しているか
・「なぜなら~だからです。」など主語と述語がきちんと対応していますか主語をしっかりと意識し
 て、確認しながら読み直しましょう。

 


主語が二重になっていませんか。文中で同じ主語を繰り返したり、文の途中で主語が変わっていませ
 んか。長すぎる文はそれだけで伝わりにくくなってしまいます。なるべく短い文を書くように意識し
 ましょう。

 


時制(過去・現在・未来)にも気を配りましょう。時間を表す言葉(昨日・今日・明日、毎日など)
 と述語(「~でした。」・「~です。」・「~でしょう。」)が正しく対応しないと、いつのことを
 書いているのかわからなくなってしまいます。

 

読み手にわかりやすい文になっているか
・一文が長すぎて伝えたいことがあいまいになっていませんか。

 文中に「~で」や「~すると」などを多く使うと事実を伝えるだけの文になってしまいます。

 気持ちや情景などをわかりやすく伝えるためにも、なるべく文を短く区切って、様子を詳しく伝える言葉 

 を足してみましょう。読み手の心の中に情景が浮かぶような文になりますよ。

 

口語表現を使っていないか


話し言葉と書く言葉は違います。

 「~かもしんないです。」や「~ってことは」など話し言葉ではなく、「~かもしれないです。」
 「~ということは」と書く言葉を使いましょう。

 

 

文の頭に「なので」や「あと」を使っていませんか。
 文と文のつながりを考えて「だから」「そのため」や「また」などの適切な接続詞を使いましょう。

 

 

動詞のあとに「~たり」を使っていませんか。
 一つの動作を表す時に「~たり」を使うのは口語表現です。二つ以上の動作を並べて書くときは
 「~たり」を使います。

 

「こっち」「あっち」など、書いた人本人にしかわからない言葉を使っていませんか。
 「自分たちのほう」や「川の向こう側」など、読んでいる人にわかる言葉で伝えましょう。

 


「ら」抜き言葉・「さ」入り言葉
 ×「洋服を着れる」→○「洋服を着られる」 ×「わさびを食べれる」→○「わさびを食べられる」
 ×「漢字を書かさせる」→○「漢字を書かせる」 ×「山に登らさせる」→○「山に登らせる」
  など、「ら」が入っていなかったり、無駄に「さ」が入った言葉になっていないか気をつけましょ
  う。

 

 

 

誰に何を伝えるのか目的をはっきりとさせ、相手に伝わる言葉で文を書くことは、作文の種類に関わらずとても重要です。一つの文を少しずつふくらませて、生き生きとした作文になるように、一人ひとりの個性も勘案しながらの指導が必要です。

 

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