今回は小学生向けの比例の分かり易い教え方を紹介します。ややこしく考えてしまう生徒さんが多いようなので、すっきりと説明しましょう!
”比”とは??
そもそも、”比”とは何でしょうか?比例の前に、比は習っているはずですが、確認しておきます。
チューターのバイトを場所からさがす
比の例題:50人のクラスがあります。男女の人数の比が3:2のとき、男子は何人いますか?
応用が効くので線分図を用いた解説をおすすめします。
そもそも、男女の人数の”比”が3:2であるとはどういう意味でしょうか。
小学生に理解できるように説明すると、「男子が3人いる場合、女子が2人いる」という説明が一番分かり易いと思います。
クラスで、男子3人と女子2人の5人グループを作る場合をイメージしましょう。
50人いるので、5人のグループは50÷5=10グループできます。1グループに男子は3人いるので、3(人)×10(グループ)=30(人)…答え
チューターのバイトを場所からさがす
比例とは??
先ほどの問題を少し発展させてみましょう。”比例”とは、同じ”比”の関係が維持されている状態を指します。
・比例の関係にある場合
男子が3人いる場合、女子が2人いる…(状態A)
男子が6人いる場合、女子は4人いる…(状態B)
(状態A)と(状態B)の男女の人数の比を考えてみましょう。
(状態A)では、3(人):2(人)=3:2
(状態B)では、6(人):4(人)=3:2
同じ3:2という関係ですね。同じ比の関係が維持されているので、「男子の人数は女子に比例している」または「女子の人数は男子の人数に比例している」と言います。
・比例の関係ではない場合
男子が3人いる場合、女子が2人いる…(状態C)
男子が4人いる場合、女子は4人いる…(状態D)
(状態C)と(状態D)の男女の人数の比を考えてみましょう。
(状態C)では、3(人):2(人)=3:2
(状態D)では、4(人):4(人)=1:1
(状態C)と(状態D)で男女の人数の比が異なります。これは、比例の関係ではありません。
2つ以上の状態を比較して、同じ”比”になっていたら”比例”
“比”と”比例”は同じような所で使われる言葉なので、混合してしまいがちですが、”比例”は関係性を示す言葉です。
男子の人数が女子の人数に比例して(男女の人数が比例の関係にある時)、男女の人数の比が3:2の場合、
男子が6人の時は、女子は4人(男子の人数を2倍にしたら、女子の人数も2倍)
男子が9人の時は、女子は6人(男子の人数を3倍にしたら、女子の人数も3倍)
男子が12人の時は、女子は8人(男子の人数を4倍にしたら、女子の人数も4倍)
という風に計算します。
定義としては、
ある量(a)が 2,3,4 倍になるとき、それにともなってもう 1 つの量(b)も 2,3,4 倍になるような関係のことを比例といい、「bはaに比例する」といいます。 式に表すと、次のようになります。
b= (決まった数)×a
男子の人数は女子の人数に比例する、という場合の(決まった数)は3/2(2分の3)になります。
では実際に以下では比例の問題を扱ってみましょう。
次の表の○と□の関係をみて、比例しているかどうか答えなさい。
(1)
(2)
チューターのバイトを場所からさがす
答え:
(1)長方形の面積の関係を考えましょう。(面積)=(タテの長さ)×(ヨコの長さ)になります。
タテが3cmで、一定の値になります。□=(決まった数)×○の関係が得られますね。
面積は、タテの長さが一定の場合、ヨコの長さに比例します。…答え
(2)長方形の周囲の長さは、(周囲の長さ)={(ヨコの長さ)+(タテの長さ)}×2
で求められます。タテの長さ ○(cm)とヨコの長さ □(cm)の関係ですが、和が一定になります。
よって、これは比例の関係とは言えません。…答え
文章題にチャレンジ
表の問題は比較的解き易いと思うので、文章題も紹介しておきます。
次の2つの量の関係を、○と□を使った式に表しなさい。また、それぞれ○と□が 比例の関係にあるか答えなさい。
(1) 1 つ 20円 のおかしの数 ○個と、おかしの個数○個と代金 □円の関係
(2) 1 つ 20 円のおかし ○個と 100 円のジュースを 1 個買った時、 おかしの個数○個と代金 □円の関係
(3) 1m あたり 30g の針金の長さ○m と、針金の重さ□g の関係
答え:
(1) □=20×○となります。□(代金)は○(個数)に比例します。
(2) □=100+20×○となります。これは少しややこしいのですが、比例ではありません。比例関係は、○が2倍,3倍…のとき、□も2倍,3倍…となる必要があります。具体的に数字を入れてみると分かり易いでしょう。
(3) □=30×○となります。□(重さ)は○(長さ)に比例します。
ぜひここで紹介した説明方法・練習問題を指導で使ってみてはいかがでしょうか?