皆様こんにちは!
前回は
講師研修の種類が5種類あることよくあるクレームと、その対処法
についてお伝えしました。
(URL:http://www.juku.st/info/entry/604)
今回は、その中でも講師にとって一番大変な研修「模擬授業」について、詳しくお伝えしてまいります!
模擬授業は何のために行うのか?
模擬授業の目的は「講師としての力量」を実践的にチェックするために行われます。
評価基準は塾により様々ですが、内容面と精神面の2つの軸でチェックしているケースが多いです。
内容面…黒板/ホワイトボードの書き方、説明の上手さ、声の大きさ、メリハリ
精神面…たち振る舞い、マナー、言葉遣い、惹きつける力
このことを頭の片隅に入れながら、実際の対策を考えていきましょう!
模擬授業徹底対策!【事前準備】
講師にとって、何よりも重要なのは「事前準備」です。
たまに「ベテランだから予習なんていらないや」と思っている人もいますが、絶対にマネしてはいけません!
考えてみて下さい。
その態度を上司が見たら、どう感じるでしょうか?
実際、当日のアドリブや臨機応変な対応は、ベテランでも苦労します。
必ずしっかり事前準備をして、当日を迎えるようにしましょう!
1、教案作成
教案とは、予め教える内容を自分の授業スタイルに合わせてまとめた書類を指します。
ここで大事なことは、自分流に合わせて作る、ということ。
大手塾やフランチャイズ塾には教務マニュアルが完備されていることも多いですが、そこに書かれている内容は「誰でも」使えるように書かれています。
そのため、結果的に自分の話し方と乖離してしまいがち。
だからこそ、自分流に作ることが重要になってきます。
マニュアルを読むのは大切ですが、それを自分ならどう伝えるか、どう話すか、をイメージしながら書いていきましょう。
【ポイント】
・予定された時間の8割をイメージして作る
講義をしていると、時間が早く感じるものです。
また、生徒役とのやり取りを入れると、思った以上に時間がかかります。
仮に10分間の模擬授業であれば、8分ぐらいで終わるよう、教案を作成するとよいでしょう。
・模擬授業専用の教案を作る
本来の教案は60〜90分程度で作成することが多いでしょう。
しかし模擬授業は5〜10分で行われることが一般的です。
そのため、そのまま流用してしまうと、最初の導入部分の説明だけで終わってしまいます。
そうならないように、模擬授業では前回のおさらいや導入は極力短くして、きちんと時間内に本題に入るようにしましょう。
・板書案と説明案は別に作る
板書案に説明する文章を書き込む人もいますが、それはやめておいたほうがいいでしょう。
なぜなら、当日板書案が小さいと読みづらく、講義しにくくなるためです。
当日見る「板書案」には、大きめの文字で板書する内容と予定時間、最低限押さえなければならないキーワードだけを記載しておきましょう。
そして、研修では話す内容を決めた「説明案」も作るほうがよいでしょう。
ここには言い回しを含め、話す内容を詳細に書き出しておきましょう。
2、模擬授業の練習をする!
教案が作成できたら、自室で早速練習してみましょう。
最低でも3回は繰り返して、話す内容を暗記してしまうぐらいやり直しましょう。
【ポイント】
・教案の修正を繰り返す
話してみると、自分が作成した教案通りにいかないことも多々あります。
そのときに「自分の話し方や立ち振る舞い」を直すのではなく、教案を直すようにしましょう。
なぜなら、緊張しているときには人は複数のことを考えることができません。
そのため模擬授業当日は「○○を伝えなきゃ、○○を話さなきゃ」というので頭がいっぱいになります。
とても自分の話し方をチェックする余裕はありません。
ですから、自分を変えるのではなく、教案を変えたほうが圧倒的に楽に話すことができるようになります。
但し、話さなければならない内容まで削らないように注意しましょう。
・動作確認を忘れずに行う
可能であれば知人に見てもらう、ビデオカメラで撮影するなどして、自分の立ち振る舞いのチェックを行ってください。自分で自分の姿を見るのは恥ずかしいですが、必要な経験です。
そのとき気を付けてほしいのは、体のブレ。つい話しているときょろきょろしていたり、落ち着かない感じで話している講師になっていないでしょうか?。話すときの立ち位置は動かさないことを意識しましょう。
目線は奥から手前に、動かすようにしますが、首は極力動かさない。
そして、黒板/ホワイトボードを書くときは生徒に見えるよう、体の位置を工夫しましょう。
…とはいえ、テクニックよりも大事なのは「感覚」。ここではあえて細かい話はしませんが、自分でチェックしておかしい、不自然だと感じる部分は直しましょう。
・動きを取り入れる
生徒をあてる、発言をきちんと授業内に取り入れる。
当たり前のことですが、つい模擬授業練習をすると、まるで演説会のようになってしまう人がいます。
授業ですから、必ず双方向性を取り入れてください。
そしてできた場合(大抵の先生はきちんと答えてくれます)は、必ずほめるようにしましょう。
3、黒板/ホワイトボード対策を行う
きれいな板書を作れる先生は高い評価を得ることができます。
書くのに慣れが必要なのが、黒板/ホワイトボードですが、最低限のコツはつかんでおきましょう。
【ポイント】
・3色以上の色を使う
全て同じ色では、やはり読みづらいもの。
ポイントには必ず違う色(赤や黄色)を取り入れましょう。
ただしやみくもに色を使うのではなく、ルールを作ることが大切。
白…普通の文字。
黄…重要なポイント、覚える場所。
赤…補足
のように、あらかじめ決めておくとよいでしょう。
・図を必ず取り入れる
残念ながら、慣れるまではどうしても字がよれよれになってしまうものです。
だから、あまり文字を多用するのではなく、図を使いましょう。
ここでポイントになるのは「絵」を描かないこと。
90分の授業であれば書いてもよいですが、模擬授業で絵を描いていると、それだけで時間が終わってしまいます。
矢印や集合関係など、簡単に書ける図を取り入れましょう。
・手を板面に押し付けて書く
緊張による震えを防ぎ、きれいな字を書くコツは、板面に手を押し付けることです。
そうすることで、手が震えなくなりますし、安定感が増します。
また、文字のサイズを大きめに書くほうが好感度が高まります。
そのために、手首を動かすのではなく、腕全体を動かすように意識するとよいでしょう。
模擬授業徹底対策!【当日】
いよいよ模擬授業当日。
講義前・講義中・講義後に分けて、意識しなければいけないポイントをまとめました。
1、講義前
おそらく模擬授業では、他に数名の先生と一緒に行うことになります。
その際、他の先生の授業をよく観察し、指摘されている点があれば、メモをして自分が指摘されないようにしましょう。
また、聞いている態度もみられています。
他の先生の講義を聞かずに、自分の教案ばかり注視することはやめましょう。
2、講義中
まずは落ち着いて、練習の成果を出せるように意識しましょう。
人は1度に1つの動作、1つの思考しかできません。
だからあれこれ考えすぎず、自分が一番気を付けなければいけない点に絞って意識しながら講義しましょう。
加えて、熱意を伝えることも重要です。
慣れていなくても「なんとか君の成績を上げたいんだ!」という気持ちが伝わる先生に、生徒はついていきます。
研修でも相手に誠意をもって接していると、その想いは必ず伝わります。
3、講義後
講義後、すぐにフィードバック(感想・指摘など)を受けることになると思います。
言われた意見は真摯に受け止め、最後に必ず「ありがとうございました」と言いましょう。
どんなに納得できなくても、その場で反論することは誰も得をしません。
決してしないようにしましょう。
また、講義後もリラックスするのではなく、研修であることを忘れないようにしましょう。
家に帰るまでが「研修」です。
模擬授業徹底対策!【その後】
模擬授業は終わりではなく、始まりです。
また、その後の成長度合いによっても、評価は変わります。
では具体的にどのようにすればよいのか? 一緒に考えてみましょう。
1、模擬授業で指摘された点を「わかりやすく」改善する
何より大事なのは「わかりやすさ」です。
せっかく修正しても、わからないと評価にはつながりません。
「自分は成長しているんだ!」というメッセージを、ぜひ“魅せる”ようにしてください。
例として「声が小さい」と指摘されたのであれば、かなり大きめな声で話すようにしましょう。
そこで先輩講師から「声を大きくしたほうがいい、と言ったけど、少し大きすぎだよ!」と苦笑されるようであれば、評価は高まっていると判断していいでしょう。
2、生徒とのやり取りから学ぶ
いくら模擬授業を重ねても、実際の授業とは違う部分はたくさんあります。
その最たる例が、生徒とのやりとり。
ですから、実際の授業では生徒とのやり取りから「何がわかり、何ができないのか」をしっかりつかみ取ってください。
先生からすれば簡単だと思うことも、案外生徒はつまずくものです。
生徒が間違えがちなポイントをしっかりつかむことができれば、ベテランの仲間入りということになります!
3、先輩講師に感謝を伝える
研修を担当してくれた先生には、必ず一度お礼を述べるようにしましょう。
研修後に「先日はありがとうございました」と言ってもらえるケースは少ないです。
だからこそ、一言伝えるだけでも心象は大きく変わります。
教員室や出社・退社時に、さらっと伝えるようにしましょう。
最後に、ポイントをおさらいしましょう。
模擬授業は事前準備が何よりも大事であるので、入念に教案を作りこみ、練習する
当日は常に見られている、という意識を持つ
後日、成長している姿を見せることができれば好印象につながる
次回(最終回)では、実際にあった質問をもとに、今までのおさらいをしていきたいと思います。
最後までぜひお付き合いください!
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