いよいよ受験シーズン本番が迫ってきましたね。
以前、別記事でも何度か説明させていただいたことがあるのですが、塾としては受験シーズンは、試験本番に
臨む生徒の最後の後押しをする時期であるだけでなく、来年度に向けての新体制を整えなければならない時期
でもあります。
内部生だけでなく、来年度の新受験生を募集するPR活動を行うであったり、
自習室の個人机用の電球が切れてしまっており、それを交換する。
新しい授業用のホワイトボードを発注したりするなど実は大きいことから小さいことまで何かとやることが
多い時期であると思います。
しかし、その中でもやはり大事なのは塾の商品である「授業」を提供するために
信頼できる講師を確保すること
でしょう。この時期異動であったり、学生講師であれば就職などで辞めてしまう講師が出る時期だからです。
つまり、新年度の新人講師の募集の求人がとてもかかりやすい時期でもあるのです。
この春新年度から塾講師を仕事として、もしくはアルバイトとしてやろうかなと考えている方も
いらっしゃることでしょう。
筆者も、塾講師を務めていたのですがとてもやりがいのあって自分自身の成長にも繋げられる素敵な
お仕事です。是非今春から塾講師になろう、なりたいと思っている方にはトライしてみる事をお勧めします。
入塾する際には、まず講師向けの試験を受け、教室運営者の方と面接をして採用となるのですが、
その後、入社手続きが行われます。
筆者は大学で教育学部に通っていたので、友人などにも塾講師をしていた人がたくさんいたのですが、
入塾後に教室への不満をいだいてやめてしまう人も中にはいました。
さらに言えば、その数は意外と少なくないものだったのです。
驚いたことにそうした人たちは生徒をとても可愛がり、授業そのものにやりがいを感じているにも
かかわらず、辞めてしまっていたのです。
理由は後ほど詳述しますが、どのような不満を持って辞めていったのかということも含めて本稿では
後々の不満を予防するために、入社手続きの際に、確認しておきたいこと
について、ご紹介いたします。
どのような事でトラブルが起こるのか
さて、まずはどのような事で新人の講師は塾、もっと具体的に言えば運営者の方などとトラブルになって
しまうのでしょうか?
筆者の経験上、これは大きく以下の2点であると考えています。
①給与面
給与面については、色々な意見がありますが、その中でも特に共通しているのは
「塾講師は高時給だと思っていたけれど、始めてみると時間外労働が多すぎて納得出来ない部分がある」
という感想を抱いている人が多いことです。
例えば、授業を行うためには講師は教えるために深い教材研究を行わなければなりません。
その時間は慣れてくると軽減できるのですが、授業の時給というのはこうした時間も含まれているために
高く設定されているのです。なのでこれは講師の側が本来覚悟しておかなければならないことです。
それに対し、非常にグレーゾーンなのが、授業とは直接関係のない時間外労働を任された時です。
例えば、筆者が務めていた塾では、中学校・高校の中間・期末テスト対策プリントを作るように義務付けられていました。しかし、これに関しては時間が1時間以上かかりましたが、給料は設定してもらえませんでした。
②シフト面
給与面の次に最も多く起こる問題といえばやはりシフトの問題です。
塾講師に限らないことですが、基本的にお仕事というのはお金をもらう以上、それに対する
「責任」が生まれます。
私用で仕事を休むということはまず許されないことですし、生徒にとっても講師へだけでなく、塾そのものへの信頼を失います。
なので、授業の時間などは基本的にしっかりと決められた固定の時間割を守るようにしなければ
なりません。
しかし、業務上致し方のない理由で突然「研修」の日程が決まることも有ります。
講師にも様々な事情があるので筆者もこれはどうかとも思うのですが、こうした際にも、仕事である以上私用で休むことは許されない事もあります。一般的な企業でも、突然会議が翌日の15時から行うことが前日に決まったりするというのはよくあることなのです。
ここで、新人講師が「その日はすでにサークルのイベントが入っておりまして・・・」という事を述べると反感を買ってしまうことがあり、トラブルの種となってしまいます。
入塾後によくありうるトラブルを主に2点説明させていただきました。
実際にすでに勤めている講師の方も全く同じではなくとも、似たような経験をしたり、このような光景を
目の当たりにしたことはあるのではないでしょうか?
これらのトラブルを完全に無くすとまでは言いませんが、入社手続きの際にある事をしておくだけで
その後の予防に大きな効果を発揮できます。以下その方法についてご紹介します。
給与面について
給与面について上記のような事が起こらない、或いは事前に明確にしておくために必要な事をご説明します。
給料というのは実は入社手続きの時が質問することが出来る最初で最後のチャンスといえるかもしれません。
すでに他の仕事をしたことがある方はご経験がお有りだと思うのですが、働いてから日数が経てば経つほど
こと給料に関しては質問がしづらくなります。
もちろん、講師の方にはちゃんと働いていれば(正確にはそうでなくとも)このことに関しては聞く権利は消えません。生活もかかっているのですから本来しっかり追究すべきこととも言えるでしょう。
しかし、具体的な場面を想像してみてください。例えばしばらく働いてから、上司に対して
・「そろそろ昇給の時期ではないですか?」
・「頂いたお仕事はかなり時間外労働の手間がかかりましたが、給与は発生しますか?」
・「授業が急遽なくなった場合は、何か保証はありますか?」
と聞くことが出来る方はいるでしょうか?もちろん、労働者がこのような質問を行うことは禁じられていません。しかし、実際に面と向かって聞くとなるととてもハードルが上がります。
とはいえ、聞いておかないとそのままなあなあにされてしまうかもしれません。
そこで、入社手続きのタイミングを利用するのです。入社手続きの際には印鑑を持って行き、契約書にサインをするので、その際に必ず給与の事についても説明がされます。
そのタイミングで予め以下の様な質問をしておくだけでその後の対策を双方に練ることが出来ます。
・「募集の際に”昇給あり”と書いてありましたが、どのくらいのスパンで昇給は出来るのでしょうか?」
・「テスト対策のプリント作成など授業以外の時間に労働が発生した場合給与等は考慮して頂けるので
しょうか?」
・「(個別指導等の場合)生徒が急遽休んで仕事がなくなった場合何か補償はありますか?」
・「給与明細は毎月何日にいただくことが出来ますか?」
こうした質問をしておくだけで、その後もし何か疑問点などが合った場合に
「入社手続きの際には~という説明をしていただきましたが、その点をもう一度ご説明いただけないでしょうか?」
という前後のつながりができるため、質問が格段にしやすくなるのです。
シフト面
次はシフトについてです。大学時代をお過ごしになった講師の皆さんはご経験があると思うのですが、
就職活動や教育実習、大学の新年度オリエンテーションなどでどうしても塾の授業のシフトを守れない事は
有りますよね。
そうした際に、教室運営者の方と出来る限りしっかり双方に合意をするためには何を入社手続きで確認すればよいのでしょうか?
考え方としては、先ほどの給与面と同じです。
・「もし、大学の授業や就職活動などでシフトを守れない事がある場合、どのくらい前までにご相談すれ
ばよいですか?」
この一言があるかないかだけで、その後のシフト面での問題は大きく柔軟性をもたせられます。
ここで「1月前」という指令を受けたとすれば、「1月以上前」に相談をしておけば、きちんと約束を守った
事になります。
ちなみに、ちょっとしたテクニックですが、相談する際は「1月半後の〇〇日のシフトは、教育実習のオリエンテーションがあるため休ませていただきます」よりも、
「1月半後に教育実習のオリエンテーションがあるので欠席を頂きたいのですが、他に代講の予備日はございますか?」
という代案を提示し、疑問形を使って相談を持ちかけるほうがより相手に誠意が伝わります。
是非こうした方法も用いてみてください。
まとめ
本稿では入塾後のトラブルを避けるために、入社手続きの際に確認しておきたいことをお伝えしてきましたがいかがだったでしょうか?
塾の業界はサービス業であるからか、「塾講師はお金で動く仕事ではない」と研修の際に説明を
受けたりするのですが、塾講師も一労働者です。
給料やシフトのことで教室側もしっかりと誠意ある対応をしなければ講師が不満を抱く可能性は、
常にあるのです。
不必要なトラブルを避け、日頃の授業実践、そして目の前の生徒に集中していただきたい、そうした思いから
本稿を執筆させていただきました。
以上です。ここまで長文ご精読ありがとうございました!
こちらで紹介したこと以外にも確認しておくべき事項はまだまだあります!
それをチェックしたい方はこちら!
編集部おすすめ記事
塾講師ステーションならではの高時給求人も!!
バイトを選ぶ基準はこんなにたくさんあった!?!?後悔しないバイト選びに!!
生徒のタイプ別の接し方や授業の進め方まで!これを読めば悩みが解決するかも!