センター試験英語の英文法の問題で1番よく出るのは・・・
塾講師がより良い授業をするためには、当然、講師自身の学力が必要に必用になってきます。
ただ、それだけではありません。より良い授業をするためには、日々過去問の研究をしなくてはなりません。
過去問(過去の入試の出題実績)の研究をし、頻出分野を明らかにする必要があります。そして、授業では、明らかになった頻出度が高いものを特に強調して伝えてあげる方が説得力があります。
つまり、授業で、もっとも伝えなければならない重要なものは、教科書の太字ではなく、過去問の最頻出事項であり、たとえ教科書が太字であっても、出題頻度が全然ないものに関しては、あまり長い時間は割く必要がないということになります。
しかし、そうは言っても、過去問を見る時間がなかなか無い講師の方々もいらっしゃると思うので、
今回は、センター試験の英文法の過去の出題実績から、出題頻度が高い項目を皆さんに教えてしまおうと思います!
もくじ~センター試験英語頻出文法~
第1位 時制
過去約15年のデータを基にすると、センター試験の英文法の問題で1番出る単元は、時制です!
どのくらい出るかというと、ほぼ毎年出ているようなペースです。
つまり、塾講師のみなさんが、時制を教える際には、「毎年出てるから、絶対にマスターしようね!」などと声をかけてあげることがベストだと思います。
そして、その時制の中でも特によく出るものが、
過去の時制の一致次いで副詞節中は未来の内容でも現在形にする
この2つです。
・過去の時制の一致は、今年(2015年1月実施)のセンター試験本試験でも出ていました。
その問題を例に挙げてみると、
Q, The manager said his team ( A ) win the soccer league and they actually did ( B ) season.
①A: will B: next ②A: will B: the next
③A: would B: next ④A: would B: the next
主節の動詞が過去形ならば、従属節の動詞、または助動詞が[現在形→過去形]になるというのが過去の時制の一致なので、主節の動詞が[said]と見えた瞬間に、Aには[would]が入ることがわかる、という問題です。
ちなみに、Bには[the next] が入ります。
・副詞節中は未来の内容でも現在形の問題は、2012年に出題されています。
Q, Ms.Bell is stuck in a traffic jam. The important meeting will have finished by the time she ( ).
①arrives ②may arrive ③will arrive ④will have arrived
主節は[The important meeting will have finished]、副詞節は[by the time she ( ).]です。
訳してみると、「彼女が到着するまでに、重要な会議は終わっているだろう。」
副詞節中は未来の内容ですが、時制は現在形にしなくてはならないので、①を選ぶ問題です。
時制では、主にこの2つが狙われやすいですので、
特に受験生を指導している講師陣は、徹底的に教えてあげてください。
過去の出題実績
過去の時制の一致→2009年本試験、2004年本試験、2003年本試験、2002年本試験など
副詞節中の現在形→2012年本試験、2002年本試験、2001年本試験など
時制についてさらに詳しく知りたい方はこちら!
第2位 動詞の語法
時制と同じくらいよく出るのは、動詞の語法です。
動詞の語法は、わりと幅広いので、一概に「どこどこが出る」とは言えませんが、
比較的有名どころが出やすいです。
例えば、2009年度センター試験本試験で出た問題で、
Q, I don’t think we can come up with a solution to the problem, however long we spend ( ) it.
①discussing ②talking ③to discuss ④to talk
まず、重要な語法の1つが、
【spend+時間+(in)+~ing 「~するのに(時間などが)…かかる」】
というもの。
もう1つが、
【discuss O「~を話し合う」(他動詞)】と、【talk 「おしゃべりする」(自動詞)】
の違いです。
discussは、私大などでも[discuss about ~]という間違った選択肢にされたりすることが多い単語です。
また、その前年の2008年のセンター試験本試験の問題でも、
Q, The catalog ( ) that this year’s model is slightly cheaper than last year’s.
①says ②speaks ③talks ④tells
のように出ています。
全部「言う、話す」という意味ですが、直後に目的語が来ていること、主語のthe catalogが、
that以下の内容を伝達していることの2つから①を選ぶ問題ですね。
このように、同じ日本語でも意味、使われ方が違うものを選ばせる問題が出ます。
そして、同じ日本語でも意味、使われ方が違うものの代表ともいえるのが、使役動詞です。
日本語にすると「…に~させる」となりますが、意味や使い方が異なってきます。
【使役動詞】は、数年に1度のペースで出題されていますし、今年度のセンター試験にも出題されました。
せっかくなので、今年の問題を見てみると、
Q, Scott went to the police station because he ( ).
①caused his computer stolen ②got stolen his computer
③had his computer stolen ④was stolen his computer
【have + O + 過去分詞(C) [OとCが受動関係]】で、過去分詞がマイナスイメージの動詞の場合、「被害」を表すことがあるので、答えは③です。
この使役動詞の、【have + O + 過去分詞】は2004年度センター試験本試験でも出題されています。
動詞の語法は、ピンポイントで「ここが出る」と言えませんが、ほぼ毎年出題されている範囲なので、
生徒には、コツコツ勉強させるようにしたいですね。
使役動詞→2012年本試験(let)、2006年本試験(have+O+原型)、2004年本試験(have+O+過去分詞)
第3位 仮定法
次に、出題頻度の高い分野は、と「仮定法」です。
ただ、上の時制や動詞の語法と比べると、出題頻度はかなり落ちます。
しかし、大事な分野であり、かつ、多くの高校生が苦手にしやすい分野なので、過去問の出方を見て、解決策を模索してみてください。
仮定法は〇〇の形を問われる!!
センター試験の過去の出題データから、仮定法は、【仮定法過去完了】の形が答えになることが非常に多いです。
イカサマというか、あまりよろしくはない考え方ですが、僕自身生徒には、
「センター試験の英文法で、仮定法の問題だとわかったけど解けない問題は、とりあえず、【仮定法過去完了】を選んでおきなさい。」
と言っています。
もちろんこれは、「そこで考えているのはもったいないから、1回最後まで問題を解いて、終わったら、もう1度戻って考えなさい」という意味合いで言っていますが、上記のようなことを言えるくらい、仮定法過去完了の形で出やすいことは、講師のみなさんも知っておいてほしいですし、生徒には仮定法過去完了をしっかり教えてあげてください。
2005年度センター試験本試験の問題です。
Q, David was badly injured in the accident. If only he had left home five minutes eariler, he ( ) involved in it.
①was ②was not ③would have been ④would not have been
1文目と2文目の従属節から仮定法過去完了であるとわかり、Davidは実際には事故に巻き込まれているので、③ではなく④を選ぶ問題です。
仮定法過去完了→2011年本試験、2010年本試験、2005年本試験、2004年本試験など
ifを使わないの、仮定法!?!?!
意外と多いので要CHECK!
その他の分野の出題傾向と対策
センター試験の英文法の問題は「基本的な内容をまんべんなく」出している試験だと思います。その中でも、よく出る分野が上記のようになっています。
そのため、残りの分野は、どれも同じくらい出ていると考えてもらっていいと思います。ただし、その中でも、「ある分野の問題は、こういう出題の仕方をする!」というものがあるので、それを最後に紹介したいと思います。
「分詞」で問われるのは、分詞形容詞
【分詞】という単元の出題頻度は普通ですが、ほとんどの問題が分詞形容詞です。
分詞形容詞の説明よりも、まずは過去に出題された問題を見てみましょう。
Q, It ( ) for Mary to learn that her bike had been stolen.
①has shocked ②shocked ③was shocked ④was shocking
2007年度センター試験本試験の問題です。
今回の選択肢であるshock「~にショックを与える」などの他動詞が、shockedやshockingの形になり、形容詞扱いされるようになったため、分詞形容詞という名前になったそうです。
主に、感情を表現する動詞が多いです。
ちなみに解き方は、
感情を抱く人が主語→~ed
感情の原因が主語 →~ing
というのがわかっていれば、本問は、Itがfor以下を指しているので、主語が感情の原因とわかるので、④という問題です。
自分の生徒の中にも、頭がぐるぐるして、なかなか理解できない子がいますが、このように例題などを出してあげると、理解が早まるかもしれません。
分詞形容詞→2007年本試験、2004年本試験、2003年本試験など
「助動詞」は、【助動詞+have+過去分詞】の形が多い!
仮定法の時に、イカサマな指導法があるといいましたが、助動詞も似たものがあります。
助動詞の問題の多くは、 【助動詞+have+過去分詞】のパターンが多いようです。
これも先に例題を見てみましょう。
Q, My brother ( ) have been very popular when he was a high school student. He still gets lots of New Year’s cards from his former classmates.
①must ②ought to ③should ④would
この問題に関して言えば、【助動詞+have+過去分詞】の助動詞の部分だけが空所になっていますね。
②≒③より、②③は違うとわかり、文脈より①を選ぶ問題です。
繰り返しになりますが、センター試験では、助動詞は【助動詞+have+過去分詞】の形が頻出です。
出ているところは、徹底的に教えてあげましょう。
助動詞+have+過去分詞→2013年本試験、2001年本試験、2000年本試験
助動詞の詳しい説明を見たい方はこちら!!
以上が、センター試験の英文法問題の傾向と対策でした。
講師の方々は、この情報を元に、生徒がより「本番で点数がとれるようになる」授業を心掛けていってください。
ありがとうございました。
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