プレートとは??
今回はプレートについてさっとおさらいしていこうと思います。
なんとなく理解していても、細かいところまでは忘れてしまっているのではないでしょうか??
What is プレート!
ポイント
プレート:地球の表面を覆う十数枚の硬い岩盤
プレートテクトニクス:プレートの動きが地震や火山活動を引き起こすという考え
プレートとは何だったでしょうか?
なんとなくはわかっている人も多いと思いますが、ここできちんと押さえましょう!
地球の表面を覆っている十数枚の硬い岩盤、でしたね!
いくつかの凍った氷が、海上にうようよ漂っているイメージを持ってもらえるとわかりやすいと思います。
(氷がぶつかったり離れれば、例えばひびが入ったり割れたりしますよね?)
プレートも同じです!
プレートがぶつかったり離れたりすることで、さまざまな現象が起こります。具体的には地震や火山の噴火が起こります。
こうした、プレートの動きによって地震や火山活動が起こると考えることを、
プレートテクトニクスといいます。
なんとなく思い出してきましたか?
プレート境界で起こること
ポイント
離れる境界
中央海嶺:海洋でマグマが冷えて固まるプレートの生産境界
→震源の浅い地震が発生
地溝帯:陸上でプレートが広がる境界
近づく境界
島弧―海溝系:海洋プレートが陸上プレートに沈み込む。海溝・島弧を形成。
大山脈:陸上プレート同士が近づいて形成される。
すれ違う境界
トランスフォーム断層 Ex. サンアンドレアス断層
日本周辺の4つのプレート
大陸プレート:ユーラシアプレート(西)、北アメリカプレート(北)
海洋プレート:太平洋プレート(東)、フィリピン海プレート(南)
では、プレートがぶつかったり離れたりすることで何が起こるのか?
しっかりと整理していきましょう。
まず、プレートの境界には3種類ありました。
(2つはすぐ思い出せますが、最後の1つがなかなか…。)
確認していきましょう!
1.離れる境界
まず、プレート同士が離れていくという動きがあります。
この動きが中央海嶺を作ります。
中央海嶺は海の中の山脈と言えます。
この中央海嶺の下では常にマグマが形成されています。
離れてできたスキマからマントル物質が上昇してくるイメージを持ってもらえればいいです!
そしてそのマグマが冷えて固まると、あるものができます。
それこそが、プレートです!
冷えて硬い岩盤となります。
中央海嶺はプレートの生産境界だと言えますね!
また、中央海嶺でプレートが離れることによって、地震が発生します。
左右に離れる際に、岩盤に力がかかるため、震源の浅い地震が発生するのです。
海洋でなく陸上でプレートが広がると、地溝帯と呼ばれる地形が作られることも、さらっと確認しておきましょう。
2.近づく境界
離れる境界(中央海嶺)でできたプレートが消滅するのが近づく境界です。
この近づく境界には2種類あります。
・海洋プレートと大陸プレートが近づくもの
・大陸プレート同士が近づくもの
があります。
まずは、海洋プレートと大陸プレートか近づく場合を見てみましょう。
a. 海洋プレートと大陸プレートが近づく境界
さて、まず海洋プレートと大陸プレートはどちらの密度が大きいでしょうか?
(3秒考えてください!)
…はい! 答えは、海洋プレートです!
なぜでしょうか?
前回記事【必読】スマホでさっとおさらい! 地学 #1 ~地球の外部と内部~
に書いたことを思い出してください。大陸地殻と海洋地殻を構成する岩石はなんだったでしょうか?
大陸地殻:花こう岩質岩石(上)+玄武岩質岩石(下)
海洋地殻:玄武岩質岩石
でしたね!
玄武岩の密度は花こう岩の密度よりも大きいのです。
ですから、海洋にあるプレートの方が密度が大きいと言えます。
また、海洋プレートは移動し冷えていくことで、密度が大きくもなります。
そして、こうした海洋プレートが大陸プレートの下に入り込んで近づいていく境界が海溝です。
上に乗っかっている大陸プレートは島弧を形成します。
海溝に沿って弓なりに島が並んでいるものを島弧と言います。
この具体的な例が、日本です。
まさに、本州という大きな島を代表に島が並んでいます。
またここまでのことから、
プレートは中央海嶺に近いものが新しく、海溝に近いものが古いと言えてしまいます!
次に大陸プレート同士が近づく境界を見てましょう。
b. 大陸プレート同士が近づく境界
さて、大陸プレート同士がぶつかるとどちらが沈み込むでしょうか?
…どちらも沈みません!お互いが同程度の密度を持つからですね!
この結果、大山脈が形成されます。エベレストを有するヒマラヤ山脈がそのよい例です。
以上のように、島弧や大山脈が作られる場所を造山帯と言います。
お察しの方もいると思いますが、このようにプレートがぶつかり、
耐えられなくなり破壊されて生じるのが、地震ですね!
地震については別の回で見ていくことにして、3つ目の境界についてみていきましょう。
3. すれ違う境界
先ほど見た、プレートが広がる境界では境界同士が横にずれることもあります。
こうした動きで生じる境界をトランスフォーム断層といいます。
2つのずれた海嶺を想像してください。
仮に左側の海嶺をX、右側の海嶺をYとしましょう。
どちらも引っ張られて、はなれていきますね。
海嶺Xの右の部分は海嶺Y側に、海嶺Yの左の部分は海嶺X側に引っ張られていきます。
すると、ここで方向の違いが生じてきます。
← X →
ココ!
← Y →
簡単に示すと上のようになります!
つまり、異なる海嶺のから生じるプレート同士がズレを起こすわけです。こ
のズレにより生じるのがトランスフォーム断層と呼ばれます。
このズレにより、震源の浅い地震が発生します。
代表例としてサンアンドレアス断層がありましたね!
(覚えておくのはこれだけで十分でしょう!)
以上が3つの境界です!
確認できましたでしょうか?
日本周辺のプレート
日本列島周辺のプレートもさらっと確認しておきましょう。
北海道や東日本の下にある北アメリカプレート、
太平洋に広がる太平洋プレート、
日本列島の南側にあるフィリピン海プレート、
西日本から中国大陸にかけて広がるユーラシアプレートがあります。
北アメリカプレートとユーラシアプレートは大陸プレート、
太平洋プレートとフィリピン海プレートは海洋プレートになります。
ホットスポット
ポイント
ホットスポット:火山が列状に展開
→プレートの動く速さも計算できる
Ex. ハワイ
ホットスポット、覚えていますか??
(熱そうですね!実際熱いです!笑)
マントルの深部から、高温物質が上昇して火山活動が点状に展開されます。
これが、ホットスポットです!
ホットスポット近くでは火山が列状に展開されるのですが、なぜでしょうか?
それはプレートが動いているからです。
ホットスポットが固定され、プレートだけ動けば、列状に火山が展開していきますね。
高温物質が供給された場所からずれると、火山活動を停止した火山が形成されます。
これらと火山活動が起こっている火山がどのような向きで並んでいるのかで、プレートの動く方向が分かります。
例えば、ホットスポットの左に火山が形成されていれば、プレートは左側に動いていることになります。
そして、有名なホットスポットの例が、日本人が大好きなハワイですね!
また、これらのホットスポットの動いた距離と、噴火した時期を調べることによってプレートの動く速さまでわかってしまうのでしたね!
だいたい、年間で数cm動いています!
さて、ここで復習として1問解いてみましょう!
問 プレートの境界について述べた文として誤っているものを、次の①~④のうちから一つ選べ。
① すれ違う境界は、陸域と海域のどちらにも存在する。
② 世界の活動中の火山は、近づく境界あるいは離れる境界のいずれかに沿って分布する、
③ 近づく境界と離れる境界に沿って活動的な山脈や海嶺が形成されている。
④ 3種類のプレートの境界のいずれにおいても地震が起こる。
H26 追 第一問 問6 改題
誤っているものを見つけるときは、これは間違いなく誤っている!と確信が持てるまで、選択肢を決めてはいけないですね!
裏を返せば、すべての選択肢がなぜあっているかを説明しなくても、なぜこの選択肢が明らかに違うのか、ということが説明できればいいわけです!
グレーゾーンはいったん放っておいて、明らかにクロなものを捕まえる、ということです。
さて、正解は…?
②です!
ホットスポットにも火山は形成されますよね!
他の選択肢がなぜ合っているのかを考えなくても答えは出せるので、誤りを見つける問題は意外と楽に解けます!
最大の難関は、誤っているものという記述を読まずに問題を解いてしまうことでしょう!
そこはくれぐれも注意するように指導していきましょう!
おわりに
いかがでしたでしょうか?
このプレートに関することはセンター試験頻出です!ぜひ、重要だということをきちんと伝えて授業を展開して頂ければと思います!
次回は、マントルの運動と地震について見ていきます!