※あくまで、塾講師の方が「教える前に、さらっと見直してもらう」ために作りました!
(そのため、このシリーズでは画像の使用を抑え、重要な箇所をわかりやすくまとめています!)
の部分だけを見れば、一気におさらいができる作りにしてあります。
マントルの動きと断層
リソスフェア・アセノスフェア、プルーム
リソスフェア・アセノスフェアについてまずは見ていきましょう!
なんとなく覚えているけどあやふやな人もいるはず…。
ここでしっかりおさえましょう!
またマントル対流によるプルームについての理解もさらっとしちゃいましょう!
リソスフェア・アセノスフェア
リソスフェア=プレート →地殻+上部マントル
アセノスフェア≠マントル ※リソスフェア(上)+アセノスフェア(下)
コールドプルームとホットプルーム →マントル対流が発生し、プレートの運動を引き起こす。
前項、スマホでさっとおさらい! 地学 #2 ~プレート~では、
プレートについて学習しましたが、
プレートは別の分類ではリソスフェアと呼ばれます。
そして、リソスフェアの下には高温で流動しやすいアセノスフェアが存在しています。
リソスフェアがアセノスフェアの上を動いています。
リソスフェアは地殻とマントルの上部から形成されているのですが、ここで注意!
地殻とマントルの境界は…?
モホロビチッチ不連続面でしたね!
地殻は花こう岩質岩石と玄武岩質岩石から、
マントルはかんらん岩質岩石からできていることから、岩石の種類の違いで両者を区別していました。
ですが、リソスフェアとアセノスフェアの境界は、硬さの違いによって生じます。
リソスフェアはプレートなので当然硬く、アセノスフェアは軟らかいのです。
ゆえにリソスフェアは地殻と上部マントルから構成されているといえます!
ちなみに、プレート≠地殻であることにも十分注意しましょう!
・岩石の種類で分けているのか
・硬さで分けているのか
というのは、差がつくポイントだと思います。
きちんと、丁寧に説明する必要があります。
プルーム
マントルは長い時間をかけて、上下に対流しているのです。
上昇流の部分をホットプルーム、下降流の部分をコールドプルームと呼びます。
ホットプルームが起こるのは主に中央海嶺やホットスポットがあるところだとされています。
対してコールドプルームは島弧―海溝系でプレートが沈み込んだ先に起こると言われています。
このマントル対流によってプレートの運動が引き起こされます。
さて、地震について学ぶ前にここでおさらいの一問を解いておきましょう!
問 マントルの流動性と関係する現象について述べた文として誤っているものを、次の①~④のうちから一つ選べ。
① アセノスフェアは、海洋地殻とマントルの境界部にあり、リソスフェアよりも流動性が高い。
② 大陸上にあった氷床がとけると、その下の地殻はマントルの流動を伴って隆起する。
③ 大陸地殻は、高密度で流動性があるマントルに浮いているので、標高が高い地域はモホロビチッチ不連続面が深くなる。
④ マントルは流動性があるため、長い時間をかけてゆっくりと対流運動をしている。
H24 地学Ⅰ 第一問 問2 改題
マントルの流動性についての問題ということで、まさにいい復習の問題ですね!
(いい問題だな!と思ったら、ぜひそのまま授業に活かしちゃってください!)
さて答えは…?
①です!
アセノスフェアは海洋地殻とマントルの境界…ではありませんね!
これはモホロビチッチ不連続面です!
リソスフェアとアセノスフェアの境界は硬さの違いでしたね!
(誤っているものはほかの選択肢がなぜ合っているのかがよく分からなくても、決定的に誤っているものをひとつ見つけてあとはマークしてしまえば点数になります!
全ての選択肢がなぜ合っているか、間違っているかを1つ1つ解説するのも確かに大事でしょう。
ですが、時間もなく、特に地学は十分に時間を割くことができる科目でもないと思います。ですから、点数が取れるために最も良い解法はなにかを考えて教える必要があると思います!
生徒さんが高得点を取るためにはどう教えれば、どう解き方を解説すればいいかを考えることも大切だと思います。)
断層
正断層:上盤が下にずれ込む
逆断層:上盤が上にずれ込む
横ずれ断層:右と左の2種類
余震域は断層の分布とほぼ一致
日本人は地震とは切っても切り離せない関係にいますね。
ですが一口に地震と言っても様々な種類があります。
地震大国にいるわけですから、受験勉強という枠だけでなく一教養として、地震について深く理解しておきましょう。
その前にまずは、地震に深く関連する断層について!
3つの断層
地震は地下にある岩盤の破壊によってひきおこされる大地の揺れです。
この岩盤の破壊によって生じたズレが断層と呼ばれます。
何の変哲もない岩盤を思い浮かべてみてください。
この岩盤には常に力がかかっていますね。
プレート運動が主なその原因であったりします。
このように岩盤に力がかかると、変形してゆがみが生じてしまいます。
このゆがみに耐えられなくなると、岩盤は破壊されます。
この際生じるズレが断層ですね!
この後すぐ解説する断層の種類以外にも、マイナーな断層区分があります。
それは、地震を発生させた震源断層と地震の際に地表に現れた地震断層です。
気にして歩いていると、たまに断層を見かけることがあるのですが、これは地表に現れているので、正確には地震断層なのですね!
この破壊により断層だけでなく揺れも生じます。
これが地震波となって地震を引き起こすのです。
さて断層の種類をまずはささっと確認しちゃいましょう!
上盤と下盤
さて、正断層自体の説明の前に確認しておかなければならないことがあります。
上盤と下盤です!非常に簡略的ですが、下の図をご覧ください。
地表
\
下 \ 上
\
地下
このように断層がある際、地表側のものが上盤となり、地下側のものが下盤となります。
傾きが逆であったとしても、とにかく地表側が上盤、地下側が下盤です。
さて、これらをまず復習してしまえば、あとは楽チンです!
①正断層
岩盤が引っ張られるときに生じます。上盤がずり下がり、下盤がずり上がります。
上盤が重力に従って落ちるときは正断層、と覚えても大丈夫です!
②逆断層
岩盤が圧縮されるときに生じます。上盤がずり上がり、下盤がずり下がります。
上盤がこのときは重力に逆らっているので、逆断層ですね!
③横ずれ断層
これが一番分かりにくいやつだと思います。
これは上盤、下盤は関係ない断層です!
上記2つの断層は地面を横から見ていましたが、この断層は地面を真上から見る必要があります。
菱餅を思い浮かべてみて、3色見えるほうではなくて、上から見て1色しか見えない場合を考えてみると分かりやすいかと思います!
上から見た地表に左右から押されて力が加わるとどうなるでしょうか?
地表に切れ込みが入り、ずれてしまうのです。
こうしてできた断層が、横ずれ断層です。
さらに、横ずれ断層には、右横ずれ断層と左横ずれ断層の2種類が存在します。
ではこの区別はどのようにするのでしょうか?
自分が断層で割れる予定の地表の一方に立ったと仮定してください。
もう一方に仲のいい人を立ててみましょう。
断層が起き、友達が右にズレたら右横ずれ断層です。反対に左にズレたら左横ずれ断層です。
以上が3つの断層の解説となります。お分かり頂けたでしょうか?
余震域とは
あまり聞き慣れない言葉ですね。
個人的な感想ですが、あまりセンターでお目にかかることはなかったように思えます。
大きな地震(これを本震といいます)が起こると、
その後、本震の起こったところの近くで小さな地震が数多く起こります。
これを余震と言います。
東日本大震災の際も、3月11日の後たくさんの余震が起きましたが、
あれほど大きな地震ですと、余震も大きいものになるのでしょう。
こうした、余震が起こる地域を余震域と言うのです。
そして、この余震域は地震が起こした断層のある部分と非常に似ているのです。
言い換えれば、余震の分布さえわかれば、断層の分布が分かってしまうのです。
さて、断層の復習をいつものようにセンター試験の過去問でしていきましょう!
地層や岩石は、大きな力を受けると、さまざまな変形を示す。おもに水平方向の圧縮の力で生じる変形には[ウ]や[エ]などがあり、引っぱりの力で生じる変形には[オ]などがある。
[ウ] [エ] [オ]
① 褶 曲 正断層 逆断層
② 褶 曲 逆断層 正断層
③ 侵 食 正断層 逆断層
④ 侵 食 逆断層 正断層
H21 地学Ⅰ 第一問 問5 改題
さて、急に褶曲と侵食というワードが出てきました!ですがここで焦らずに!
答えは…?
②です!
圧縮されれば、当然曲がりますよね!これで[ウ]は褶曲です。
この時点で、①or②にしぼれます。
圧縮で生じるのは、正断層と逆断層どちらだったでしょうか??
忘れてしまっていたら、頭の中で想像もしくは書いてみましょう!
(地学は書いてみると忘れてしまっても答えが出せることが往々にしてあるので、書いて確かめることの大切さもきちんと教えていきましょうね!)
圧縮で生じるのは逆断層、引っぱりで生じるのは正断層です!
もちろん、余白に書いて上盤の動きを確認するのも大事ですよ!
おわりに
マントルの運動と断層、さらっとおさらいできましたでしょうか?
地震は本当に日本人に身近で、それに関連する今回のテーマも問題となることも多いかと…!
しっかりとおさえておきましょう!