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スマホでさっとおさらい! 地学 #4 ~地震~

高校生

2021/12/17

※あくまで、塾講師の方が「教える前に、さらっと見直してもらう」ために作りました!

 (そのため、このシリーズでは画像の使用を抑え、重要な箇所をわかりやすくまとめています!)

 
の部分だけを見れば、一気におさらいができる作りにしてあります。

 

地震

普段は深く意識しませんが、マグニチュード震度は全く別物だったということは覚えていらっしゃるかと思います。

 

では、初期微動継続時間、覚えていますか??

なんとなく覚えている…では急に質問されたときに大変ですね!

 

 

というわけで、さらっと確認しちゃいましょう!

 

震源の決定

初期微動を起こすP波と主要道を起こすS波 →到着時間の差が初期微動継続時間

 

地震には2種類の揺れがあります。

最初に小さな揺れが来た後、大きな揺れが来ます。

地震が来るとき、これは自分の体で体感できることです。

この、はじめの小さな揺れのことを初期微動といい、後にくる大きな揺れを主要動といいます。

 

揺れについて確認しましたが、その揺れを引き起こすのは地震波です。

小さな揺れと大きな揺れをおこす地震波それぞれに名前がついているのですが、

覚えていますでしょうか??

・・・

 

 

 

・・・

 

 

 

・・・

 

 

これがP波S波でしたね!

 

PとQでないことに十分注意しましょう!

ちなみに、PはPrimaryのPでSはSecondaryのSなんですね!

こう覚えておくと間違えることもなくなりますが、センターでP波とあともう1つの波はなに?みたいな問題が出ることはまずないので、参考程度に通過しておきましょう。


初期微動を起こすのはP波、主要動を引き起こすのがS波です!

 

そして、P派が到着してからS波が到着するまでの時間、これこそ初期微動継続時間といいます。

P-S時間などと呼ばれたりもします。

 

 

震源距離

大森公式 D=kT (k=VpVs/Vp-Vs)
波の速さと時間が分かれば、震源がどこにあるのかというのも求めることができます。

よく、ニュースの上のほうに出てくる地震速報でも深さ30kmとか出てきますね。

そういった値を求めることができます。


そのまえに、まずは地震の発生に関わる場所の名称を押さえておきましょう。



地震が発生した点を震源、震源を地表へまっすぐ真上に伸ばした地表上の点を震央と呼びます。

震源と震央の距離を震源の深さ、震源から観測点までの距離を震源距離、震央から観測点までの距離のことを震央距離といいます。


どれも名前が似ていますが、すべてが違うものを表しているので、きちんと区別して覚えることが肝要です。

 

というわけでまずは、震源距離と初期微動継続時間の関連性について考えてみましょう。

距離=時間×速さですから、なんとなくお察しはつくと思いますが、確認しておきましょう!

 


距離・時間には言及されているので、決まっていない速さを決めます。

P波の速度をVp(km/s)とおき、S波の速度をVs(km/s)とおきましょう。

km/sは秒速~キロメートルのことですね。

また同時に、震源距離をD(km)、初期微動継続時間をT(s)とおきましょう。

 

まず、P波が地震発生から観測点に到達するまでの時間が簡単に求まります。

これをtpとおきます。

するとtp=D/Vpとおくことができます。

 

同じように、S波が地震発生から観測点に到達する時間をtsとおくと、ts=D/Vsとあらわせますね。

このtpとtsの時間の差こそが、初期微動継続時間Tとなります。

よってT=tp-tsとあらわすことができます。

T=ts-tp ⇔ T=D/Vs-D/Vpとなります。

 

これをまとめてしまいましょう。

 

 T=D/Vs-D/Vp
   =DVp-DVs/VpVs
   =D(Vp-Vs)/VpVs

と置き換えることができます。

 

また、
 D=T×VpVs/Vp-Vs

置き換えることもできます。

ここで、VpVs/Vp-Vs=kとおくと、D=kTとなります。

 

そう、これこそが大森公式ですね!

 

さて、これらが何を示しているかというと、

初期微動継続時間Tが長ければ長いほど、震源距離Dも長くなる、すなわち初期微動継続時間と震源距離は比例関係にあるということです。

当たり前っちゃ当たり前ですけれども、今一度整理しておきましょう!

 

また、初期微動継続時間kは大体6~8km/sに落ち着きます。

値がたくさん出てきてごちゃごちゃしますが、ひとつひとつ整理して計算すればなんということはないので、落ち着いて処理するよう指導していきましょう。

大森公式に関しては、kは何かというところまで覚えておいてほしいところです!

 

さて、ここで確認の意味も込めてセンターの過去問を解いてみましょう!

 

問 ある観測点での初期微動継続時間は2秒であった。地中を伝わるP波の速度が5km/s、S波の速度が3km/sであるとき、震源から観測点までの距離は何kmか。その数値として最も適当なものを次の①~⑤のうちから一つ選べ。

① 12 ② 13 ③ 14 ④ 15 ⑤ 16

H24 地学Ⅰ 第一問 問6 改題

まさに今回おさらいしてきたことを使う問題ですね!

 

・・・

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

・・・

求めるものは震源から観測点までの距離、すなわち震源距離Dです。

初期微動継続時間T=2ですので、kを求めましょう。

k=5×3/5-3なのでk=7.5となります。

よってD=kt=2×7.5=15となります。

答えは④です!

 

これらに付随して、震源距離Dを求めさせておいて、さらに震央距離や震源の深さなんかも答えを求めてきたりします。

 

そんなときは三平方の定理を用いてしまえば、解けてしまいます!

 

また震源・震央は3つの観測点からの震源距離がわかれば決定できてしまいます。

震源は、震源距離を半径とする半球を書き、交わった1点となります。

震央は震源距離を半径とする円を書き、交わった1点となります。

 

地震の大きさ

マグニチュード≠震度

日本で起こる3種類の地震→プレート境界地震/深発地震/内陸地殻内地震 

マグニチュード

マグニチュードについて説明していきます。

マグニチュードは、

地震によって放出されるエネルギーの大きさの目安となる数値のことです。

ニュースを注意して聞いていると、「地震の規模を表すマグニチュードは~」などと聞こえてくると思います。


マグニチュードが2大きくなるとエネルギーは1000倍になります。

マグニチュードが1大きくなると約32倍となります。

単純に倍になるのでないことに注意しましょう。

 

震度

これで、マグニチュードと震度の違いがはっきりしますね!

各地の揺れの強さのことを震度といいます。

これは気象庁が決めていることで、おそらく海外で震度といっても通じないでしょう。

震度は0~7まであり、5と6は強弱の区別があるので、10段階です。

 

 

日本列島で起こる地震

さて、

最後に日本列島で起こる地震について見ていきましょう!

 

以前も説明しましたが、

日本の北に北アメリカプレート、東に太平洋プレート、南にフィリピン海プレート、西にユーラシアプレートがあります。

海洋プレートである太平洋プレートは北アメリカプレートの下に潜り込んで、海溝を形成し、

海洋プレートであるフィリピン海プレートはユーラシアプレートの下に潜り込んでいます。

ここには南海トラフが形成されます。

トラフとは、海溝より少し浅い海底のくぼ地のことです。

しょぼい海溝と教わりましたが、これで意外と理解しやすかったので先生に感謝しています。

 

さて、一口に地震と言っても日本付近で起こる地震は3種類もあります。1つ1つ確認していきましょう。

 

プレート境界地震(海溝型地震)

海溝やトラフの近くのプレート境界の陸側で起こる地震のことです。

海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込んでいき、陸側のプレートは変形していきます。

その変形に耐えられなくなった大陸プレートが元に戻ってしまいます。

その時、海洋プレートに接している部分が壊されてしまい、地震が発生します。

巨大地震を引き起こすものであり、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災の正式地震名)もこのプレート境界地震に含まれます。

そしてこの地震が起こると、津波が発生することが多いです。

破壊され海底が変形してしまうからです。

 

②深発地震(海洋プレート内地震)

沈み込んでいる海洋プレートの表面や内部でプレートに沿って帯状に発生します。

沈み込んだところで起こるので、震源の深い地震が起こります。

 

③内陸地殻内地震(大陸プレート内地震)

海洋プレートが沈み込んで、大陸プレートは圧縮されます。

その結果、大陸プレート内で岩盤が破壊されてしまい起こるのがこの内陸地殻内地震です。

活断層の動きで発生することが多いです。

直下型地震ともいいますが、厳密には、直下型地震は都市の直下でおこった場合の地震を指します。

阪神淡路大震災で知られる兵庫県南部地震はこの地震によるものです。

 

最後にここまでやってきたことをセンターの過去問でおさらいしちゃいましょう!

 

問 地震に関して述べた文として最も適当なものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

① 大きな地震の前に、その震源域で多くの余震が起こる。
② 地震のマグニチュードが1大きくなると、エネルギーは約10倍になる。
③ 日本では、現在、地震計での計測をもとに、7を最大とする震度を決めている。
④ 地殻の隆起や沈降は、すべて地震により生じる。

H22 地学Ⅰ 第一問 問2

さあ、集大成の問題ですね!最後は正解したいところです!

答えは分かりますか?

 

・・・

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

・・・

 

(次に答えがあります)

③ですね!

 

①は、余震は大きな地震の後に起こる小さな地震のことでしたね!

②は、先ほどの約32倍の話を思い出してください!

④は、氷河の融解で隆起が起きたりするようですが、これは明らかに違う感じがしてしまいますね…。

 

③は間違いなく正しいので一発で③と選んでほしいところです!

 

おわりに

さて!今回の地震の回で地球内部のお話もおしまいです!

次回からは地球の内部についてのさらっとおさらいしていきましょう!

 

 

 

【スマホでさっとおさらい!シリーズ】

#1~地球の外部と内部~

#2 ~プレート~

#3 ~マントルの運動と断層~

 

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