今回は高校化学で扱う物質の分離法について紹介します。一部は中学入試でも出る範囲なので、確認しておいて下さい。
分離:混合物から目的の純物質を取り出す操作
精製:分離した物質から不純物を取り除いてその純度を高めること
濾過
濾過(ろか):液体と、その液体に溶けない固体の混合物を濾紙を用いて分離する操作。
用いる器具:濾紙、漏斗、漏斗台、ガラス棒、ビーカー
操作上の注意:濾紙は水で湿らせる(漏斗に密着させるため)、溶液はガラス棒に伝わらせて静かに注ぐ(濾過する溶液が跳ね飛ばないように)
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蒸留
蒸留:液体に固体が溶け込んだ混合物を加熱。蒸発した液体を冷却することで、純粋な液体成分を分離する。
用いる器具:リービッヒ冷却器、温度計、枝付きフラスコ、沸騰石、冷却水、三角フラスコ、アダプター
注意:フラスコに入れる溶液の量は2分の1以下にする。(沸騰した時に原液が枝の方へ流れないようにするため)、リービッヒ冷却器に通す冷却水は下から上へと流す(逆にすると、冷却器に水がたまり、冷却効率が悪くなる)
分留
分留:2種類以上の液体の混合物を沸点の違いを利用して各成分に分離する操作
例:空気の分離(酸素と窒素の分離。空気を冷却して液体空気にし、少しずつ温度を上げていくと、沸点の低い窒素を含む蒸気が得られる)。石油の分離。
再結晶
再結晶法:温度による溶解度の差を利用した固体物質の精製法
不純物を含む結晶を高温の水に溶かし、高温のまま濾過て不溶物を取り除く。この溶液を冷却していくと、低温で溶けにくい結晶が析出する。(固体の溶解度は、低温になるほど減少する)
抽出
抽出:固体または液体の混合物に、その中に含まれる特定の成分だけを溶かす液体(溶媒)を加えてよく振り混ぜて、特定の成分を溶かし出して分離する方法
注意:分液漏斗を振った後、時々、活栓を開けて、内外の圧力を等しくする。
昇華
昇華:固体を加熱したとき、液体を経ないで直接気体になったり、気体を冷却したとき、液体を経ないで直接固体になる現象
例:ヨウ素、ナフタレンの精製
クロマトグラフィー
クロマトグラフィー:濾紙の一端に調べたい混合物の溶液をつけて乾燥させる。下端を適当な溶媒(展開液)に浸すと、展開液が毛細管現象で濾紙片を上昇するのに伴って、混合液中の成分が分離されてくる。
濾紙に吸着している水に対する溶解度が小さく、展開液に対する溶解度が大きい物質ほど上部まで移動する。
こちらの記事で混合物の分離法、完璧に理解できましたでしょうか?
塾講師ステーション情報局には化学や物理をはじめたくさんの解説記事があるので是非参考にしてみてくださいね。