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シリーズ第2回! 英語嫌いを克服させる秘訣とは!?
今回ご紹介するのは、英語嫌いを克服するための指導方法です。
アドバイスといったほうが的確かもしれません。
前回の、『脱・英語嫌い!英語を好きになるきっかけづくり①』で、
なぜすぐに点数に結びつく指導方法ではなく一見遠回りに見える指導方法をご紹介するかについてお話ししましたが、ここで簡単におさらいしておきたいと思います。
私が実際に塾講師として、指導していても英語を嫌いもしくは苦手と感じている生徒は多くいます。
むしろ、英語を好きだという生徒のほうが珍しいといえます。
だからこそ、英語はチャンス科目なのです!
皆さんも中学・高校の時を思いだしていただけるといいと思いますが、
自然と好きな科目は勉強が進み、嫌いな科目は後回しになっていましたよね?
それは当たり前のことです。
好きな科目は勉強時間を多くとりなおかつ、嫌いな科目よりもきちんと理解をしようと自主的に取り組みます。
ここまでで何が言いたいかおわかりでしょうか?
好きな科目は、ほっといても学力がついて点数もあがるんです!
だからこそ、
多くの人が苦手に感じている英語を好きになってしまえばそれだけでかなりのアドバンテージになるわけです。
自分の生徒に英語を好きになってもらうことができれば、講師の私たちが教えやすくなることはもちろんその生徒の今後の人生においても大きな財産を残すことができます。
では、さっそく、
英語を好きになるきっかけづくりについてご紹介していきましょう!
洋楽の意味を理解する!
前回ご紹介した方法に『洋楽は英語好きの必須アイテム』というのがありました。
洋楽を聞くことのメリットの1つは「英語に耳を慣らすこと」でした。
今回ご紹介するのは洋楽を聞くことのメリットの2つ目である「記憶に残りやすい」です。
私自身高校1年生のころに覚えて完璧に覚えた歌詞にでてきた単語が、入試の長文のキーワードの単語になっていて助けられた経験があります。
好きな曲であれば自然と頭に入ってきますし、単語を訳さないと意味がわからないので普段は嫌々やる単語の意味調べも苦なく取り組むことができます。
しかし、注意していただきたいのは聞く曲の選び方です。
もちろん生徒の好みもありますし、聞く曲を押し付けてしまえば生徒にとっては結局やらされているという意識になってしまうのでせっかくのアドバイスも無駄になってしまいます。
ですが、あまりにイケイケのクラブミュージックなどを紹介してもそこに出てくる単語が入試で出題される可能性は低いですし、曲のテンポが速すぎて聞き取れなくては「耳を慣らす」という目的も果たせないのでおすすめできません。
ではどんな曲が良いのでしょうか?
流行りの曲は生徒も知っていて、楽しんで聞くことができるので良いと思います。曲選びのポイントとしては、
①生徒が自分から聞きたくなるような曲
②自分(講師)が聞いてみて、聞き取りまた訳すことのできる曲
があげられます。
洋楽に興味のない生徒ならば、講師のほうから具体的に曲を提示するのがいいでしょう。
大切なことはきっかけをつくることです。
洋画は字幕でみる!!
次にご紹介する方法は、私が大学生になって効果を実感した方法です。
私は『gossip girl』という海外ドラマにはまり、今まで海外ドラマや洋画は吹き替えで見ていましたが、主演の女優さんの声が好きで吹き替えではなく字幕で見るようにしていました。
すると、日本語でこう言いたいときは英語でこういうのか!
具体例を出すと、「Great」と登場人物の一人が言いました。文字だけを見ていると「すばらしい!」と訳してしまいますがこの「Great」といった時、その人物は最悪な状況に対して嫌味で「Great」といったのでした。
このようにネイティブが実際に使っている表現や言い回しを知ることができる点が字幕で見る大きなメリットです。
さらにもう1つのメリットについて紹介します。
リスニング用に作られた教材というのは良くも悪くも聞き取れるようにつくられています。
リスニング用の教材を聞きとることができても大学入試本番のリスニングを聞き取ることができなかった。
このような経験をされた方も少なくはないんじゃないでしょうか?
大学入試のリスニングではほとんどが、ネイティブスピーカーの会話の速度や言い回しをそのままに出題してきます。
ですから、聞き取りやすくなっているCDをいくら聞いたところで限界はあります。
もちろんこの類のCDを完璧にすればセンターでの高得点は狙えます。
どこを目指すかで使い分ければよいと思います。
先ほど、字幕で見ることでネイティブの英語を学べると言いましたが字幕で見ることにはもう1つの利点があります。
それは、ネイティブが日常で使う言葉を知っておくことで会話文が得意になることです。
会話文というのは、文法をきっちり当てはめて解くという問題ではありません。皆さんも経験があるのではないでしょうか?会話文は覚えたもん勝ちだということを。
日本人の私たちでさえどうして人を送り出すときに「いってらっしゃい」というのか、謝るときに「ごめんなさい、申し訳ありません。」というのかと聞かれても、もちろん由来がありますが、いつも意識せずに使っている言葉たちですよね?いちいち文法なんて気にしてつかってませんよね?
これが英語の会話文です。
ですから理屈ではなく、覚えてしまったほうが早いのです。
ですががむしゃらに覚えようとしても理屈で理解できないものほど暗記は難しいものです。
そこでドラマや映画の中で主人公たちが話している英語になれていれば、暗記をする際も「あーあの場面でこういってたな」など記憶に残しやすくなり暗記のスピードも格段に上がり効率もよくなります。
この方法はかなり効果的ですが、受験期の生徒にはおすすめできません。
さすがに受験期にドラマにはまってしまっては困りますし、ドラマをみてる時間があるのならば暗記科目や過去問をやったほうが合格の可能性は確実に上がるからです。
あくまで受験まで余裕がある、生徒自身に時間があるときに紹介してあげて下さい。
頭の中で英語に変換する癖をつける
最後にご紹介する方法は受験期の生徒にこそやってもらいたい方法です。
受験直前は復習が大切だといわれますが、入試の1分1秒前まで成長する、合格の可能性を広げるという意識が非常に重要です。
単語は無数にあります。
すべての単語を完璧に覚えている受験生はいないといっても過言ではありません。
完璧な受験生がいないからこそ、完璧に少しでも近づくことが大切なんです。
どの単語が出るかなんてわかりません。
だからこそ生徒に少しでも気になった単語は調べる癖をつけさせましょう。
単語帳にのっている単語が長文の主語あるいは重要なキーワードになるとは限りません。
またこの応用編として、自分の言いたいことを英語に言い換えたり相手の言っていることを自然と頭の中で英語に変換することができるようになると英作文にも活かすことができます。
癖をつけることは簡単ではないので、慣れないうちは授業のはじめに講師のあなたがたが生徒に今日はどんな1日だったのか好きなことの話などを英語で伝えてもらうようにしてみましょう。
日記を英語で短くでいいのでつけさせるのも効果的です。
単語にしろ、文法にしろ自分で知りたいと思って調べたことは忘れにくいものです。
何度も言いますが、入試が近づけば近づくほど身の回りにチャンスが散らばっていると考えて気になったり知らないものは調べるようにアドバイスをしましょう。
この癖はあなたの指導した生徒を最後の最後で助けてくれます。
まとめ
最後まで読んでくださりありがとうございました。
いかがでしたでしょうか?
実際に勉強を教えるだけが、塾講師の仕事ではありません。自分の教えた生徒がその科目を好きになって得意になってくれたらこんな嬉しいことはありませんよね?
好きという思いに勝るものはありません。
その科目を好きになれば得意になります、得意になれば点数も上がります。
点数が上がればその科目をもっと好きになります。
この良いスパイラルを生み出すきっかけを与えてあげることができたら生徒の成績は確実に上がります。
少しでもいいなとおもった方法がありましたらぜひ、あなたの生徒さんの目標を達成する一つの方法だと思って試してみて下さいね。