本記事は「小○ギャップ、どう対応する?(前編)」の続編となります。
前編をまだお読みではない方は是非こちらからご覧ください。
目次
・先生たちはどうする?
・保護者へのアプローチ
・ゴールデンウィークの過ごし方で軌道修正
・おわりに
先生たちはどうする?
では、この新学年の迎え方を講師側からはどう支えていけばよいでしょうか。
前編で出てきた「2月からすぐ変わること」と「2月から徐々に変わること」に分けて学年ごとに考えてみましょう。
新小4
前編で、小3から新小4の違い
1.授業時間が長くなる
2.テストの量が増える
3.理社の授業が本格化する
4.学習内容が細かくなるということを書きました。
2月からすぐ変わること
1.授業時間が長くなる生徒にとってはたとえ1教科10分あたり延びたとしても大きな変化になります。授業の開始と終了時間はキッチリ守って習慣づけましょう。
仮に授業内容が早く終わっても、終了の時間までは授業時間なので、自習などをする時間に充てて休憩をさせないようにしましょう。
2.テストの量が増える回数、時間、問題量とともに3年の時よりも増えてくるので、融通の効く授業内で行う小テストなど、最初はクラスのレベル合わせて問題を削ったり、演習時間を増やすなど調整をして、だんだんと長いテストに慣れていけるようにしましょう。クラス分けなど一斉に行うテストは日時と範囲を把握させて、緊張感を持って準備をして受けるよう指導しましょう。
まだまだテストを受ける自覚が少ない学年なので上手にリードしてあげてください。
2月から徐々に変わること
3.理社の授業が本格化する3年までは国算メインで進んできたところに理社の授業が本格化します。
今までは理社の授業がない、またはあったとしても内容は身近なことに触れて興味付けをすることが主でしたが、4年からは受験に直結する用語がゴロゴロと出てきます。
ここで生徒が陥りがちなのは「聞いたことがある」と「理解をしている」ことを混同してしまうことです。
混同してしまうと自分で本を読んだり授業内で聞いたことがある、だけど理解をしていないため説明が出来ないという用語が増えてしまいます。これが増えてくると、生徒は間違えても答えを見て「あーこれかぁ」とわかったふりをするようになってしまうので、ここでは用語をしっかりと理解させて進めることが重要になります。
そのためには要所要所で生徒に説明させるなどインプットだけではなくアウトプットさせるような授業をしましょう。
また、理社であっても漢字で書く必要がある用語が多くあるので、テスト形式で書かせる機会もあるとよいでしょう。4年の理社はほぼ暗記なので早い時点で自分の暗記方法を見つけられるようコツも教えてあげてください。
4.学習内容が細かくなるどちらかというと4年生の理社は大枠を捉える内容ですが、国算は各分野を深く勉強する内容へと進んでいきます。
しかし、この時期の生徒は国算の勉強以前に漢字を書きたがらない、計算が遅いなど勉強の基礎がまだまだ身についていない生徒が多くいます。新学期になる前に鉛筆を正しい持ち方をする、まっすぐ座るなど丁寧な字を書く姿勢や、計算の正確性やスピードをあげる計算練習などをしっかり叩き込んであげると、その後の学習姿勢にもよい影響があります。授業内容ももちろんですがそういったことにも目を向けて授業時間を上手にすすめましょう。
新小4はまだ10年も生きていない子供です。成長にも大きく差があり、体力もないので集中力も続きません。授業時間内で上手に息を抜ける時間を作ったり、いつも以上にゆっくり丁寧に話すことを心がけてみましょう。
そして、学習内容を家で復習して宿題をやるという習慣を早い内に出来るよう家庭学習への声かけもすると効果的です。
新小5
次に新小5です。
前編で小4から小5の違い
1.授業時間が長くなる
2.テストの量が増える
3.学習内容が細かくなる
4.学習内容が難化する
ということを書きました。
2月からすぐ変わること
この場合も、1と2が当てはまりますが、2は新小4とは少し内容が異なります。
1.授業時間が長くなるこちらは新小4と同じ対応をしましょう。
授業内容が濃くなりつい熱が入って長くなってしまいがちですが少なくとも5月くらいまでは終了時間を守って新しい授業時間に慣れさせることを優先しましょう。
2.テストの量が増える授業内や毎月クラス分けなどで行われるテストの回数はそれほど変わらなくても、外部の模試を受けたり、学期毎に実力テストが行われたりと全体的な回数が増えてきます。何より問題量が格段に増えてくるのでスピードと正確性を求められるようになってきます。
そうはいってもテスト中やることは何ら変わりないので「早く問題に取りかかること」や「字を丁寧に書く」、「まず全体を見て出来そうな問題からやる」などテストを受ける際の基礎をもう一度確認しましょう。
国語であれば重要な文章に線を引く、算数であれば計算は必ず確かめ算もするなど、いつも言われてることをテスト内で時間を意識しながら手を抜かずやれるようになるのが重要です。
2月から徐々に変わること
3.学習内容が細かくなる主に理社の話になりますが、4年までは新しく習うことが多く、大まかな内容をつかむ分野が多く見られましたが、5年になるとさらに細分化しての暗記になり、新しく習う分野であっても分量が多くなってきます。
国語も4年の時に比べて語句や漢字の量が増えるので、理社と合わせて暗記をするものの総量はかなり増えることになります。「覚えられない」の声が多くなってくるのもこの時期ですので、講師側からは暗記の方法をいくつか示すようにしましょう。
一問一答や穴埋めで書き出すのが最も一般的な方法ですが、線を引いて覚える、声に出して覚えるなど暗記方法の選択肢を与えてあげると生徒側もチャレンジしてみようという気になります。
そして、何よりも覚えられないなら時間をかけなくてはならないことを伝えましょう。覚えられないという生徒ほど時間をかけていないことが多く見られます。工夫も大事ですが、時間をかけることは勉強において重要な要素であることを再認識してもらうといいですね。
4.学習内容が難化する国算などでは今まで〇〇だから××のように一段階考えれば解答にたどり着いていたものが、〇〇だから××なので△△のように導き出した答えを利用してさらにもう一段階、もう一段階と考えを積み重ねて答えまでたどり着くような複雑な内容になってきます。
また、前述にもあるように問題文も長くなってくるため、問題文を読む力がより必要になってきます。よって、つまずく箇所も様々になるので講師側はそれぞれに対応しましょう。
おすすめは、一方的に添削するのではなく、一緒に解きながらどこまでわかっているかを確認することです。
この時、4年の内容でつまずいているのか新しい内容を理解していないのかを見極めるのがポイントになります。そこまでわかってしまえば8割は解決です。あとは、出来ていない内容を克服する課題を与えてあげるようにしましょう。
新小5になってきたらある程度会話が出来るので、会話をしながら一緒に問題を解決すると本人達も自分のこととして勉強出来るようになってきます。特に5年生の内容はどの教科も密度が濃く、入試に直結する内容ばかりなので、勉強自体の重量がぐっと増えます。生徒たちにとっても心が折れてしまう機会が多くなるので少しでもその頻度を少なく、軽く出来るようにつまずいた時にすぐ指導する必要があります。
しかし、6年も見据えて自分で勉強が出来るように少しずつ手を離していくことも考えながら指導しましょう。
保護者へのアプローチ
この変化の多い時期は保護者へのケアも大事になってきます。
年間を通して生徒の様子を伝えることは必要ですが、この時期は特に意識的にコミュニケーションを取るようにしましょう。
保護者には新学年でどう変わったか、家庭でどのように学習すればいいかをメインに伝えましょう。勉強時間を増やす必要があることは必ず伝え、保護者にも「まだ小3(小4)ではなくもう新小4(新小5)」という意識を共有することが大事です。保護者側も新年度で担当がどんな先生か不安に思っている面もあるので、丁寧にコミュニケーションを取って安心感を持ってもらいましょう。ここでの不信感の多くは転塾につながる傾向にあります。
ただしこの時であっても、保護者対応の基本は忘れないようにしましょう。
ゴールデンウィークの過ごし方で軌道修正
ちょっと中途半端に過ごしてしまった2~3月、新年度でバタバタしていた4月…ここでゴールデンウィーク休みをだらだらと過ごすと、ズルズルと授業についていけないまま今度は夏期講習を迎えることになってしまいます。
旅行やイベントが集中する時期ではありますが、毎日各教科を勉強すること(毎日やり続ける)、合計1~2日分くらいの時間を2月~の復習に使うことをやっておけば、ある程度はゴールデンウィーク明けにすんなりと授業に入っていけるようになります。ゴールデンウィークだからといって闇雲に大量の課題を出すのではなく、講師側もこの分量を頭に入れた上で課題を出してあげると生徒側もやりやすく、勉強効果も高いものになるでしょう。
おわりに
2回に渡っての「ギャップ」のお話、長くなってしまいましたがいかがでしょうか。
新しく何かが切り替わる時は誰でも戸惑い、緊張するものです。それが子供であれば尚更です。まだまだ年度は始まったばかりなので励ましながら乗り越える後押しをしてあげてください。
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