こんにちは、講師の木村です。
よく「夏を制する者は受験を制する」と言われ、塾講師にとって最も多忙ともいえる夏期講習の時期が今年もやってきますね。そこで、今回は塾講師が夏期講習期間に気を付けておくべきことを記事にまとめていきます。
目次
・講師編~体調管理が肝~
・生徒編~普段とは着眼点が少し違う?~
・スタッフ編~意外と見落とされがち~
・まとめ
講師編~体調管理が肝~
夏期講習となると、午前中から授業を行う塾が多いです。また、普段は週2日休みのところが週1日休みになるなど、肉体的にハードになるのが夏期講習です。
言うまでもなく、講師の皆様の体調管理が何よりも大切です。ハードスケジュールな時期だからこそ、リフレッシュを取り入れたいところです。どれだけ素晴らしい授業準備をしても、コンディション不良だとパフォーマンスが下がってしまいますので、以下の3点を意識してみてください。
しっかり食べる
夏の暑さで食欲が失われるだけでなく、夏期講習で授業がぎっしり入っていて「ゆっくりご飯を食べる時間がない!」という事態に見舞われると、どうしても軽食で済ませたくなりますよね。しかも、一日ハードな授業をこなして帰宅するとご飯を作って食べるのは面倒に感じられ、ますます食べなくなる…。
そんな生活を続けていて体重が減少する「夏期講習ダイエット」なんて言われる状態が起こりえます。実際に夏期講習で3~8kgくらい痩せたという話は毎年のように聞きます。そして、健康的な痩せ方ではないので9月以降にリバウンドします…(笑)
バランスの良い食事をとらないと体調を崩す原因となり、それで授業を休んでしまうと進度にも影響が出ます。夏期講習期間は他の講師も過密スケジュールのため、代講もままなりません。次項の内容とも関連しますが、冷たいものばかり食べるのも体調不良の要因になります。健康的な食事も授業準備の一環としてとらえてくださいね!
入浴する
一日中冷房の効いた教室で授業をしていると、思っているよりも体が冷えます。
靴ではなくスリッパ等に履き替える塾であれば、足元も冷えやすいでしょう。帰宅後も入浴せずにシャワーだけで済ませてしまうことも多くなるでしょう。その結果、血流が悪くなり肩や腰に痛みを覚える…ということが夏期講習後半に特に発生します。
私は昔から腰痛持ちですので、この部分はとても気をつかいました。休みの日にスーパー銭湯やサウナ・岩盤浴に行くと、血流の改善だけでなく、精神的にも落ち着けるのでおススメです。
趣味の時間を作る
夏はレジャーの季節ということで、海水浴やプール、花火大会などの行事がありますが、夏期講習に追われる塾講師にとっては無縁のもの…かくいう私自身も塾講師を始めて以来、ほとんど行った試しがありません。ニュースやSNSで楽しそうな様子が流れてくるのに自分は仕事…と思うとついしんどくなりますね。ですので、夏期講習中のお休みの日には、おでかけをしたり自分の趣味に没頭したりする時間を確保しましょう!
休みの合間を縫ってライブに行く元同僚もいました。仕事から離れる時間を作ることが重要です。遠出することは肉体的には疲れが出てしまいがちなので敬遠されますが、精神面もケアしておくことことで、より高いパフォーマンスを発揮できると言えるのです。
お盆前後に数日お休みがある場合は、避暑地へ行くこともいいでしょう。個人的には北海道がおススメですが、近場でもOKです!仕事を忘れられる時間を作ってみてくださいね。
生徒編~普段とは着眼点が少し違う?~
ここからは生徒への指導面についてです。授業内容以外の着眼点についてお伝えしていきます。
授業内容をどうするのか
この点は塾によって考え方が違う部分です。
夏期講習は通常授業の延長線上としてとらえ、普段の授業と同じように進めるケースや、夏期講習は通常期とは別で、単元別演習(例えば数学の関数分野特訓)などの特別な内容を組む塾がありますね。
注意しないといけないのは、後者の場合です。受験対策の講座が組まれることが多いですが、ターゲット層が合致しない講習がしばしば見受けられます。夏期講習期間内に、生徒が復習する時間を確保できるようなスケジュールを組みましょう。
講習生への対応
夏期講習の時期には「講習生」という形で、夏期講習のみを受講する生徒がいますね。夏期講習の状況次第では、9月以降も継続して通塾してくれる可能性があるので、特に気をつけておきたいです。
できるだけ授業毎に話しかけて理解度を図り、コミュニケーションを取っておきましょう。これは心理学の用語で「単純接触効果」と言われるものです。繰り返しコミュニケーションを取ることで信頼関係を構築でき、夏期講習以降の継続通塾に繋げることができるでしょう。ただし、やりすぎると負の影響を与えたり、他の生徒から贔屓していると思われかねないので注意が必要です。
単純接触効果について:繰り返し接しているうちにどんどん好きになるのはなぜ? | 日本心理学会 (psych.or.jp)
学校の課題
塾の夏期講習や部活動によって学校の宿題が終わり切らない子は例年多数見られます。
私立中高一貫校をはじめとした進学校は特に課題の量が非常に多い傾向がありますので、課題の進捗度合いを確認したうえで、適度なアドバイスをすると喜ばれます。
逆に、学校からの宿題がほとんど出ないという話も耳にするようになりました。この場合は演習量を確保するために、塾からの課題を増やす対応が求められます。
生活リズムの乱れ
夏休み期間の最大の敵といえます。
夏期講習のスケジュール作成を柔軟に行える個別指導塾の場合は、自律的に勉強できない子はあえて朝と夕方の2回に授業時間を分けて「毎朝起きて勉強する」習慣を乱さないようにしてあげることも重要になります。
スタッフ編~意外と見落とされがち~
最後に一緒に働く講師・スタッフへの目くばせです。
主に教室長の目線になりますが、現在教室長でない方でも将来を見据えて意識しておくとよいでしょう。
寒すぎる冷房
夏期講習期間はよく「寒い」という言葉を耳にします。ダジャレが面白くない…などという意味ではなく、空調のあたり方がキツイということです。
これは生徒も同様です。ここで空調を調節することは簡単ですが、暑がりの生徒やスタッフもいます。あまりにも空調が強い場合は、設定温度の見直しで対処すればよいですが、そうでない場合は常に「寒い」という人にはひざ掛けや厚手の靴下を用意するように伝え、できるだけ多くの人が快適と感じる環境を整えましょう。
塾の教室の場合、特定の席で空調がものすごくあたることが頻発します。座席を調節できる場合は暑がりさん専用席としてしまうのもいいかもしれませんね。
疲れが出る
やはり夏期講習期間中は繁忙期ですので、講師やスタッフにも疲れの色が見えてきます。それでは最良のパフォーマンスを発揮しえません。交代で休憩時間を長めに確保するなどして、適度な休息を取ってもらいましょう。
スケジュール的に可能なのであれば、どこか一日でも有給休暇を取れるようにするのも一手です。ただでさえ忙しいのに…と思うかもしれませんが、お休みの日を作ってあげることでその講師・スタッフが元気に勤務でき、モチベーションアップに繋がるなら効果は非常に高いと言えます。また、塾業界で夏期講習中に有給休暇を取れるのは正直多くないですので、他塾との差異化となり、将来的な離職をとどまらせる要因にもなるでしょう。目の前の多忙さに追われ、将来的な人材流出につながってしまうのは悲しいですからね。忙しい時だからこそ、ゆとりが持てるのが望ましいです。
まとめ
夏期講習は生徒にとって勝負の夏であるとともに、講師・スタッフにとっても勝負の夏です。
一方で、夏を超えてしまうと受験シーズンの足音が大きくなり、いよいよ緊張する時期へと移っていきます。
ここで体力を消耗してしまっては、受験期まで身体が持ちません。健康であって初めて授業ができ、生徒の力になれるのですから、くれぐれも無理はしすぎずに夏期講習期間を乗り越えてくださいね!
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