こんにちは。塾の運営全般を担当していた吉田です。
私は生徒数30~500名以上まで、さまざまな生徒数の教室で勤務してきました。
今回の記事では、生徒数によって「教室長の仕事」がどのように変わるかを紹介します!自分の教室の規模と比較しながら読んでみてください。
目次
・生徒数30名「現場に出る」
・小規模の塾で気をつけること
・生徒数100名「仕事を任せて報告を受ける」
・大規模の塾で気をつけること
・まとめ:生徒数による教室長の仕事の違い
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生徒数30名「現場に出る」
私が正社員として最初に配属されたのは、生徒数30名程度の教室でした。小・中学生の集団指導塾としては人数が少ないことが課題でしたが、2年のうちには生徒数100名を達成・維持できるようになりました。
少人数のメリット
生徒1人1人とコミュニケーションが取れる保護者対応(面談・電話・メール)に時間がかけられる社員やアルバイトと意識統一しやすい
事務作業が少ない
新しい生徒を獲得することよりも、教室内の環境を整えること・今通っている生徒・保護者の満足度を上げることを優先しましょう。退会防止に加え、兄弟姉妹の通塾や友人・知り合いの紹介につながるからです。
そして小規模塾では、教室長が現場に出て積極的に行動できることが大きな強みになります。詳細を記載していきます。
生徒・保護者対応について
在籍している生徒は毎日通塾するわけではないため、1日に接する生徒の数はかなり少なくなります。挨拶+αの声かけで、生徒のことを詳しく知ることから始めましょう!信頼関係を築くために、保護者からの相談や質問に対しても丁寧に対応してください。
また、私のオススメは「嬉しいニュースを発信する」ことです。何か問題があるから保護者に連絡を取るのではありません。「確認テストで100点だった」「勉強に対する姿勢が変わってきた」「楽しそうに授業を受けている」など生徒の頑張りやいいところを紹介すれば、とても喜ばれます!
一緒に働く仲間について
生徒数が少ないと、その教室で働く正社員・アルバイトの数も限られます。各自の力を最大限発揮させるには「良好な人間関係と風通しのよさ」が欠かせません。特に最初のうちは、目の届く範囲での仕事を依頼したり、一緒に作業に取り組んだりすると良いです。
例えば掲示物を貼るとき近くに教室長がいれば、コミュニケーションを取りながら作業を進めることができます。指示通りに動かそうとするだけでなく、「こういう掲示の仕方が目立つ」などスタッフのアイデアや意見を取り入れることが大切です。仮にミスやトラブルがあったときもすぐに教室長に報告できる体制と人間関係を作っていきましょう。
小規模の塾で気をつけること
小規模の塾を運営する上で、注意点が2つあります。
・生徒数増加に伴うコミュニケーションの減少
・成績上位の生徒フォロー(※特に集団指導)
どちらも事前に気をつけておけば、大きな問題を防ぐことができます。
コミュニケーションの減少について
最初は生徒数が少なく目が行き届くことがメリットですが、生徒数が増え続けると同じことが続けられなくなります。教室長はこのことを頭に置き、当初の個別対応に加えて「学年・クラス全体対応や盛り上げ」ができるようにしていきましょう。
例えば勉強・部活・運動会の練習が重なる時期、体力的にきついのは1人の生徒だけではありません。その時期、教室に入って「頑張って塾に来ているね!きついからこそ効率的に勉強して負担を減らそう」と全体を鼓舞できれば、似た話を複数の生徒に対して行う必要がなくなります。
他にも、教室のスタッフに個別対応を任せて、教室長は複数名に対するアプローチと保護者対応を中心に行っていくという方法もあります。
成績上位の生徒について
小規模の集団指導塾では、習熟度に応じてクラス分けするということができません。さまざまな成績の生徒が同じ教室内で集団授業を受けることになります。このとき「レベルの高い指導が受けたい」というニーズを忘れてはいけません。
教室長は、自分や他の講師が手のかかる生徒ばかり注視していないか、成績上位の生徒へのフォローができているかを定期的に見直しましょう。
また、私の教室では「生徒があと〇人集まったらクラス分けができる」ということを明確に生徒に伝えていました。友人紹介のきっかけとなるだけでなく、クラス分けの可能性があるという事実がいい刺激になり、勉強のモチベーションが上がる生徒もいました。
生徒数を増やす=塾の利益になると考えるだけではなく、教室が成長するのにしたがって提供できるサービスが増える、よりよい指導が行えて生徒のためになるという視点を忘れないようにしましょう!
生徒数100名「仕事を任せて報告を受ける」
次は生徒数が3桁を超える大規模塾のメリットと教室長が意識すべきことについて記載します。
大規模の塾のメリット
周囲に認知されている選択肢が増える
社員やアルバイトの数が増え、役割分担しやすい
生徒・保護者と日々コミュニケーションを取ることは大切です。
しかし、やりたい気持ちはあっても生徒数が増えてくると教室長の時間がない・都合が合わないということが確実に出てきます。大規模塾の強みを活かしてカバーしていきましょう!
認知と選択肢について
生徒数が少ないときは認知を広めていかなければいけません。
対して、生徒数が100名以上いる塾は、通っている生徒・保護者はもちろん、地域にもある程度知られている状態です。定員になったら入れない塾・目標達成のためには早くから取り組まないと間に合わない塾といったアピールを行い「いつでも生徒募集をしていて入れる塾」と差別化していきましょう。
選択肢が多いことも強力な宣伝になります。複数の講座・クラスから選択できる(適切なクラスに配属される)こと、講師が多いこと、イベントの幅が広いことなど、周囲と比較して「生徒数が多いからできること」を堂々と伝えてください。
教室の強みは教室で働くスタッフに共有し、正社員でもアルバイトでも関係なくいつでも生徒・保護者に話せる状態が理想です。
スタッフの役割分担について
生徒数が少人数でスタッフも少ないときは、教室長が現場に出てさまざまな業務に関わることが大切です。
一方、スタッフが増えてきたら役割分担を行い、教室長は指示を出すこと・報告を受けることに切り替えてください。副教室長と管理する指示・報告を分けるのも効率的です。
そして、1人1人と話す時間があるとき「いつもの仕事を褒める」ことがポイントです。仕事の現場は見ていなくても、報告を聞いて自分の働きを分かってくれている!とスタッフのモチベーションにつながるからです。
注意すべきことは当日、迅速に伝えて改善させ、褒めることは当日以外にも伝えて信頼関係を築いていきましょう。
大規模の塾で気をつけること
生徒数が多いとできることの幅が広がりますが、以下の点を忘れず注意しておきましょう。
・少人数より計画と準備に力を注ぐ必要がある
以前、私が夏期講座に向けた生徒募集で失敗したと感じた例を紹介します。
・事務スタッフが案内チラシを印刷、クラスごとの仕分けを行い、配布準備はできている
・教室長と副教室長の間では生徒へのアピール内容が共有済み
・教室長が各クラスを回り、生徒にアピールしながら配布することを予定
・講師に伝達されていなかったので、あるクラスで配布物を早く渡して生徒を帰宅させようと判断し、漠然と配って解散
・生徒の夏期講座への認識(自分のモチベーションや友人紹介)が低く、二度手間で配布・説明することになった
小規模であれば教室長の目が行き届くので、講師の判断で配布・生徒を帰宅する前に気づいて手を打てたかもしれません。もしくは、チラシを印刷・配布準備をする段階で講師やスタッフと話ができた可能性もあります。
教室長や副教室長の頭の中だけで話を進めるのではなく、教室内のスケジュールとしていつ・どうやって夏期講座の案内を進めていくかを事前に共有すべきだったと感じました。
現場に出ることを他のスタッフに任せるぶん、教室長は計画・準備に力を注いで安定した教室運営が行えるようにしていきましょう。
まとめ:生徒数による教室長の仕事の違い
今回の記事では、生徒数30名と生徒数100名の教室のメリット、気をつけることの違いをもとに教室長が考えておくべき内容を紹介しました。
特に現在の生徒数が少ないことが課題という場合には、少人数のメリットを活かしつつ、いずれ人数が増えてきたときどうなるか、どうするかという視点を持っておくことが重要です!
他のスタッフと協力しながら生徒・保護者との信頼関係を築き、いい教室にしていきましょう。
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