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生徒の性格に合わせた模試フィードバックの方法【キャリアコラム#108】

こんにちは、講師の木村です。

食欲の秋、運動の秋、読書の秋…などと言われますが、受験生にとっては「模試の秋」といえるかもしれません。

室長は各種模試の結果を踏まえて生徒との二者面談や保護者含めた三者面談を行うでしょうが、講師が模試について授業で話すことも考えられます。

今回は、そのような模試結果を受けてどのようにフィードバックをするのがよいか、生徒タイプ別にお伝えできればと思いますので、よければ最後までご覧ください!

目次
フィードバックの基本
具体的なタイプ別生徒対応
終わりに

 

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フィードバックの基本

まずはじめに、どの生徒タイプでも共通する事項についてお話しします。模試の成績個票を見て面談を行うと思いますが、その際の注意点です。

できていないところばかり見ない

最もよくやりがちなのは「○○ができていない!」「なんで○○が解けないの!」のように、できていない部分を真っ先に指摘することです。

しかし、よく考えてみてください。自分が一仕事終えた後に上司から修正箇所をあげられてやる気になるでしょうか。

厚生労働省がまとめている「子供・若者白書」(令和4年度版)で自己肯定感を感じている割合が46.5%とされているように、自分に自信が持てない子どもたちにとっては、モチベーションダウンの要因になってしまいます。

そこで、まずはポジティブな面に目を向け「できたこと」から話していくのが重要です。 

判定や偏差値は重要ではない

志望校判定や偏差値の部分だけを見て気持ちが滅入ってしまう生徒がいる一方で、「E判定」が並ぶ模試結果個票を見て不安を掻き立てる保護者も多数存在します。

そのなかで、塾講師や教室長が「結果」でモノを見てしまうことは、「結果さえよければ嫌なことを言われない」というメッセージを子どもたちに与えかねません。冷静に、現状でできていることとできていないことを整理して、今後の勉強に生かすという姿勢は崩さないでおきましょう。

ただし、受験戦略の立案において結果が持つ意味を放棄するわけにはいきません。ここでは、併願で安全校の受験を検討するなどして、第一志望校を下げるように促すことはできるだけ避けたいものです。 

自己採点にミスがないか

特に大学受験生の場合、大学入学共通テストの自己採点を誤ってしまうと、その先の入試戦略が崩れてしまいます。事前の自己採点と、成績個票の点数を見比べて1点でもズレがないかを確認するようにしてください。

 

具体的なタイプ別生徒対応

それでは、ここからは日本エニアグラム協会の分類から、4つのパターンの例を挙げて具体的な生徒対応についてお話ししていきます!

各タイプの特徴 | 日本エニアグラム学会 (enneagram.ne.jp)

楽天タイプの生徒対応

特に自己を確立する前の段階に多く、中学生全体にこの傾向が認められるタイプです。

特徴としては「人生を楽しく、明るく過ごしたい」タイプになります。ポジティブな声かけが最も効果的で、一度波に乗るとどんどん学習が進んでいきます。逆に、苦しむようなことはできるだけ避けたがる面もあります。

このようなタイプの場合、模試結果のフィードバックでは「ポジティブな面をやや大げさに評価し、○○をやれば合格できる!」というマインドにすることが重要です。できない部分を指摘していくスタンスでは、効果は見込めません。

どうしてもこれだけは注意してほしいことを伝える場合は「○○さえできればもっとよくなるよ!」のように”よい未来”につながる話し方が響くでしょう。

 

堅実タイプの生徒対応

次に、不安になりがちなタイプを取り上げます。

このタイプは「何事に対しても忠実で誠実であり、責任感が強く、互いに支えあうシステムややり方で、協力的に、一所懸命に働く」ことが長所で、人から言われることをキチンとこなせます。こちらが指導した内容に忠実に勉強を進められる意味ではメリットですが、自分で何かを考えて答えを出すのは不得手です。記述問題が少しでもわからないと白紙の答案にしてしまいやすい傾向があります。

模試結果のフィードバックでも、本人はできていない面ばかりを気にして、ポジティブな面を伝えても響きにくいところがあります。

堅実タイプの生徒には「確かに○○はできていないけど、△△はすごいよくできているよ!」と、これまでの勉強の成果をはっきりと伝えてあげてください。弱点の克服には積極的に動くので、期限を決めて1つ1つ苦手をつぶしていく計画を一緒に立ててあげるのも有効です。注意すべきは、本人に計画作成を委ねると、全ての範囲の復習をし始めて収拾がつかなくなることです。

 

研究タイプの生徒対応

堅実タイプと一見すると似ているように見えて、実は違う特性があるのが研究タイプで、「何かことを進めるに当たっては、先ず思考を使い、情報を重視する」ことが特徴です。自分の興味関心のある分野には強いですが、そうでない分野には無関心な傾向があります。専門家気質のため、自分のことを他人事のようにとらえることもあります。

論理的思考が強いため、数値を用いた分析が最も響きやすい分、模試結果のフィードバックは比較的スムーズにいくでしょう。志望校に対してどの部分はできていて、どこに課題があるのかをはっきりさせ、以後の対策を話しましょう。

一つだけ留意すべき点があるとすれば、自己分析力が強いかわりに、他人の経験談といったものには関心を示さない面がありますので、「去年もこういう生徒がいたから大丈夫」といった声かけは効果がないどころか、逆に信用を失う契機にもなりかねません。あくまでデータを基に話すことを心がけてください。(余談ですが、筆者はこのタイプで、理由の分からない・納得できない指摘には強い反発を示していました。)

 

調和タイプの生徒対応

最後に、その場の空気の安定を重視するため「葛藤や不快な状況は好きでなく、その状況に遭うと、それを解消しようとしたり、避けようとしたりする」生徒についてです。

争いごとを好まないことから、決められたことはできるだけやろうとします。自分の意思をなかなか表に出してくれません。その反面、胸に秘める意思は決して弱くありません。

調和タイプへのフィードバックの難しさには、こちらが言ったことに対しては、生徒本人が本心でどう思っているかはさておき、とりあえず同意してしまうことが挙げられますそのため、日ごろからのコミュニケーションがカギを握るでしょう。

また、あまり口数の多いタイプではありませんので、生徒の話すスペースや声のトーンをできるだけ合わせてあげることがまず必要になります。一つずつ、「○○についてどう思う?」と聞きつつも、大雑把な質問には解答してくれる可能性が低いため、「○○かな?△△かな?それとも□□?」といったように選択肢を示してあげると返答があるはずです。

また、このタイプの生徒の場合は自ら志望校を言い出してくれないこともしばしばあるため、模試個票の合格判定欄に書かれている学校名はよく覚えておくと今後の進路指導に活きるでしょう。

 

終わりに

模試の結果は言うまでもなく重要です。出願戦略を立てる際の参考資料となるだけでなく、教室長の場合は冬期講習の提案にもつながります。毎度の面談で行ったフィードバックについてはできるだけ記録を残して置き、講習提案の際に見返せるようにしておくと具体的な提案を行うことができるでしょう。

他方、模試結果はあくまで「現時点での結果」であることに留意しなければなりません。勉強量が足りないのか、模試会場で受験するのに弱いタイプであるのか…など、生徒ごとに原因は違うはずです。それを次の模試、そして入試本番に繋げられるよう、本稿を参考にして導いてあげていただければ幸いです。

最後までお読みいただきましてありがとうございました!


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塾講師ステーション情報局 編集部

記事執筆者:塾講師ステーション情報局 編集部

塾講師ステーション情報局上の記事の企画・執筆・編集をしています。
年100本以上の記事を執筆する有識者や塾バイト経験者をはじめとする、塾講師業界に関するエキスパート集団です。

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