今回は定積分について扱います。定積分についてまずは簡単に復習します。
とは上図の のグラフとx軸と直線x = 3 で囲まれた領域(赤い部分)の面積を表しています。
計算すると、 3となり、赤い部分の面積は3となります。
少しだけ深く考えてみましょう
積分の意味を厳密に理解するのは高校数学の範囲を超えてしまうため、深く立ち入ることができませんが、少しだけなら大丈夫です。そのために一つの事実を認める必要があります。それは
は の n →∞にするという意味だということです。
つまり、インテグラル記号によって、微小長方形の面積をΣで寄せ集めていることを意味します。
図を使ってさらに説明を加えます。
上図のような幅dxの部分を考えます。微小な部分なのでこの長方形の縦の長さは変わらないと考えます。
この長方形の面積は と表せます。あとはこのkを0から3まで動かし、その長方形を無限個すべて足す(これがΣのn を∞にすること!)ことを ∫ で表わしているのです。
は微小な長方形の面積を表す!
さて、ここまでの話からdxの重要性がなんとなく分かってきたのではないでしょうか?
つまり、dxがなければ面積になりません!!!
大事なことなのでもう一度言います。
は、 の長方形の面積をkが0から3まですべて足し合わせた値を表しています!!
dxはとても小さいので、面積の足し合わせの結果として最初の図の赤の部分の面積に等しくなります。
最後に、dxを除いたら定積分はどうなるのか考えてみましょう。
今までは微小な面積だったので無限個足しても3という値になったのです。
今回は という長方形の縦の長さを無限個足すことになります。
つまり、この計算結果は ∞ となります。
いかがでしたか? もちろん、dxのない定積分なんて100%試験では出ません!
少し話がややこしかったかもしれませんが、分かってほしいことは1つだけです。
要するにdxを忘れてしまうとすべての定積分が ∞になってしまいます!(-∞のときもあります)
一つ一つの記号には意味があります。これからも記号は正確に書くことを心がけましょう。