合同式とは、余りに着目する式です。
中学数学では図形の合同として≡の記号を使いましたが、同じ記号を使います。例えば、10を3で割った余りは1です。これを数の合同として10≡1(mod 3)と表します。3を法と言います。
式の説明は「法3に関して10と1は合同である」となります。記述で使う時は、何を法とするかを必ず明記しましょう。例えば「以下3を法とした合同式を考える」といったように書くとよいでしょう。
合同式の性質(合同式の法は全てnであるとする)
上図のように加法、減法、乗法については左右の値を各々計算すれば成り立ちますが、除法つまり割り算については成立しませんので注意が必要です。
証明はa=nX+p,b=nY+q(X,Yは非負整数)として計算すればわかると思います。
合同式を用いて解ける例題
合同式を覚えることで記述量が大幅に減ります。次の例題について合同式を使わない方法と使う方法で解答を並べてみます。
nを自然数とする。n²を3で割った余りには2が存在しないことを示せ。
①合同式を使わない方法
自然数mを用いて n = 3m-1 , 3m , 3m+1 と表せる場合について場合分けする。
i)n= 3m-1 のとき
となるので を3で割った時の余りは1である。
ii)n=3m のとき
nは3の倍数なので、2乗しても3の倍数より余りは0
iii)n=3m+1 のとき
となるので を3で割った時の余りは1である。
i~iiiをまとめると、余りは0か1なので、2は存在しないことが示せた。
②合同式を使う場合
n≡0,1,2について場合分けをする
i)n≡0のとき ≡0
ii)n≡1のとき ≡1
iii)n≡2のとき ≡4≡1
i~iiiをまとめると、余りは0か1なので、2は存在しないことが示せた。
いかがでしょうか?①については2乗を展開して、3で括って記述量を少なくしてもこのくらいの分量は必ず必要です。一方で、②の場合は、0,1,2をそれぞれ2乗するという簡単な計算だけで済ませることができています。
2乗した時の余りを考えるときにはもとの数の余りをまず求めてから、それを2乗したほうが値は小さく、簡単に余りを求めることができているのです。これを≡の記号だけで表わせることが合同式の有効な点です。
合同式は右辺に余りだけを書いている!!他は無視!!
ということを強調して教えると、整数問題に生徒は強くなれます!ぜひとも教えましょう!!