自動詞/他動詞はどのように異なるか?
まずは自動詞・他動詞がそれぞれどのように違うかを動詞「begin」を題材に見てみましょう。動詞「begin」は他動詞としての「~を始める」、自動詞として「~が始まる」という両方の意味が存在します。
①「(人)が~を始める」という意味の他動詞begin
He began his story in a humourous way.
→彼はユーモアのある方法で話し始めた。
②「(物)が始まる」という意味の自動詞begin
Has my class begun already?
→私のクラスはもう始まりましたか?
上記の二つの例文は、英語学習初級者であっても主語と動詞を繋げることで容易に理解をすることができるでしょう。そういった意味では、自動詞/他動詞区別させて生徒に理解させることは暗記事項を増大させるデメリットを付与してしまいがちです。
日本語では格助詞「が」、「を」等を通じて動詞を目的語に対し活用させます。しかし一方で、英語では動詞ごとに活用が限られているものが存在するといえます。例えば「visit」は「~を訪れる」といった「~を」という目的語に対しての方向性を含む他動詞であり、
x He visited to Kyoto last year.
○He visited Kyoto last year.
といった用法の正誤問題は頻出となっております。センター試験、難関私大試験等では必須暗記事項です。
自動詞/他動詞学習による効率的な得点向上を狙う
このカテゴリの学習のメリットは「配点の大きい長文読解には支障を来たさないが、文法暗記の精度を問う問題や特定の動詞を用いた英作文においての重要な要素となること」といえます。また、デメリットとして「闇雲な区別は暗記負担の増大を招くこと」が挙げられます。
よって、自動詞/他動詞学習による得点力upのポイントは以下の通りだと推論されます。
①「begin」・「move」等の自動詞/他動詞両方を兼ね備える動詞は意識せず無視させる。
②英語の主要な得点源である長文読解の学習を優先させる。(学習に余力が見える生徒に)
③「visit」等、頻出する他動詞表現のみを把握させる。
(→紛らわしい自動詞+前置詞+目的語の表現(agree with )等は熟語、これらは単語帳でなく熟語集で暗記させ、イディオムとしての切り口で「単語」とは切り離して学習させます。)
即戦力となる頻出他動詞表現一覧
最後に、私が生徒に教えている「visit」系、前置詞をつけてはいけない他動詞表現の一覧です。
・reach (× reach to) = ~に連絡する
・contact( x contact with )= ~に連絡する
→「連絡する」の二つは他動詞表現です!
・discuss (x discuss about ) =~について議論する
・question( x question about) =~について質問をする
→議論も質問も「about」は不要です!
・access ( x access to ) = ~にアクセスする
・approach (x approach to ) = ~に近づく
・influence( x influence on ) =~に影響を与える
・provide(x provide with ) (○ provide A with B)
等々。
講師の方の他動詞/自動詞の解説への理解が深まれば幸いでございます。