分からない単語に遭遇したら…?
例えば、センター試験の英語の問題はとても量が多いですよね。
時間内に解き切るのは大変です。
量が多いということはつまり、出てくる単語の数も多いということです。
入試までに覚える事が出来る英単語の数には限りがありますので、
文中に分からない単語が何個も出てくるのが普通でしょう。
どんなに英語が得意な方でも、1個も分からない単語が出てこないということは少ないでしょう。
ましてや、大学の2次試験の英語の問題となると、
センター試験よりも難易度が上がり、
分からない単語の数はさらに増えます。
実は問題の作成者も、分からない単語が出てくるのは承知の上です。
正確にいえば、作成者はわざとほとんどの受験者が知らないような英単語を文中に入れています。
というのもどんなに難しい英単語でも他の簡単な英単語で置き換えることができるはずです。
それをしていないということは何か狙いがあるのです。それを次に説明します。
必要なのは文脈力!?
英語長文問題の作成者は純粋な英語の能力だけでなく、
文章の文脈、言い換えれば文章の流れを読み取る力も見たいのです。
そのため、
文章の細かい所だけでなく、大きな流れ、つまり筆者の要点は何かという点も意識しながら読んでほしい
と問題作成者は思っています。
文章の流れに乗っている人とっては、少し途中で分からない英単語が出てきても問題なく文章を読み切ることができます。
要旨を掴みながら文章を読み進める事が出来る人は文中の約90%の英単語を知っていれば無理なく最後まで読めるそうです。
つまり、10%は知らなくても問題ないのです。上級者になってくると前後の文脈から分からない英単語をある程度予測できるようになります。
例えば、
Of the five senses, the most important to all nearly animals is smell. Animals rely on the sense of smell to find food, to find mates, and to recognize their enemies.
という英文が出てきたとします。(センター2002 追試験)
この中でrely on が分からないとします。
1文目は動物にとって嗅覚は大事だと書いてあります。
2文目は嗅覚をどのような目的で使うのかが書いてあります。(食べ物を探したりなど)
ここまで読むとrely on は本来 ~に依存するという意味ですが、
前後の文脈をきちんととればrely on は嗅覚を使って、嗅覚に頼って,嗅覚に依存してなどと、
ある程度予測が出来るのです。
最後に
確かに単語力は必要です。
たくさん覚えていれば覚えているほど有利です。
しかしやはり人間の記憶力には限界がありますし、1つの教科にかけられる時間も限られています。
文中にわからない単語が出てくるとあせってしまいがちなのですが、上で説明したように落ち着いてやればある程度意味がつかめるはずです。
これは古文や漢文にも通じることです。
入試までに文章全体を広い視点から見る力を養っておきましょう。
その力は将来社会に出てからもきっと役立つはずです。