手強い生徒をお持ちの先生必見のシリーズ!
*塾講師の皆さんが教えるということを楽しめるような教え方のヒントやアイデアを提案していくさくラボ*
今回は手強い生徒への指導方法です。
まず、手強い生徒とはどんな生徒でしょうか?
今回は私が実際に担当した生徒や仲間の講師が持った手強い生徒の例ををもとに、タイプ別に分けその生徒に対する指導方法を3回に分けてご紹介します。今回は手強い生徒への指導方法第1回目です!
ではどんな手強い生徒がいたのでしょうか・・・?
授業中にじっとしていられない常時動作型生徒
集中が5分と持たない集中力欠如型生徒
どうでしょうか?「あーこういう生徒いるいる!」と共感できた方が多いと思います。
では早速上記のような生徒を担当するときにどのように授業をすれば良いのかご紹介していきましょう!
授業中にじっとしていられない常時動作型生徒
授業中に、私達講師が説明をしていても手遊びをしていたり椅子を回転させたりひどくなるとじっとしていることができずトイレに何回も行こうとしたり・・・こういうタイプの生徒は主に小学校の低学年に多くみられます。
私が担当したことのある小学校低学年の生徒は問題を解き終わるとすぐに同じ時間に授業を受けているお兄さんのほうへ歩いていこうとしていました。別の生徒も私が説明していても、鉛筆を転がしたり消しゴムをいじっていて何回も落として拾ってを繰り返していました。
こんな状態では、授業は成り立ちません。
ではどうすればいいのか?このようにじっとしていられない生徒の授業をする時は、「ちゃんと聞いてね。」「授業中は出歩かないで!」などありきたりの注意をするよりも・・・
その生徒をあえて動かす
ということが授業をスムーズに進めるためにも一番効果的な方法です。
え?じゃあ出歩いたりさせていいの?と思った方がいらっしゃると思いますが、ここでの動かすというのは、
今まで無駄な動きに使っていた力を勉強に必要な力に変えさせるということです。
じっとしていられない、出歩いてしまうなどの生徒は元気が有り余っている場合が殆どです。
ですからその元気を勉強に活かせるように私たち講師が上手くもっていくのです。
どういうことか具体的にご説明します。
・小学校低学年の生徒に国語の問題を解かせて解説をこれからする時に、多くの講師の方は問題文を一緒に読んで傍線があればその傍線の設問の解説をするという授業スタイルだと思います。
しかしこれでは、じっとしていられない生徒は先生が読んでいるときは特に、椅子を回転させたりきょろきょろしたり話を聞いていないことが殆どです。そんな生徒の様子を見て読ませても、手遊びをしたりちゃんと読んでくれないときがあります。そこで先ほどご提案した生徒をあえて動かすということをしてみるのです。
ではこの例ではどうするか?生徒に読ませるときに指で今読んでいるところを指すように指示するのです。
え?そんな簡単なこと?と思われるかもしれませんがこれは効果絶大なのです。
生徒は今までの授業スタイルでは読むことより手遊びなどに力を使っていました。しかし、その力を自分が今読んでいる文章を指すことに向けさせるのです。指でさしながら読ませることはとばして読んでしまったり、読み間違いの多い生徒にも大変効果的です。
今回の例では国語を扱いましたが、どの教科でも生徒をあえて動かすという基本の方法は変わりません。
体を使えるところは使わせて教えたほうが記憶にも残りやすいのでぜひとも試してみてください!
集中が5分ともたない集中力欠如型生徒
先ほど、授業中にじっとしていられない生徒への授業方法をご紹介しました。
授業中にじっとしていられないのは集中力がないからで、集中力がない生徒への授業方法も同じなのではないか?そんな声が聞こえてきそうですが・・・
いいえ、違います。
確かにじっとしていられない生徒は集中力が欠けていると言えるでしょう。
しかし、そのような生徒の根本にあるのは元気がエネルギーが有り余って行き場を失っているからなのです。ですから、じっとしていられない生徒への授業方法はその有り余り行き場を失った力を授業に上手く使うという方法をご紹介したのです。
では集中力が欠けている生徒とはどのような生徒なのか?ということですが、先にじっとしていられない生徒との一番の差をお教えします。それは、じっとしていられない生徒というのは小学校低学年の生徒に多く見られましたが、集中力が欠けている生徒には年齢は関係ないということです。
つまり、集中力のない生徒は年齢がばらばらの為一つの方法では授業進行が滞るのを改善するのは難しいのです。
ですからここではあえて集中力が欠けている生徒への授業方法を一つに絞らずにご紹介します。
まず一つ目の授業方法は・・・。
授業を細かく区切れ!
です。早速例を使って詳しくご説明していきましょう。
・小学生に算数の問題を解かせるとします。章のまとめのような総合問題は構成として始めの大問1~2くらいまでが計算問題で、3以降が文章問題や図形を使った問題になっていることが殆どです。
この構成から考えると集中力を要する、しっかり考えなければならない問題は後半つまり、集中力が欠けてくる頃にそのような問題がおかれているということになります。
実際、私の指導経験から言っても学年が低くなればなるほど問題が進むにつれて集中力の欠けている生徒の正答率はおちていきます。
そこで、たとえ総合問題であっても全ての問題をまとめて解かせて一気に解説するという授業スタイルから大問一つずつ、もしくは二つずつなど制限時間を決め一度に解く問題数を減らし、指定した範囲を解き終えるごとに解説をしたところ生徒の正答率は大変上がりました。
また、間違えたところも「どうして間違えたのか?どこから違ってしまったのか?」など問題を解いてから答えあわせをするまでの時間が短い為に振り返りやすくなり理解度も深まりました。
この方法ではその生徒の集中力が続く大体の時間を把握した上で、その生徒の集中が続く時間は問題を解かせる集中が切れ始めたら、解説に切り替えるなど授業に緩急をつけることで効果が上がります。
試してみてくださいね!では次の集中力が欠けている生徒への授業方法です。
暗記物ほど時間を短く、楽しく!
先ほど、授業を細かく区切って集中できる時間と集中できない時間を上手く使い分ける方法をご紹介しましたが、多くの塾講師の方がこの子集中力がないなと感じるのは生徒に暗記をさせるときではないでしょうか?
また暗記すべきことは学年があがれば上がるほど多くなります。
受験生を担当していますが、授業中に覚えなければならない英単語や熟語が出てきたときに「はい、ここ覚えてね!」そういうだけでは生徒の頭に全く入りません。
切羽詰っている受験生でさえ、講師が口で指示するだけでは覚えるものも覚えられないわけです。
ですからなるべくなら授業中に出てきた覚えなければならないことは、授業中に覚えて帰ってもらうようにしましょう。
しかし、集中力が欠けている生徒に指導する場合に一番苦労するのは暗記をさせることです。
覚えている最中に集中がなくなり、単語を覚えさせようとしてもせいぜい始めの10個位しか頭に入っていません。
ではどうするか?ポイントは2つです!
①覚えられるか覚えられないかぎりぎりの時間を設定する
②覚えさせたら必ずすぐにテストし、合っていたら褒めまくれ
です。まず①についてですが、あなたが中々集中できない生徒だとしましょう。先生に10個単語を覚えるように指示されて「じゃあこの単語を10分で覚えてね!」と言われたとします。これでは単語一つにつき1分も使えますよね?そこまで考えないとしても、単語は10個しかないのに10分も使えるとわかったら心に余裕ができて必死に覚えようという気にはならないはずです。これは先生の設定した時間が悪いのです。
集中力が欠けている生徒に暗記をさせようとするなら設定する制限時間が大きな鍵になります。
単語10個に10分では一生懸命覚えようという気になりません。ここで5分に変えてみましょう。するとどうでしょうか?単純に考えて単語一つにかける時間は半分になってしまいましたよね?また5分で10個完璧に覚えるように言われたら少なくとも生徒の中に焦りが生まれます。
この焦りが大変重要なのです。焦りは集中を促します。
ですから、あなたが生徒に暗記させるときは覚えられるか覚えられないかぎりぎりの時間設定をして下さい。すると生徒の暗記できる数は大幅に増えるはずです。
次に②についてです。①の方法で暗記をさせてそれで終わりでは意味がありません。
実際に覚えているかテストをしないと覚えた気になって終わってしまうからです。
ちゃんとしたテストをする必要はありません。重要なのは覚えているかどうか確かめることだからです。
ですから、英単語などは講師が英語を読んで意味を答えさせたり日本語を言って英語を書かせるだけでも十分でしょう。
そして、大切なことはもう一つあります。それは正解したら褒めることです。
え?そんなこと?と思うかもしれませんがこの正解したら褒めるということは生徒の暗記能力を高めることに大変効果を発揮します。
私の周りを見渡しても生徒が正解したら何も言わずすぐ次の単語を聞く、そして間違えたところだけ指摘するという教え方をしている講師が多いですがそれでは生徒には自分ができなかったということだけが強く印象付けられてしまいます。
暗記しても、覚えられないと生徒が思ってしまっては覚える気がなくなっても仕方ないですよね?
ですから、正解したらしっかり褒めてちゃんと暗記すれば覚えられるようになると思ってもらうのです。
褒められて嫌な人はいませんよね?ですから高校生だから・・・気難しい子だからなど言い訳せずにできたところは素直に褒めてあげましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は手強い生徒の中の2タイプへの授業方法をご紹介しました。
本当にこの方法で授業をスムーズに進められるの?そうおもった方こそ今回ご紹介した方法を試してみてください!きっとその効果に驚くはずです。
個別指導で大切なことはシンプルです。
「一人ひとりに合った指導をすること」
最後まで読んでいただきありがとうございました!
手強い生徒への指導方法についてはあと2回後紹介していきます。ぜひとも楽しみにしていてくださいね。
では、教えることを楽しんでください!