悩ましき英作文、どう指導すればいい?
受験生を悩ませる英作文。かといっておろそかにしていると、差がついてしまう英作文。
受験生だけでなく、教えている我々も時に苦労してしまうこともあるかと思います。
そんなわけで、本日は英作文の解き方を改めて解説するとともに、点を取りこぼさないためのテクニックを確認していきたいと思います。
始める前にキーワードの確認。キーワードは【寄り道せず、一本!】です!
構成の確認
まずは構成の確認をしていきましょう。構成がしっかりしている答案は点を引かれづらいのです。がっちりカタめましょう!
例題として、
Q:通勤には車を使うべきですか?それとも電車を使うべきですか?
という問いがあるとしましょう。
Step.1 立場の明確化
まずやるべきは、【立場を明確に】することです。
今回の例ですとどうなるでしょうか?
日本人はあいまいさを好むこともあってか、「平日は電車を使い、休日に仕事がある際は車を使うべきです!」などと折衷案を掲げてしまいがちです。ですが、これでは立場が明確にはなっていませんね…。
ここは思い切って、どちらを使うべきかきちんと明示しましょう!
キーワードの【寄り道せず、一本!】がまずここで活きてきますね!
今回は、「通勤には、電車を使うべきです」とします。
Step.2 根拠となる理由
英作文は論理的でなければなりません。
言い換えると、必ず【根拠となる理由】がなければいけません。
通勤に電車を使うべき理由として、どのようなものが考えられるでしょうか?
まずは思いつくものを挙げていきましょう。
・環境にやさしい
・渋滞に巻き込まれることがない
・車よりもスピードが速い
・自分で運転せず、プロの運転士さんが走らせるので、安心
・電車の中の時間を有効に使えるから
などなど、数分で思いつくものをとにかく日本語でいいので、問題用紙の空いているところに書いていきましょう!
このとき、電車を使うべきでない理由は、たとえ思いついても答案に盛り込まないべきですね。以下のような例が挙げられます。
・より電車の混雑を招いてしまうため
・電車に事故がひとたび起きれば多くの人に迷惑がかかる
とにかく、自分の主張が正しくするための理由を考えていきましょう。
最初に示したキーワードがここでも活きてきますね!寄り道はしないのです!
Step.3 具体化
立場を明確にし、理由を列挙しました。
でてきた候補の中から、答案に書くべき理由をまずは絞りましょう!
ここでは、
・環境にやさしい
・電車の中の時間を有効に使えるから
の二つを答案に盛り込もうと思います。
ここで、「え、せっかく理由をこれだけ頭の中から絞り出したのだから、全部書けばいいじゃないか!」と思われる方がいるかもしれません。
それはやめておくべきでしょう。
ここでもう一つ大事になってくるのが、【具体化】です。
英語は具体的である、言い換えると説得力のあるものを好みます。
理由だけを述べておしまいにしてしまうと、どういう点でその理由が正当化されるのかがわからなくなってしまいます。つまり説得力のないものになってしまいます。それを防ぐために具体的に説明するのです。
何言っているかわかりづらいですよね…。というわけで説得力をもたせるために具体化してみましょう!
例えば、電車の中の時間を有効に使えるという理由を具体化してみましょう。
・電車の中で、本を読むことができるから。
・電車の中で、単語の暗記ができるから。
・電車の中で、スマホゲームができるから。
などなど、具体例はたくさん考えられますね!
これらも答案に盛り込んでいきましょう。
Step.4 シメ
立場を明確にし、理由を述べ、その理由の具体化を終えました。
あとは最後、きちんと文をシメてあげましょう!
「これら2つの理由から、私は通勤には電車を使うべきだと思います。」
といったように書ければ完璧です!
実際に答案作成をしてみよう
さて、いままで確認してきたことをおさらいしつつ、答案を作り上げていきましょう!
まずは、日本語で答案のベースを作ることをおすすめします。
【答案構成~日本語版~】
・私は、通勤には電車を使うべきだと思います。←Step.1 立場の明確化
・理由は2つあります。
・1つ目は、電車は環境に優しいからです。←Step.2 理由
・電車は二酸化炭素を出さず、環境問題解決に役立つからです。←Step.3 具体化
・2つ目は、電車の中の時間を有効に使えるからです。←Step.2 理由
・電車の中で、本を読むことができます。←Step.3 具体化
・本で得た知識は、日常生活の中で役立つでしょう。←Step.3 具体化
・これら2つの理由から、私は通勤には電車を使うべきだと思います。Step.4 シメ
2つ目のように、字数に余裕があれば理由の個数を明示してあげるといいですね!
まずは、答案の構成ができましたね。あとはこれを【自分が使いこなせる英語で】英語に直していきましょう。
【答案】
I think that people should use trains when they commute. I have two reasons.
First, trains are good for environment. Trains do not emit carbon dioxide, and it is useful to solve the environmental problem.
Second, people can use the time effectively in the train. For example, they can read a book in trains. What we can get from books will be useful in their daily life.
Considering these two reasons, I think people should use trains when they commute. (80 words)
自分が使いこなせる英語で、というのがポイントです。
どんなにいい理由や具体例が挙がってきても、それを間違いのない英語で書けなければ、点数を取りこぼしてしまいます。
ですから、簡単な英語で、間違いのない英語で答案を作っていくクセをつけましょう。
例えば、電車の中の時間を有効に使えるという理由の具体化として、「電車の中で英単語の勉強を毎日コツコツ続け努力すれば、将来だれにも負けないゆるぎない英語力を獲得できるから」と思いついたとします。
自信を持った英語で書けますか?少しむずかしいですね。本番は辞書がないですし。
リスクを軽減させるためにも、自分が使いこなせる英語で答案を作っていくようにしましょう。
点を取りこぼさないためのコツ
字数指定がある場合はどうすればいいの?
よくあるのが字数指定。
50wordsくらいですと「大したことないじゃん」なんて思ってしまいます。ところがいざ書いてみると書きたいことがありすぎてうまくまとまらなかったり。
あるいは、140wordsなんてあると、何を書けばいいかわからなくて、支離滅裂な文章になってしまった挙句、点数が悲惨なことに…なんてことはよくあると思います。
どのようにアプローチしていけばいいのでしょうか?
日本語1文=10wordsの法則
こんな法則が実はあるんですね。先ほどの例で確認しましょう。日本語8文。英語が80words。
ぴったりですね!(ネタバレですが、意図したわけでなくたまたまですよ。)
そんなわけで、この法則を使って構成を組み立てていくといいと思います。
50wordsの場合ですと、最初と最後は【立場の明確化】と【シメ】で使うので、あと3文だけ考えればOKですね!
1つを【理由】に、2つは【具体化】に充てられますね!
整理すると以下のようになります。
① 立場の明確化
② 理由
③ 具体化ⅰ
④ 具体化ⅱ
⑤ シメ
これで構成は完璧です!
では長めの140wordsはどう対応すればいいでしょうか?
これも同じように考えていきます。日本文を14文考えればいいわけですね!
最初と最後は必ず使うので、残りの12文を考えましょう。
「12文もどう埋めるんだい」と思うかもしれませんが、難しくありません!
理由と具体化をたくさんすればいいのです!
整理するとこんな感じになります。
① 立場の明確化
② 理由⑴
③ 具体化ⅰ
④ 具体化ⅱ
⑤ 具体化ⅲ
⑥ 理由⑵
⑦ 具体化ⅰ
⑧ 具体化ⅱ
⑨ 具体化ⅲ
⑩ 理由⑶
⑪ 具体化ⅰ
⑫ 具体化ⅱ
⑬ 具体化ⅲ
⑭ シメ
長くなりましたが、こんな感じで答案構成を行っていくと、ブレずに論理的な文が書けます!
間違い探しの時間を確保しよう!
答案が返ってきてから自分がもったいないミスをしていると気づくことがあります。
よくあるのが、三単現のsだったり、冠詞が抜けていたり、There is booksなどとしてしまっていることですね。
1点の差で合否が決まる受験においては、こうしてミスは命取りです!
これらを防ぐにはどうすればいいでしょうか?
それは、「答案ができたらそれだけを確認する時間を取ること」です!
構成は問題がないので、文法的ミスがないかをチェックすれば、間違いはほとんどなくなります!
よく間違えやすいのは、すでに述べた三単現・冠詞・単複です!
これらをメインに確認しつつ、文法的ミスのチェックに1分ほどでいいので割きましょう!
おわりに
英作文はできる人とそうでない人で差がついてしまいます。
ですが、間違いのない英文が書ければ、ミスは限りなく防げ、点を取りこぼすこともほとんどなくなります!
伸び悩んでいる人や、そもそもどうアプローチしていいかわからない人には、ぜひ、今回紹介した方法を使いこなしてほしいです!