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これで完璧!! 英語の時制

高校生

2021/12/17

日本人にとって難しい 英語の完了形

日本語と同様に英語にも様々な時制があります。英語の時制なの中で、日本人にとって最も難しいのが完了形です。

例えば、I ate lunch. と I have eaten lunch. という二つの文を日本語に訳した場合、両方とも<私は昼食を食べた>となり、同じような日本語になってしまいます。よく生徒は苦し紛れに、完了形の方の文を<私は昼食を食べてしまった>と言うように訳したりしますが、このように、便宜上、日本語を<~してしまった>と変えて訳しても、本質的な意味はよく分かりません。

では、完了形と過去形を見分けるにはどうすればいいのか、それは文の意識がどこにあるかに注目することです。そうすれば完了形は使いこなせます。では、具体的な内容に入っていきます。

意識が過去なら過去形、意識が現在なら現在完了形

先程挙げた文を使って簡単に説明していきます。

過去形のI ate lunch.の方は、<過去に昼食を食べた>という、事実を述べたい場合に使い、現在完了形のI have eaten lunch.は<現在、食べ終わってしまっている>という、現在の状態を強調したいときに使われるのです。

つまり、過去形の場合には、過去の事実に意識が向いているのに対して、現在完了形の場合、意識は現在にあるのです。これが過去形と現在完了形の違いです。

完了形の三つの意味

現在完了というのは、現在に意識の中心があります。そしてその完了形には<経験、継続、完了>という三つの意味があります。各用法をそれぞれ見ていきながら生徒の理解を深めます。

経験

I have visited London twice.

私は二度ロンドンを訪れたことがある。

過去から現在までに<~したことがある>と言いたい場合は経験の意味になるわけです。

継続

We have lived in this house since 1992.

私たちは1992年からこの家に住んでいます。

過去から行っていることが、現在まで続いているといいたい場合は<ずっと~している>という継続の意味になります。

完了

I have already spent all my money.

もうお金を全部使ってしまったんです。

現在までに<~してしまった>状態で、そして現在はその動作が終了していると言いたい場合は完了の意味になります。

このような三つの意味に共通していえることは現在の状態がどうであるかということを述べているということです。生徒には完了形を使う際には、常にこのことを意識するように指導しましょう。

 

過去形は文の中で、yesterdayなどの過去を示す単語が含まれていれば、文末に「~た」をつけて訳すだけなので簡単です。英作では普通の現在形の文の動詞を過去形に変えるだけですし、英作文も簡単です。ここで言いたいことは、日本語訳が簡単であれば英作文も簡単であるということです。現在完了のような少し癖のあるものはまず、訳の仕方から覚えさせることです。訳を一通りできるようになれば必ず英作文もできるようになります。現在完了を教えるときは訳の問題を中心に指導していけば生徒にうまく伝わると思います。もちろんその時は、現在の状態がどうであるかを常に意識させてくだい。

過去完了形のもう一つの用法

現在完了形は現在を基準としているのですが、基準が過去になった場合は過去完了形が使われます。過去完了形にも、現在完了形と同じように三つの意味があり、<過去までの完了><過去までの継続><過去までの経験>を過去完了形は示すことが出来るのです。では、各用法の例文を一つずつ上げます。

経験

I had never spoken to a foreigner before I entered college.

大学に入るまで、私は一度も外国人と話したことがなかった。

継続

We had known each other for ten years when they got married.

私達が結婚した時、知り合ってから10年になっていた。

完了

The game had already begun when they arrived at the stadium.

彼らが競技場に着いたとき、すでに試合は始まっていた。

大過去

実は完了形には、もう一つ大事な用法があります。それは、大過去というものです。たとえば、<10年前に拾った時計を、私は昨日もらった。>などという文を書く場合には、<10年前の過去>と<昨日>という過去を、使い分けなければなりません。その場合に過去よりも、さらに過去であることを示す場合、過去完了形が使われるのです。そして、この過去完了形のことを大過去と呼びます。

<大過去の文>

He said to me yesterday that he had seen the movie the day before.

彼は昨日私に、前の日に映画を見たといった。

これもまた、普通の過去完了と紛らわしいですね。では、見分けがつきやすくなるように二つの文を並べてみましょう。

<普通の過去完了の文>

I had never spoken to a foreigner before I entered college.

大学に入るまで、私は一度も外国人と話したことがなかった。

<大過去の文>

I realized that I had left my book in his car.

彼の車の中に傘を置き忘れたことに気づいた。

上の方の文は経験の文ですね。完了形の例文を出すたびにこれはどの用法なのかを必ず生徒に聞いてください。それらを把握していないと長文内に出てきたときに、文の意味がずれてしまうことがあるからです。では、同じ過去完了形の文ではあるのに、用法名が異なるこの二つの文。具体的に何が違うのか。それは訳に注目すればわかりやすく教えることが出来ると思います。

現在完了形は今と今までをつなげて考えるものでした。それに対して過去完了形は、過去のある時点とその時以前をつなげて考えるものです。

上の方の普通の過去完了形の文、過去の時点は大学の入学時、そして、それ以前に外国人とはしゃべったことがなかったと言っています。それに対して大過去の方は、それがぱっと出てきません。同じ過去完了形の文が文中に使われていても、その過去完了形の部分が文の最初に来るか、後に来るかで用法が違ってくる、と指導すると良いと思います。もちろん上記を見てわかるように普通の過去完了形の文が完了形の部分は最初に来て(もしくは、過去の時点が文の最後に来ると教えるのもいいと思います。)、大過去の文は完了形の部分が後に来ます。

これで生徒も区別することが出来ます。

では、大過去の解説に入っていきます。まず大過去の文にはthat節が使われることが非常に多いということを頭に入れておくように指導してください。大過去はいわば過去の過去です。その過去に起こった二つの出来事について、時間的に一番前に起こった出来事を過去完了形にすると指導してください

では上の文を見てください。この文では本を置き忘れたのが気づいたときよりも前のことになります。なので先程言った通り大過去の文は後に完了形が来るので、先にrealized、その前の出来事の置き忘れたをhad leftと過去完了形にして、二つの出来事の時間的な前後関係を明確にしています

確認問題

この二つは文法問題でも出ますが、訳の問題で出てくることの方が多いです。この時に、正確に訳さないと減点になってしまいます。なのでこの二つの理解度の確認に関しましては二つの文の訳をさせてください。普通の過去完了形と大過去の区別を意識しながら解かせると生徒も解きやすくなります。

<これらを訳しなさい>

I had been in the hospital for a week when she came to see me.

I realized that I had lost my watch in the hospital. 

まずはどっちが大過去かを確認して下さい。後に過去分詞形がきていて、thatがある下のほうの文ですね。では上のほうの文は当然ただの過去分詞になります。区別は簡単ですね。ではそれぞれ意識すべきことを意識して訳していきましょう。では上の文から行きます。

上の文

ただの過去完了形は過去のある時点とその時以前をつなげて考えます。過去の時点は彼女が自分に会いに来てくれた時です。そしてその時以前に一週間入院していたといっているわけです。なので彼女が会いに来てくれとき、私は一週間入院していた、となるわけです。ですがこれでは違和感があります。訳をするときに何より重要なことは、採点者に簡単に伝わるように、わかりやすく日本語で訳すことだと指導してください。意訳をしなくては意味が分からなくなってしまうことは、大学受験では多くあります。これは異なる言語なので仕方のないことなのです。なので先程の訳をわかりやすく直すと、

<答え>

入院して一週間たってから彼女が会いに来ました。

下の文

文中の過去の部分、過去の過去の部分、これらを明確にして訳すときれいに訳すことができます。過去の部分はrealizedの気づいた、大過去は過去完了であらわされているhad lostのなくした。当然時間の流れ的に大過去から訳さなければいけません。とすると、

<答え>

私は病院内で腕時計をなくしたことに気付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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