問題、図の中に相似な三角形を選び、相似であることを記号であらわせ。
三角形の相似を生徒に教えるとき、生徒がつまづきやすいポイントはこの「一見複雑な図から相似な三角形を選び取ること」です!相似条件といえば
(1)3組の辺の比がすべて等しい
(2)2組の辺の比が等しく、その間の角が等しい
(3)2組の角がそれぞれ等しい
の3つです。
学校のテストや入試で頻出なのはこの(3)です。そこで、この(3)を使う練習を生徒に行わせる必要があります。最初のうちは右図のようなシンプルな形でDEとBCが平行という条件であれば生徒もそこまで悩むことなく
△ABC∽△ADE と答えてくれるでしょう。
しかし、タイトルにある図だとどうでしょうか??三角形がたくさんあり、生徒の手は止まってしまうはずです。そこでまずは右図のパターンで考えてみましょう。
この図でも多くの生徒が2つの三角形だけに注目して、2つだけが相似というはずです。
正解は △ABC ∽△DBA ∽△DAC です。
ここでよくみられる間違いとしては「△ABC∽△DAB」のように、
していないということがありますので、生徒の解答には注意を払う必要があります。このような問題では正解を示してもなかなか生徒は納得してくれません。どうしたらいいのでしょうか??
ポイント:同じ角度のところを[O×]や[色]で強調する!!
生徒に相似であることを実感させるには○×や色が効果的です。
○×、色によって同じ角度であることをはっきりさせます。説明の手順としてまず∠ABC = ○ 、∠ACB = × とします。このとき、○+× =90°が成り立ちます。そうすると、∠BADや∠CADといった角度も×、○という風に書くことができます。そうすると右図のような形になりました。
三角形ABCというのは順番に90°、○、×と対応しています。同じようにして、三角形DABのなかで90°、○、×の順にD,A,Bを入れさせます。三角形DACも同様です。そうすると、スッキリ理解してくれます!! 黒板であれば○×でなくとも赤や黄色で表現するのもいいと思います。
まとめてみると
①書けるところに○×をつける
②90°、○、×の3つの角度が入った三角形を見つける
③90°、○、×の順番に頂点のアルファベットをならべる
となります!!
では最後に最初の図(右図)で○×つけをやってみましょう!
先生の立場からみれば上の図に一本線が加わっただけと思うかもしれませんが、上の図をまずは見ないで右図に○×つけをやらせることで生徒の理解は深まります。
・・・できましたか?○×つけし終えた図は右図のようになります。
あとは先ほどと同じように三角形ABCが90°、○、×の順番に角度が並んでいるので、○、×、90°を3つの角度とする三角形をまずは見つけさせ、それぞれの三角形を90°、○、×の順番に並べることで答えの完成です。
答えは
△ABC ∽ △DBA ∽ △EAD ∽ △EDC ∽ △DAC
の5つです! 今回は 90°、○、×の順番に並べてみました!もちろん、×、90°、○などの順番でも相似な三角形の対応する角が揃っていれば正解です。このあたりも生徒に強調したい点ですね。
相似は図形を使うという事で生徒は敬遠しがちですが、○×つけなど工夫を入れて楽しく問題を解かせましょう!!!
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