10本のくじの中に3本のあたりがあるとしましょう。これをA,B,Cの3人が順番にくじを1本ずつ引いていきます。
Aが引くとき
10本の中に3本あたりがあるので、当たる確率は 3/10 になります。
Bが引くとき
Aが当たりを引いていたら当たりは2本、はずれを引いていたら3本です。ということで場合分けです。くじの総数は9本です。
①Aが当たりを引いていた場合
2本の当たりがあるので当たる確率は2/9 になります。
②Aがはずれを引いていた場合
3本の当たりがあるので当たる確率は3/9 = 1/3 となります。
①の状況になる確率は3/10 , ②の状況になる確率は1- 3/10 = 7/10 なので、Bが当たる確率は3/10 × 2/9 + 7/10 × 1/3 = 3/10 となります。これはAが当たる確率に等しくなります。
やっと2人目まで終わりました。3人目になると更にBが当たるかどうかでも場合分けが必要となります。そのままやるとAとBが当たるかどうかで4通りの場合分けが必要となります。そこで少し工夫をして、残りの当たりの本数で場合分けをします。2人引いた後なのでくじの総数は8本です。
Cが引くとき
①残りの当たりの本数が1本のとき、当たる確率は1/8 になります。
②残りの当たりの本数が2本のとき、当たる確率は2/8 = 1/4 になります。
③残りの当たりの本数が3本のとき、当たる確率は3/8 になります。
①の状況は2人とも当たりを引いているときです。このときの確率は 3/10 ×2/9 = 1/15 , ②の状況はAかBのどちらかが当たりを引いています。このときの確率は
3/10 × 7/9 + 7/10 × 3/9 = 7/15 , ③の状況は2人ともはずれを引いているときです。
この時の確率は7/10 ×6/9 = 7/15 となります。
以上より、Cが当たる確率は
1/8 ×1/15 + 1/4 ×7/15 + 3/8 ×7/15 = 35/120 + 1/120 = 3/10
となり、3人とも当たる確率は 3/10 の確率になることが分かりました。
同じようにして、m本のくじをn人で引く場合も計算すれば誰でも当たる確率は3/10となります。
くじ引きが平等であること
そうはいっても、みなさんは早いうちにくじを引いておきたいとは思いませんか?
例えば、10本の中に3本の当たりがあるくじで、6番目に引くとするとき、残りはすべてはずれくじの可能性がありますからね。数学はそうした主観を取り除いて、客観的な答えを提供してくれます。どこで引いても自分が当たる確率は同じだと考え、慌てずにくじを引いてください。少し話は逸れましたが、くじ引き問題はだれもが同じ確率になるので、計算の検算に有効です。ぜひ活用してください!
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