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時差の計算方法とは?分かりやすい指導法付き【中学生指導向け】

中学生

2021/12/17

 

 

はじめに

「時差の計算」に関する問題は、なかなか理解がしにくく難しいものです

 

教科書やテキストを開いてみると、

 

「日付変更線を東から超える場合」

「日付変更線を西から超える場合」

 

など、イメージしにくい内容が書かれています。

 

またイメージできても時間を取られてしまうため、

 

捨て問として扱われたり、授業内で扱われないこともよくあります。

 

 

講師の中にも、解き方がよくわかっていないという人はいるのではないでしょうか。

 

しかし、こうした問題は、解法を覚えてパターン化してしまえば、それほど苦にならないことが多いです。

 

 

そこで本記事では、

理解しやすい、また問題を解きやすい「時差の計算」の考え方・指導法を紹介します。

 

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使用する世界地図


地図資料①

日本版世界地図

 

地図資料②

 イギリス版世界地図

「時差の計算」を考える場合、日本で主に出版されている

日本を中心にした世界地図(地図資料①)ではわかりにくいです。

 

これは日本を中心に考えると、「日付変更線」が中途半端な位置に来てしまい、

 

その度、冒頭で記したように「日付変更線」を考慮して解く必要があります。

 

それが、「時差の計算」をわかりにくくしているのです。

 

 

しかし、世界地図の中心をイギリスとすると、

「日付変更線」を無視することができるようになります

世界地図の両端に「日付変更線」が来るため、単純に時差を足し引きするだけで済むことになります)。

 

 

そこで市販の世界地図をコピーし、

イギリスが中心になるようにした世界地図(地図資料②)を用意しましょう。

 

インターネットからのダウンロードでも、もちろん問題ありません。

 

その場合、「世界地図 イギリス版」などで検索をかけると見つかります。

 

また、この地図を見せながら指導を行うことが、生徒の理解の促進につながると思います。

生徒用にも、こうした世界地図を配布するなどしておくことも重要です。

 

問題に当たらせる際には、必ず参照させましょう。

 

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指導手順①:「時差の計算」のための暗記事項

まず、以下のⅠ~Ⅲの要素を生徒に暗記させてください。


この部分を覚えていないと、そもそも問題をとくことができないでしょう。

 

 

 また指導時の解説時の具体例として、日本と中国(※標準時=北京)のどちらが早く正月を迎えるかも照らし合わせてみます。すると、

 

Ⅰ.時差は主に経度の違いで決まり、経度が15°ずれると、1時間の時差が生まれる。

  ⇒日本は東経135°・中国は東経120°なので、1時間の時差がある。

 

Ⅱ.東経はその度数が大きいほど、西経はその度数が小さいほど東側にあるといえる。

  ⇒日本と中国は双方東経で、日本の方が15°大きいことから、日本の方が東側にある。

 

Ⅲ.東側にある国の方が、現地時間が進んでいる。

  ⇒日本の方が東側にあるため、日本の方が1時間早く正月を迎える。 

 

というようになります。

Ⅰ~Ⅲは確実に暗記するようにしましょう

 

先ほども述べた通り、

世界地図を実際に示しながらこの暗記を指導することが、

より早い理解につながるハズ

位置関係を視覚で把握しながら、暗記事項と合わせて問題を解くことができるため)です。

 

指導手順②:「時差の計算」のパターン

実際に「時差の計算」を行ってみましょう。


ここでは、それぞれのパターンに分けて「時差の計算」を考えることにします。


基本的に指導手順②も暗記になると思います。


しかし、教科書やテキストに載っているやり方と比べると、比較的簡単です。


「時差の計算」は以下の(1)~(3)の3パターンに分かれます。

こちらでも、世界地図を参照しながらの指導を行ってください。


(1)「時差の計算」をする2つの地点が、両方とも「東経」の場合(地図資料②:AB)

まず、両方とも「東経」の場合です。

 

例えば、地図資料②のBの現地時間を12月1日22:00とし、Aの現地時間を求めるとします。


ABを地図上で見ると、経度の度数の差の分だけ離れていることがわかると思います。


そこで、A=東経135°・B=東経75°より、135 - 75 = 60° = 4時間の時差を求めることができます。


そして、Aの方が東側にあるため、Aの方が時差の4時間分Bよりも進んでいることになります。


よって、Aの現地時間は、12月2日 02:00となります。

 

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(2)「時差の計算」をする2つの地点が、両方とも「西経」の場合(地図資料②:CD)

今度は、両方とも「西経」の場合です。地図資料②のCの現地時間を12月1日 22:00とし、Dの現地時間を求めるとします。


CDを地図上で見ると、(1)と同様に、経度の度数の差の分だけ離れていることがわかると思います。


よって、C=西経90°・D=西経150°より、60°=4時間の時差を求めることができます。


そして、Cの方が東側にあるため、Dの方が時差4時間分Cよりも遅れていることになります。


つまり、Dの現地時間は12月1日 18:00になります。

(3)「時差の計算」をする2つの地点が、「東経」「西経」に分かれる場合(地図資料②:ADなど)

最後に、「東経」「西経」に分かれる場合です。


今回は地図資料②のDの現地時間を12月1日 22:00とし、Aの現地時間を求めるとします。


ADを地図上で見ると、(1)や(2)とは異なり、このパターンのみ経度の度数の和の分だけ離れていることに気づけるでしょう。


ゆえに、A=東経135°・D=西経150°より、135 + 150 = 285°=19時間の時差を求めることができます。


そして、Aの方が東側にあるため、Aの方が時差19時間分Dよりも進んでいることになります。


つまり、Aの現地時間は12月2日 17:00になります。


総括

ここまで見てきた(1)~(3) の3パターンが、「時差を求める問題」の全てのパターンです。

 

ここで注意すべき点が2点あります。

 

1点目は、「パターンが混ざってしまう」ことです。

 

頭でわかったつもりでも、何問か解いているうちに、「度数の足し引き」「東西の位置関係」が混ざってしまうのです。

 

それを防ぐためにも、ある程度慣れるまでは、世界地図を見ながら考えるようにしましょう

また、わからなくなればその都度確認させる癖もつくと良いでしょう。


2点目は、実際の問題は、「移動時間」も考慮することになるということです。


(1)~(3)の例は、あくまでも時差のみを考慮しています。

しかし問題文には、「飛行機に5時間乗って、現地に到着した場合の現地時間を求めなさい」などと書かれていて、到着時間を求めさせられることが多いです。



もちろん移動時間がかかっているため、時差のほかにも移動時間を足し引きする必要があります。


そのことについてもしっかりおさえておきましょう。

「時差を求めて移動時間が考慮されていない」というのは、よくあるケアレスミスです。



また、時差などの条件がわかった状態で、移動時間を求めさせる問題も希に出題されます。

そこまでカバーするのであれば、逆算の考え方も身につけましょう。


まとめ

いかがでしたでしょうか。

時差の計算は一見複雑に見えますが、簡単な計算と世界地図で答えを出すことができます。

 

やはり、暗記事項やパターン、解法をしっかりと身に付けることが重要です

 

難しい単元ではありますが、慣れてしまえば楽になります。ぜひ、問題にトライしてみてください。

 

 

 

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