どこでつまずく?英語の苦手な生徒
講師の皆様、お疲れ様です。最近冷え込んできましたので体には十分気を付けてください。さて、今回は講師の皆様が必ずと言っていいほど一回は会ったことがある英語がまるで出来ない子への対処方法をお教えします。英語は出来ないと嫌いになっていく一方です。ですが、中学英語はこれから先、英語を学ぶにあたりとても重要な役割を担っておりますし、現実的な話、公立高校に進学しようが、私立高校に進学しようが受験科目として必ず使います。そんな重要科目である英語を苦手としている生徒はたくさんいます。そのような生徒を救う指導方法をとりわけまるで出来ない子供に重点をおいて、講師の皆様にお伝えしようと思います。
一般動詞とbe動詞
まず最初に講師の皆様に覚えておいていただきたいのは、英語が出来ない=英語が嫌いだということです。中学生は嫌いなことからよく逃げる傾向にあります。特に英語は単語や文法など、ほかの教科とは比べものにならないスピードで覚えることが増えていきます。生徒達は、英語が難しいから英語を嫌っているのではありません。英語でテストの点が取れないから嫌っているのです。英語は他の教科よりはるかにシビアです。理科、社会などは、一回のテストでやった範囲はその後のテストには出てきません。しかし、英語は一度やった単元は次のテストにも、その次のテストにも当たり前のように出てきます。中学生のテストは、期末時は少し増えますが、基本、五教科です。部活で忙しい子なんかはたいてい一週間前からしか勉強しません。たいてい五教科のうち、どれか一教科は捨てます。そしてその教科、いわゆる捨て教科が英語になることがとても多いのです。なぜなら英語は一番勉強時間がかかると生徒たちは思い込んでいるからです。その思い込みを解消する方法は今回のポイントではありませんので皆さんの自分のやり方で解消してあげてください。
では、今回のポイントは何か。それは、先程申し上げた、英語は一度やった単元はその後も当たり前のように出てくるというところです。私の経験からして、一度悪い点数を取った子供が次のテストで格段に点数を上げることは、あまりありません。なぜなら前回捨てた単元も勉強しなくてはならないから、勉強時間を多く費やしてしまうからです。そしてまた不完全のまま試験に臨み、同じ繰り返しです。
では、生徒がよく捨てる単元とは何処なのでしょうか。それは助動詞でも過去形でもありません。一年の後半部分で学ぶ一般動詞です。ここで学ぶことは、その後のテストで、とても重要な役割を果たします。なので、この生徒は一般動詞を理解できていないなと思ったら、決して先には進まないで下さい。この単元のテストで点を取れなかった生徒で、その後のテストで点を取った生徒を、私は見たことがありません。というよりいるはずがないのです。
英語のテストで50点を大きく下回っている生徒は、この単元でのつまずき、単なる単語不足が原因です。単語不足に関しては、英語が嫌いな生徒は、決して教科書のわからない単語を辞書で調べたりしません。なのでそのような生徒には、保護者に電話して、簡単な中一から中三までの範囲の単語帳を購入してもらい、週に一回ここまで覚えてくるようにと、細かく確認してあげましょう。中学生の覚えるべき英単語はあまり多くないので、すぐにこの方法で解決できます。要点がそれてしまいましたが、単語の暗記をやたら嫌う生徒が多いので、この方法が効果的です。保護者に家で問題を出してあげるように伝えるとさらにいいでしょう。
さて、文法のほうに視点を向けましょう。文法は、点が取れない生徒は決して自ら予習、復習などしません。なので彼ら自身、どこが曖昧なのか理解していないのです。では、どうやって彼らに、どの箇所が理解できていないと分からせるのか。
それは、口頭での質問です。
問題を解かせるのではなく、口頭で質問する。これがとても重要なのです。突然聞かれたことに、考え込まずに即答できる。これは、理解しているということの何よりの証拠です。では、内容に入っていきましょう。まずbe動詞を三つ言えるか聞いてみてください。ここでつまずく生徒は意外に少なくありません。まずはこれをすぐに言えるようにさせましょう。その次に、「彼はサッカーをします」を英訳させてみてください。ここで、he is....などと詰まる生徒こそが、今回の議題の対象です。
一般動詞の重要性
一般動詞を教える前に、いかにこの単元が重要か、生徒に説明する必要があります。このレベルの生徒は軽くビビらせる程度に説明しなければ、真剣に取り組みません。なので、この単元を理解していないと、この先どれほど大変か、この先の英語の勉強がどれほど無意味になってしまうのかを、必ずきちんと説明してください。
では、一般動詞を理解させるお勧めの方法をご紹介します。まず、一般動詞=三人称単数だということを覚えさせてください。このレベルの生徒は何が動詞で何が名詞かということもたいてい理解しておりません。練習問題をやらせて、ここにsをつけるんだよと説明しても、その時だけ理解したふりをし、どうせテストになると何もできません。このような生徒に何が形容詞で何が副詞かなどを理解させるのは、まだこの時点では、しないほうがいいでしょう。
英語の文は主語、動詞の順番で始まり、この単元は一番最初にくる主語によって、二番目にくる動詞が変化するので一番最初の語句に注目するようにと、説明すればわかりやすいと思います。一見、説明口調が少し幼稚に感じるかもしれませんが、このレベルの生徒には丁度良いと思います。少しでも、曖昧、複雑なことを言うと、この手の生徒はすぐに聞くことを放棄し、理解したふりをし始めます。なので、このように根本的な部分からなるべくシンプルな語句を用いて説明することが大切です。では次に進みましょう。先程の英語の語順が理解出来たら、三人称単数の、言葉の意味を理解させましょう。このレベルの生徒は曖昧や意味の不明を嫌います。これらが彼らのやる気を奪っていくのです。なので、このような単元名が出てきただけでも、彼らはうんざりするのです。
では、単元名をうまく内容と絡ませながら手短に、シンプルに説明する方法をご紹介します。まず、三人称と聞いた瞬間、生徒は一と二は?と思うはずです。なので一人称は私=I、二人称はあなた=You、ということを覚えさせましょう。その次に、それ以外が三人称であるということを覚えさせましょう。ここで重要なのは、それ以外という言葉で説明を終わりにしないことです。先程も行った様に、このての生徒は曖昧を嫌います。なので、まず日本語で私とあなた以外の主語を言わせ、また、それを英語で言わせることによって、主語の単語の確認もできます。さりげなく確認すると、意外に私たち講師が当然理解しているだろうと思っていたことも分かっていなかったりします。それ=it,あれ=thatなども三人称になるということも忘れず教えてください。主語が人の時だけだと勘違いする生徒が非常に多いです。
次は単数の説明です。単数は1つという意味だとシンプルに教えると良いと思います。yousuke and tatuyaは三人称になるかなど、口頭で簡単に問題を出すだけでも彼らの理解度は高まります。このように問題を出したり、例をあげたり、あげさせたりする口頭のやり取りを中心に、説明してあげてください。そして練習問題を行う際は、必ず肯定文、否定文、疑問文をいっぺんに解かせてください。これは過去形や助動詞など他の単元でも同一の理屈なのでこれだけはどの単元をやるにせよ徹底してください。
まとめ
おおまかな手順の説明でしたがいかがでしたでしょうか。今回は英語がまるで出来ない生徒を対象とした記事でしたが、そういう生徒は皆さんが教えている生徒の中でも少なからずいるのではないでしょうか。個別指導の方、集団指導の方もこのような生徒を見捨てないであげてください。やる気を引き出すのも我々の仕事です。三人称のテーマと共に私が感じたこのような生徒の特質を紹介したので、他の教科でも役立てていただけたら幸いです。