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【英語教師必見】やさしい英会話のコツ♪

英会話

2021/12/17

英会話のコツ♪


英会話に必要な語彙数

 「どのくらいの単語を覚えたらいいの?」とよく質問を受けます。僕の経験から判断すると、1,000語あれば日常に困らないだけの英会話ができ、2,000語あればかなりの内容を英語で説明ができると思います。

 1,000語?!」と意気消沈してしまう生徒も多いのですが、これはoneappleなどのかんたんな単語を含めた数の話。実際に覚えるのは、せいぜい多くても500語でしょう。でもその1,000語は無意味なものであってはいけません。そこから話を始めましょう!

 

教科書で学んだ英単語

  中学1年生で使われている英語の教科書を開くと、ABCとあわせて「Aapple…、Bbanana…」というようにアルファベットとその頭文字の英単語が紹介されています。それらの単語を眺めてみると、elephantkey…、最後にはzooといった単語などが登場します。僕が中学校のときに使っていたテキストにはWにはwhale、Yにはyachtなんていう単語がありました。

 ここでよく考えたいことは、われわれの日常会話に「象や鍵、動物園…といった単語がどれだけ登場するか」ということ。「鍵」についていえば、多少使う機会はあるものの、それでも僕の生活では1カ月に数回程度。「象」や「動物園」に関しては、この1年間、日常会話の話題に出たことはありません。「ヨット」について言えば論外です。それは日本語だけでなく、英語も同じなのです。


 日常で必要な英単語とは

  たとえば、僕がZをイメージしてみると、ちょっと難しい”Zodiac”という単語が浮かびます。初めて耳にする人も多いと思いますが、おひつじ座、おうし座…といった占星術の「12星座」を意味します。

 僕が朝6時ごろ目覚めてテレビをつけると各局が情報番組がやっていて、番組の終わりには占いコーナーがあります。つまり、日本語で考えてみても、日常で耳に頻度についていえば、「動物園」よりも「12星座」なわけです。

zooは知っていたけど、Zodiacは知らなかった!」という人はかなり多いと思いますが、日常会話を意識した英単語の覚え方とすれば「順番が逆」なわけですね。

 

英語学習者を分析

  僕も10年ほど前に自宅で英会話教室を開いていたときがありますが、生徒は自分が関心のある単語ほど覚えるのが早いと感じたことが何度もありました。最近の例でいうと、アニメファンの女子生徒に「先生、同人誌って英語でなんて言うのですか?」と尋ねられ、「ファンのためのマガジンでfanzineっていうんだよ」と教えましたが、彼女はその一度で完全にマスターしました。彼女の日常生活ではおそらく、「同人誌」がホットな話題だったようですが、別の言い方をすると、彼女にとって覚えておかなくてはいけない単語だから英語でも覚えたいと考えたのでしょう。大事なところはそこなのです。

 英会話指導においては、教え方を研究したり、いろいろな表現を教えることも大切ですが、それ以上に学習者のライフスタイルを十分把握することが大切です。その生徒の生活を考えて、いったいどういう単語を使うのかをよく分析することが何よりも大切です。

  僕の生活を例にあげると、外出が多いのでペットボトルや缶の飲み物を買うことが多いです。でも、僕は英語でカップやグラスの言い方を教わったことはありますが、ペットボトルや缶の英単語を教わったことはただの一度すらありません。われわれ英会話の指導者は「ペットボトル」「缶」などのような、より生活に密着している単語を英語で言えるように指導することをお勧めします。

 日本人の英語学習者は、たとえばappleという単語を見たり聞いたりしたときに、頭で「リンゴ」と日本語に一度翻訳してから、リンゴのイメージを浮かべます。しかし、身近なものを話題に出して何度も触れることによって、コンビニなどでペットボトル見てplastic bottle、缶を見てcan…というようにポーンと頭にイメージが浮かぶようになります。


まずはあいさつから

  僕はいろいろな中学校や高校で英語を指導してきましたが、不思議に思うのがあいさつ。どの教科書を見ても必ず、”How are you?” “I’m fine.” というやりとりがあります。英語圏の友だちに”How are you?” と声をかけても、”Fine.” と返してくれた人はほとんどいません。

 それだけでなく、ネイティヴ・スピーカーがfineという単語を日常で使うかというそれほど多くはありません。英会話に重点を置いた英語の指導であれば、”I’m good.” と答える習慣をつけさせましょう。


“How are you?”の受け答えに使える表現をいくつか紹介しましょう!

I’m good. (元気です。)

Not bad. (まあまあです。)

I’m OK. (まあまあです。)

I feel lethargic. (ダルいんですよ。)

Couldn’t be better! (最高!)

I’m on cloud nine! (ウキウキなんだよ!)

 

 

LRの発音を意識

 日本人はLRを区別して聞きとることが苦手です。僕もリスニングCDを何十回も聞いてその違いを区別できるようになろうとがんばりましたが、ぜんぜんできるようにはなりませんでした。高校の英語教師に採用されたことにより、生徒の前でお手本として英文を読むことになったので、それからはできるだけLRを区別して読むように心がけました。

 最初はLRを意識しながらゆっくりと読んでいた英文ですが、しばらくすると無意識にLRを区別して読む習慣が身に付きました。別の言い方をすると、区別して読まないと気持ち悪い…と思うようになったのです。

 最初は音読のための発音練習でしたが、不思議なことに、あれだけ聞きとれなかったLRの発音が自然に区別できるようになりました。もし、「LとRの発音については考えたこともなかった」という人であれば、それを意識して読むようにしましょう。

 LやRの違いをあまり区別しないことからもわかるように、学校や塾でも文法や単語の指導と比べると、音読はあまり重要視されていません。しかし、こまかな発音の違いを教えることで、生徒自身が英語力向上を実感していると感じるようになることでしょう。それだけでなく、英語を苦手としている生徒にとっては、英語の発音が自信へとつながるのです。

 

文はできるだけ短く

 みなさんも経験があると思いますが、「短いメール」と「長文のメール」では、短いメールのほうがいいたい内容が伝わります。長文のメールは読み手に伝わりにくいだけでなく、書いている本人もわけがわからなくなったりします。母国語である日本語でさえもそうなるわけですから、英語であればなおさら大変です。

 そのような理由から、僕は生徒に英語で説明するときも、生徒に英語で受け答えさせるときも、できるだけ短い英文を使うよう(使わせるよう)に心がけています。理由はかんたんです。文が長くなるほどケアレス・ミス(おっちょこちょいな間違い)が生じて、話をしている自分がわけがわからなくなってしまうからです。下の表現を参考にしてください。

I made an effort to study English yesterday, but in vain. 

〔英検2級レベル〕

make an effort to do(~しようと努力する) in vain (無駄に)


かんたんにすると…

I tried to study English yesterday, but I didn’t.  

〔英検3級レベル〕

try to do(~しようと試みる)

 

もっとにすると…

I couldn’t study English. 

〔英検4級レベル〕

 

couldn’tは「~できなかった」という意味から、「やろうとはした」というニュアンスが含まれているのがわかります。こうやって生徒が英文を言えるようにすると、「英語を話したいけど苦手…」という生徒の英語アレルギーもだいぶ軽くなりますね。

 

伝えたいことは何か

  日本人が英語を話すときの特徴ですが、1文がとても長いのです。すべての内容を盛り込もうとしすぎて文が長くなりすぎて混乱し、ミスを引き起こしやすくしているのです。よくあるケースが、文が長すぎて時制がおかしくなったり、頭をフル回転させて文を考えているため、単語と単語が途切れ途切れになって自分がわからなくなってしまうのです。「英会話=相手と会話のキャッチボール」をしているのだから、文はできるだけ短くして話す機会を増やすことが重要なのです。

 

例) What time do you eat breakfast every morning?

  (あなたは毎朝何時に朝食をとりますか?)

 

 英語が多少できる人でも、会話でこれだけの英文を瞬時にいうことは難しいですね? しかし、言いたい内容をなるべく短く小出しすることによって、かんたんに話すことができます。

 

A:  Do you eat breakfast?

B:  Yes.

A:  Every morning?

B:  Yes.

A:  When?

 

 どうでしょうか? これぐらいなら「英語が苦手」という生徒でもすぐ言えるのではないでしょうか? 会話の流れから“When?”と一言で聞いても、前のことを受けて意味がわかるわけです。もちろん、もっと具体的に聞くなら“What time?”になりますが、使わなくても会話はできるのです。Bさんも“Yes, I do.”とはいわずに“Yes.”とだけ答えるだけでよいのです。伝えたい内容を短く小出しすることによって、文法のミスをなくしストレートに伝えることができるわけです。


最後に

「英会話」は、難しい文法も長文読解も必要ありません。「それでは英語が上達しないのでは?」と考える人も多いのですが、英会話が上達すると英語全般に興味が湧いて、きっといろいろな分野を勉強したいと思うようになることでしょう。

「英会話」は定期テストなどで評価されるものではありません。学校で必須の「単語」「文法」「読解」ができない…という生徒でも、「英会話はおもしろい」と思えばそれが大きな一歩になるということを忘れてはいけませんね。

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