不定詞とは何か
1度習ったことのある方も、一旦おさらいしましょう。
「不定詞の形は何?」と聞かれたら、答えは超簡単。
"to + 動詞の原形"といえば大丈夫です。
「じゃあ、不定詞の用法って何?」と聞かれても、1度習っていれば問題なし。
"名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法"でバッチリ。
「その用法の違いって何?」
さぁ、皆さんうまく答えられるでしょうか?
おそらく授業などではそれぞれの訳し方を教わり、それだけ暗記しておいて先生に指されたらその訳し方を答えてやり過ごす、という方は多いんじゃないでしょうか。
教わる側も教える側も、その辺をあいまいにしたまま授業をこなしていませんか?
この際ですから、それぞれの用法についてもう少し深めてみましょう。
イメージをつかんでしまえば、高校やその先の英語学習の大きな助けになるはずです。
~目次~
1.名詞的用法
まずは名詞的用法です。
訳し方は、「~すること」だけ覚えましょう。そもそも名詞とは、モノの名前を指すものでしたよね。
例文
My father likes to watch a baseball game on TV.
私の父はテレビで野球の試合を観ることが好きです。
まさに「~すること」と訳せますね。
では、ここからさらに一歩踏み込んだ話をしていきましょう。
例文の"to watch"は「観ること」。
つまり、このカタマリそのものが名詞のような役割をしていることを意味しています。
下の画像の赤字部分が名詞のような役割を果たしている、と考えてください。
「~する」は動詞ですが、「~すること」と行為そのものを指す言い方にしてしまえば名詞として扱うことが出来ます。
詳細な文法事項は高校英語の文型を学ぶ時に理解できれば十分なので、あくまでイメージでOKです。
動名詞との違いは、動名詞は完了したことを表すニュアンスである一方、不定詞には継続的なニュアンスがあります。
★ポイント
My father likes to watch a soccer game on TV.①
My father likes to watch a soccer game on TV.②
My father likes to 【 名詞 】.③
→【】内にくるのは名詞「的」なものと考えるべし!
2.形容詞的用法
訳し方は、「~するための・~すべき」です。
副詞的用法の「~するために」と混同をしてしまう人が多いのでしつこいくらいに違いを強調してあげる必要があります。
というか、各用法のイメージさえつかめれば自然と訳せるようになります。
形容詞とは、モノの状態などを説明する・情報量を増やすものです。
名詞の前につきます。
例えば、"flower"よりも"red flower"のほうが姿をイメージしやすいでしょう。
その際の"red"こそ形容詞というわけです。
例文
I want something to eat.
私は何か食べる(ための)ものが欲しい。(私は何か食べ物が欲しい)
ための、という部分は訳が不自然になってしまう場合は略してもかまいません。
()内のような訳が自然と出てくるようになればまず心配は要りません。
↓の赤字部分が形容詞のような役割を果たしている、ということです。
※実際の形容詞は名詞の前ですが、不定詞の形容詞的用法の場合のみ名詞の後ろに来ることに気をつけましょう。
3. 副詞的用法
まずは訳し方。
- 「~するために」は行動の目的
- 「~して」は感情の原因
「~するために」
I went to the library to study English.
私は英語を勉強するために図書館へ行った。
教科書などでもよく取り上げられる形です。
もしこの文が不定詞の前で切れてしまっていたとすると、「私」は何をしに図書館へ行ったのだろう、というツッコミが入ってしまいます。
そこに不定詞を入れることで、図書館へ行く目的がハッキリ分かるわけです。
「~して」
He was very glad to hear the news.
彼はその知らせを聞いてとても嬉しかった。
今回の場合、不定詞以下の部分が感情、つまり「彼が嬉しかった理由」を説明しています。
先ほどと同様、仮にもし不定詞以下が抜けていたとするとなぜ彼が嬉しかったのか分からなくなってしまいます。
以上、前回分とあわせて不定詞の3用法について説明しました!!
最後に
いかがでしたでしょうか?形と意味だけを暗記するだけでもとりあえず何とかなる不定詞について、深く掘り下げてみました。
なぜ、そこまでするのかというと…
英語を「文法」という形の暗記だけでなく、イメージの側面でも理解して欲しいから
です。
私たちが日本語で対話をする時、国語教科書のような複雑な文法事項なんてまず考えませんよね。
それと同じような感覚で、是非英語も理解していって欲しい。
(もちろん、基本的な文法事項をしっかり理解することは超大事です。そこが英語理解の第一歩です。)
そうすれば、学校のテストや入試での出来が違ってくるのはもちろん、生涯の英語学習の大きな助けになるでしょう。
あまり詳しくしすぎると頭がパンクしちゃう、という方は流して読むだけでも十分です。是非、学校や塾での授業などでお役立てください!
最後までご覧いただきありがとうございます。
塾講師ステーションにはこのほかにもあなたのお探しの情報があると思います。
是非ご活用ください!