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人生の大きな分岐点である就職活動。就職活動を意識して、今から準備をしておきたいものです。一方で、「就活対策、何をやったらいいんだ??」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そんな方はぜひとも『塾講師アルバイト』という選択肢を検討してみてください。実際に、塾講師経験者からは「塾講師経験が就活に活きた」との声をききます。この記事では、塾講師アルバイトの経験が就職活動で強い理由を私自身の経験と、他の塾講師経験者の生の声を通じて紹介します。
就職活動を見据えた大学生の皆さんの中には、焦っている方もいるかもしれません。また、もう動きだしている学生もいるかもしれません。
そんな中で、学生時代、塾講師として仕事をする傍ら、就活を2回も行った(笑)筆者が塾講師の就職活動を記事にしようと思いました。
理由は3つあります。
1つ目。私は1度就職活動を失敗し就職留年をしました。その時の勘違いを共有し、その経験者として一人でも多くの塾講師が希望の職を獲得してほしいという思い。
2つ目。間近に控えた大学3年生はもちろん、それ以外の学年の塾講師がこれからの内容を知っていると自分の就活のためにもなるし、何より授業や仕事の質が上がり塾業界全体、しいては生徒のためになると考えたため。
3つ目。多くの学生塾講師の方にリアルな塾講師の就活を知ってもらいたいと思ったから。
ぜひ、最後まで読んで下さいましたら幸いです。
もくじ
1. 塾講師であることのメリット・デメリット
塾講師のメリット
ここでは塾講師をしていて就職で役に立ったと思うことを書いていきたいと思います。
①コミュニケーション能力が自然と身についている
面接に代表されるように、就職活動では他者へ何かを伝える場面が非常に多くあります。よって、伝える力=コミュニケーション力は就活で最も大切な力と言って過言ではありません。
ここでのコミュニケーション力とは「友達と楽しく話す力」ではなく、「考えを端的に過不足なくわかりやすく伝える力」のことです。こうしたコミュニケーション力は一朝一夕で身につくものではなく、ある程度の訓練が必要です。
塾講師は人に勉強を教える仕事です。簡単な仕事ではありませんが、塾講師をすることでコミュニケーション力を着実に鍛えることができます。なので、これはとても大きなアドバンテージと言えるでしょう。
塾講師のエピソード1:限られた時間で伝える力
集団授業の塾講師として働いていましたが、そこでは限られた時間で生徒に教えるべきことを教えなければならないため、プレゼンテーションの能力が磨かれます。
就活の際、また就職後も役に立つ能力を得られる有意義なバイトでした。
(東京大学 教養学部文科一類 2年生 / 男性)
塾講師のエピソード2:目を見て話す習慣で好評価
個別指導塾で講師をしていたが、マンツーマンであるため当然だが目を見て話すクセが自然とついていた。後から聞くとその点は好評価だったようである。
(一橋大学 商学部 4年生 / 男性)
また、塾講師が対話を行う相手は生徒だけではありません。保護者の方と話す場面も多々あると思います。そして、この「大人と話す機会が多くある」というのが、塾講師特有の強みなのです。
もちろん塾講師以外のアルバイトでも、大人と話す機会は多くあるでしょう。しかし、塾講師は他のアルバイトと違い大人(保護者)と本気で子供たちの将来や授業計画を話し合います。しかも、その話し合いには講習費用などお金が発生することもたびたびです。いわば、子供の勉強のコンサルタントなのです。
私の塾では年に1人の生徒につき4回保護者面談を行っていました。そのために、大人と話すということにはほとんど抵抗がありませんでした。
いうまでもなく、就活で一番重要なのは面接です。そして面接官は決まって自分よりも年上で、面接を重ねれば重ねるほど年上の人が出てきます。自分の親世代の方と真剣に話し合い、自己PRをする必要があるのです。そのために、生徒について真剣に年上としかもほぼ対等に話すことのできる塾講師というのは非常にアドバンテージになります。
保護者との面談がないという塾も存在することは承知しています。そんな中でも自分の働きかけで保護者の方と話す機会を作ることはできないでしょうか?ベストなのは面と向かってお話をすることだと思いますが、電話だけでもいいと思います。
保護者からしても自分の生徒を教えている講師がどんな人なのか知りたいと思っています。保護者とのコネクションを作ることはもちろん就活の練習にもなりますが、何よりも生徒の家庭と良好な関係を気付くことで授業をやりやすくしたり、講習なども多く受講してくれるようになるなど授業進行面でのメリットもたくさんあるのです。
②基礎学力が他の学生よりもあることが多いまたは衰えていない
就職活動にも筆記試験は不可欠で、多くの企業、特に皆さんが名前を知っていて入社したいと思うような大企業は例外なく筆記試験やWEB試験を課してきます。
ここで問われる問題の多くは小学生から高校生で習ったような問題ばかりです。特に数学に限っては中学入試のような問題が非常に多いです。国語の漢字などは少々難しいのも出題されますが、高校入試程度の学力があれば十分です。
しかし、多くの大学生は大学に入学後勉強をしなかったり、専門分野のみ勉強をします。そのため、自分の専門分野は強くても他教科は全くという学生が多いのです。
しかしながら、我々塾講師は仕事で常に生徒を相手に勉強を教えています。勉強を教えるということは深い理解が必要です。また、毎日のように問題に触れているので他の大学生に比べて学力が衰えていないために非常に筆記試験では有利になるのです。
塾講師の体験談
塾講師をやっていると、忘れてしまいそうな受験のころの知識が抜けません。
人に教えているうちに自分の知識になって定着するので就職試験で筆記に心配する必要があまりなくなります。
あと、英語の文法などは抜けてしまいがちですが教えるときに復習するのでとてもためになります。
(早稲田大学 文学部 4年生 / 女性)
③教室内には多くの先生が在籍している
塾で仕事をしていると当たり前に感じますが、学校と並んで、塾ほど学校で習う教科の先生がそろっている空間はないと思います。
数学・国語・英語・社会・理科…。これはどういうことかというと、上記に書きましたように就活には学力試験が必須です。そんな中、問題集を解いていたり、実際に試験を解いていたりすると必ず分からない問題があります。そんな時、自分の職場に行けばそのモヤモヤを解消してくれる人がいるのです。しかも、講師なので教え方はピカイチです。
私は文系なので数学の問題は非常に苦手でした。そのため毎回同僚の理系の講師に問題の解き方や解説を習っていました。日ごろから中学生に教えているだけあって、高校時代に数学をあきらめた私でも非常に分かりやすく教えてもらえました。また、他にもエントリーシートを書く際にも国語の講師に読んでもらい表現や誤字がないかなどもチェックしてもらいました。
また、教室内には授業用の大量のテキストがあると思います。分からなかった問題や苦手な範囲の問題を無料で解くことができるのです。さらに、解説を読んでわからなければすぐ近くに解説をしてくれる講師を容易に見つけられるのです。これはとても大きなメリットと言えるでしょう。
塾講師のデメリット
①時間の融通がきかない
これは就活の時期に限った事ではありませんが、やはり大きなデメリットになります。
私の2014年度の経験では4月の面接解禁の前の3月も説明会とエントリーシート提出と面接で非常に忙しかったです。ということは来年も7月~8月は非常に忙しくなる可能性が大です。この時期は夏期講習と完全にかぶってしまいます。
また、就職活動に順調であればあるほど面接解禁月の第1週目は非常に忙しくなります。私のケースだと4月の1週目から2週目の水曜日ごろまではほぼ朝から夕方まで埋まっていました。面接に合格すればさらに面接は増えていきます。
夏期講習のシフトを提出したのに急に面接が入った…。今日は夜まで授業だけど明日朝一で面接が…。なんてことが頻繁に起きました。生徒第一が塾講師の役目ですが、自分の将来も重要です。給料は少なくなりますが授業数を減らしたり、あらかじめ教務リーダーの方や同僚へ相談をするなどの対策が必須です。
②生徒中心の生活になってしまう
塾講師は非常にやりがいのある仕事です。また、講師の方々は非常に責任感の強い人が多いです。そのために自分の生活が塾中心になってしまっているという人も多いのではないでしょうか?私の場合もそうでした。
自分の生徒が休んで振替をしたいと言ったら大学の授業に出ずに生徒の授業を持つということもありましたし、友達との予定をキャンセルしたこともありました。また、生徒関係の仕事があると終電で帰るということもたびたびでした。これは就活中も例外ではありませんでした。塾の予定を入れてから就活の予定を入れていました。
なぜこのようになるかというと、塾講師の仕事は代わりの人にはあまり務まらない仕事だからです。自分が休んだらもちろん他の講師が代行をしてくれるでしょう。しかし、教え方も違えば生徒との相性が合わないということもあります。講師はオンリーワンなのです。そのために自分が行かねば生徒がかわいそうという考えになります。このような考えから責任感が自然と強くなる方が多くなるのではないでしょうか。
この考えは決して間違っているとは思いません。しかし、就活になると非常に忙しくなります。説明会への参加はもちろん、夜な夜なエントリーシートを書くということもざらにあります。提出期限の5分前に提出ということもよくある話です。
そのため、やはり就活中は教室長に相談をして仕事を減らしてもらったり、代行を頼む際にもしっかりと指導の仕方などを作ったりする必要があります。私は、代行を頼む際には必ずやることを明記した紙を代行の講師に渡していましたし、代行の講師を決めるのも人任せにせず生徒の性格を考えて自分で頼むようにしていました。また、生徒関係の仕事は夜片付けるのではなく、いつもより塾に早く来て片づけていました。
ここまで、就職活動において塾講師であることのメリット・デメリットを見てきました。次章では、塾講師経験がどのように就活に生かせるのかを述べていきます。
2. 就職活動では何が問われるのか?
就活ではいったい何が問われているのでしょうか?就職活動で聞かれる基本的な質問はこんなものです。
- ①なぜ弊社を志望するのか
- ②学生時代頑張ってきたことは
- ③あなたの強みと弱み
- ④今までで一番苦労した経験は
- ⑤自己PR
こんな感じだと思います。これらのベーシックな質問はエントリーシート(以下ES)と面談でしつこいくらいに聞かれます。また、トリッキーな質問が聞かれることもありますが、根本はこの辺を問われていることが非常に多いです。就活生はこれらの質問に答えていく必要があります。
①以外の質問は全て自分に関するものです。(もちろん①の志望動機も自分の経験などに引きつけなければ中身の薄いものになってしまいますが…。)
私が1年目に焦っていたポイントは、人に誇ることのできる経験がほとんどないということでした。
②の学生時代頑張ってきたことはどの企業でも必ず聞かれます。そんな時に周りの友達はアメリカへの1年間の留学やサークル日本一の経験などを話していました。しかし、自分には何一つそんな大それたものはありませんでした。大学時代はサークルと塾講師のみしかやってこなかった普通の大学生だったからです。
もちろん塾講師を当時3年間続けてきた私にはそれなりに面白い経験や修羅場とも呼べるような経験を積んでいましたが、正直留学や日本一といった実績にはかなわないと思っていました。
しかしそれが大いなる間違いと気付いたのは2回目の就活中でした…。
1回目の失敗
ここで自分が1回目の就活の際にESや面接で話していた内容を記載したいと思います。学生時代に頑張ったことは(200文字以内)というESの質問に対して自分が答えていた内容です。当時のものに若干の修正をしています。が内容的にはほぼ一緒です。
アルバイト先の個別指導塾で代表として教室の雰囲気づくりに取り組んでいる。私の教室は1学期の生徒の成績表回収率が地域でワースト5に入る悪さであった。そこで、私はこの状況を変えるべく、期限を守るように他講師に働きかけた。初めは、なかなか他の講師も守ってくれなかった。しかし、自分自身がだれよりも早く担当生徒の成績表を集めるように努力した。また、守るように全体に向かって呼びかけたり、掲示したりもした。さらに、個別に状況を聞き出し、アドバイスも積極的に行った。その結果、2学期には期限内に100%回収することに成功した。またそれ以外の提出物の期限も守るような雰囲気を作ることができた。
こんなことを書いていました。当時は、「とにかく具体的に、さらに数字を書いて客観性を持たせる」ということを意識していましたので、こんな感じのものを書いていたんですね。一応このESで大手の化学メーカーは通ることができました。
しかしこのESは今から考えると全くなっていません。もちろんESは通ったものの面接では1次面接を通過することはできませんでした。
具体的に書こうとしすぎて、大して面白くもなくすごくもない内容を書いています。
そんなネタを前面に出してESや面接に通ろうとしても全く勝てる要素がないのです。
もちろんすごいネタを持っている学生しか就活は成功しないのかと言われればそれはNOです。ただし、私のこの失敗ESのように、すごくもないネタをすごいかのように見せて、それだけで戦うのでは勝ち目はありません。
このESを通して相手に自分を伝えていることが全くできていないのが失敗の要因であったと考えています。結局自分がしたことしか書いていません。なぜ自分はこのようなことをしようとしたのか、どんな思いで取り組んだのかが全く書かれていないのです。これは問題ですよね。
就活で重要なのは相手から問われていることに正確に答えることはもちろんなのですが、自分がはたしてどういう人間なのか、アピールしたい自分はどのような人間なのかを考えたうえで、すべての質問に通して自分はこういう人間なんだというのを伝えなければならないのです。
3. 普段の塾講師バイトの業務をどう就活に活かすのか
それでは、実際に普段の塾講師の仕事をどのように就活に結び付ければいいのでしょうか?
まず考えてほしいのはなぜ今自分は塾講師をしているのかということです。
なんとなく塾講師を選んだということはないはずです。また、就活の時期まで塾講師を続けている人ならば2~3年ほど勤めている人も多いことでしょう。
正直他のバイトに比べて忙しかったり、時給がよくなかったり、責任が重いこの塾講師という仕事を、なぜ今まで続けてこれたのかを考えてみてください。責任の重い仕事をわざわざ選び、長年続けているということだけでも、頑張ったことや強みになりませんか?
そして、「何年間頑張りました!」や「代表を務めました!」なんてことを前面に出して就活をするのではなく、「なぜ続けることができたのか?」「どういう気持ちで勤めていたのか?」というところを前面に出して就活に臨んでください。
その「なぜ?」があなたを映す鏡になりますし、その「なぜ?」は塾講師の仕事だけに限らずあなたが歩んできた人生に被ることが多いと思います。
自分で言えば、なぜ教室の雰囲気を変える必要があったのかと問われれば、責任感というところ行き着きました。そしてその責任感があったからこそ、4年間も塾講師を続けることができましたし、サークル活動などでも目立たない仕事を一生懸命こなすことができたのだと発見することができました。
責任感なんてあたりまえじゃないかと思うかもしれません。しかし、その責任感をなぜ持ったのか、どのように具現化してきたのかを自分なりに話すことができればそれはただの「責任感」ではなくオリジナルな「責任感」となり、説得力がぐっと増すのです。
そして、「なぜ?」の作業が終わったら、そのなぜに従って現状を考えてみましょう。何かやり残していることはないか、不満や疑問に思っていることはないかを考えましょう。そして、それらを解消するように働きかけていきましょう。いくらいいことをしても、「なぜ?」がなければ全く意味を持ちません。また、どんない小さなことでも「なぜ?」があればそれは立派な就活のネタになるのです。
また、作るだけではなくネタを探すこともしてみましょう。
塾内で自分だけがしていることなどはありませんか?どんなに小さなことでもかまいません。
私の例で言うならば、私は勤務していた塾から非常に遠い場所に住んでいました。が、主任などの業務があるために、常に終電に近い電車で帰っていました。
また、他講師は担当生徒の進路指導を全く行っていませんでした。しかし、私は進路指導を積極的にすることで進路に強いという評価をもらうことができました。
もっと小さなことでは、勤続年数が長くなっても、ゴミ捨てや掃除、塾の入り口の開け閉めは積極的に行っていました。これらはすべて責任感から来ていますし、上に立つ者こそ積極的に下の者に背中を見せなければならないという考えからも来ています。
このように探せばオリジナルなネタはたくさん落ちているはずです。また、責任感が強い塾講師という仕事だからこそ、ネタを見つけやすいと思います。日ごろの業務から生徒への接し方など多くのネタが落ちているはずです。
塾講師のエピソード1:課題発見能力を塾講師体験からPR
どの生徒がどのような課題を持っているか発見し、把握する能力が役に立った。この能力を課題発見能力と言い換え、自己PRとした。
(明治大学 政治経済学部 4年生 / 男性)
塾講師のエピソード2:塾講師経験を自己PRに!
自分の創意工夫能力、積極性などの自己PRポイントをこのアルバイトから得ました。
(早稲田大学 文化構想学部 4年生 / 女性)
4. おわりに〜塾講師バイトと就職活動〜
ここまで、塾講師と就職活動について語ってきましたが、いかがでしたでしょうか。
本稿の内容を簡単にまとめるならば、とにかく今目の前の仕事を全力でこなすことです。そして、成功しても失敗しても必ず就活では評価されます。ただし、それを「やりました」と言うだけでなく、「なぜ?」を必ず考えるようにしましょう。
塾講師を務めていただけで、相手からはいい印象を持たれます。なぜならば塾講師は真面目な人間でなければ務まらないからです。
日ごろの業務に自信を持って取り組んでください。
この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。ここまでお読みいただきありがとうございました。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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